闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

文字の大きさ
上 下
241 / 1,008

今日の予定は

しおりを挟む
 昨夜は遠足前の子どもの様にワクワクしてしまい、布団に入ったのは早くとも結局いつもの時間に寝てしまった。
朝も起きてからソワソワが止まらなくて、出かける前に「今日は遅くなるから」と九条と会う事を母に告げて家を出た。

 気持ちがルンルンで、不思議と周りの景色も輝いて見える。

 例えばデートの日って、きっと皆もこんな気持ちなんだろうなぁ…。って、僕の場合はデートじゃないし!!

「何考えてるんだろ、僕」

 初めての事が続きすぎて浮かれてるんだな。

 おかしな考えを追い払った祐羽は、恥ずかしさを誤魔化すように、そそくさと校内へと入った。
 土曜日でも部活はあるワケで、時間は9:00から16:00なので、学校から電車で二駅のところに水族館はあるので、待ち合わせには余裕がある。
 そして今日は、土曜日だが近くの高校で練習試合だ。
  取り敢えず一旦、九条の事は忘れて夕方まで部活を頑張るぞ!!と息巻いて部室に顔を出したのだが…。

「おはようございます」

「おっ、月ヶ瀬おはよう」

「って…どうかしたのか月ヶ瀬?」

「え、何がですか?」

 部長の宇佐美に言われた意味が分からなくて首を傾げる。

「ん~何かいつもと違う気がするのは気のせいか?」

 そこへ副部長の高橋も賛同してくる。

「うん、確かに。顔があからさまに緩んでる…月ヶ瀬もしかして嬉しい事でもあった?」

「えっ?!」

 嬉しい事はあったし、これからあるしで間違いではない。

「ええっ?!僕、そんなに分かりやすい顔してますか…?」

 まさかそこまで表情に出ているとは思いもよらず、恥ずかしさに顔が赤くなる。

「おいおい、なんだよ~。めちゃくちゃ気になるんだけど…」

 宇佐美にジト目で見られる。

「いや、その…。あの、今日の夜水族館に行くんです。それが楽しみで…」

 祐羽は忘れると決めていた九条を思い描きながら今日の予定をお披露目した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

性的イジメ

ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。 作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。 全二話 毎週日曜日正午にUPされます。

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

ニューハーフ極道ZERO

フロイライン
BL
イケイケの若手ヤクザ松山亮輔は、ヘタを打ってニューハーフにされてしまう。 激変する環境の中、苦労しながらも再び極道としてのし上がっていこうとするのだが‥

少年野球で知り合ってやけに懐いてきた後輩のあえぎ声が頭から離れない

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
少年野球で知り合い、やたら懐いてきた後輩がいた。 ある日、彼にちょっとしたイタズラをした。何気なく出したちょっかいだった。 だがそのときに発せられたあえぎ声が頭から離れなくなり、俺の行為はどんどんエスカレートしていく。

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

a pair of fate

みか
BL
『運命の番』そんなのおとぎ話の中にしか存在しないと思っていた。 ・オメガバース ・893若頭×高校生 ・特殊設定有

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

処理中です...