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早退
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もう大丈夫だろうと高を括っていた自分を殴りたい。
ブワッと冷や汗が吹き出て、 一瞬目の前が真っ暗になる。
何で。
何で今頃になって連絡が入るんだろうと考えても分からない。
そして連絡をしてくる理由に検討もつかない。
祐羽はただの高校生だ。
お金持ちでもなければ、特別秀でた能力があるわけでもない。
そんな自分に連絡をしてきて一体なんだろうか。
確かに連絡するような事は一方的とはいえ伝えられていたが…。
「ちょ、ちょっと…」
そう言って席を外した祐羽は廊下に出ると、渡り廊下前の人気の無い場所でもう一度スマホを見た。
【今日の放課後迎えに行くから】
「えっ…!!?」
何度読み返してもそこには、中瀬が祐羽を迎えに行くという文章があった。
一体何の為に迎えに来るのか?
その予想が出来ない故に、祐羽は恐怖に戦いた。
まさか殺されはしないだろうが、何か無理難題を吹っ掛けられる可能性もある。
前回が無事だったからといって、今回も助かるとは限らない。
犯罪に手を染めろとか言われたら?
それだけは絶対に出来ない。
祐羽は決意した。
「い、言いなりになってたらダメだ…!」
警察に行って事情を話せば、助けてくれるかもしれない。
こうなれば善は急げだ。
祐羽はスマホを閉じると教室に戻る。
それから体調が悪いからと言い訳をして、何とか早退を認めてもらえた。
普段大人しく真面目な祐羽の嘘は、その顔色の悪さも手伝って友達も担任も疑うことなく送り出してくれた。
ごめんなさい、先生。と内心で謝りつつ靴に履き替え校舎を出た。
ブワッと冷や汗が吹き出て、 一瞬目の前が真っ暗になる。
何で。
何で今頃になって連絡が入るんだろうと考えても分からない。
そして連絡をしてくる理由に検討もつかない。
祐羽はただの高校生だ。
お金持ちでもなければ、特別秀でた能力があるわけでもない。
そんな自分に連絡をしてきて一体なんだろうか。
確かに連絡するような事は一方的とはいえ伝えられていたが…。
「ちょ、ちょっと…」
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【今日の放課後迎えに行くから】
「えっ…!!?」
何度読み返してもそこには、中瀬が祐羽を迎えに行くという文章があった。
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犯罪に手を染めろとか言われたら?
それだけは絶対に出来ない。
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こうなれば善は急げだ。
祐羽はスマホを閉じると教室に戻る。
それから体調が悪いからと言い訳をして、何とか早退を認めてもらえた。
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ごめんなさい、先生。と内心で謝りつつ靴に履き替え校舎を出た。
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