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祈りながら
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昼休み。
賀川と小野と机を囲んで弁当箱を開く。
お腹は空いてもいいはずだが、心がモヤモヤしているせいか進まない。
ふたりの話に耳を傾けながら漸く食べ終えると、弁当箱を片づけようと鞄を開いた。
「っ!!!」
そのタイミングでスマホが着信を知らせ震えたのが分かった。
「………ぁ…」
心臓が大きく脈動した。
ドッドッドッと全身が心臓になったかの様だ。
見たくない。
正直見たくないけれど、ずっとこのままで過ごせるはずもないし必ずしも中瀬からとは限らない。
そうだよ。他の人からの連絡かもしれないし、他の通知かもしれない。
「…」
スマホを取った手は微かに震え、今の自分の顔色はよくないだろうという事も自覚していた。
そんな状態でもなんとか勇気をもってスマホを手にしてロックを解除して、確認する。
チラッと見ると一気に安堵が訪れる。
そこには中瀬からの連絡は一切無かった。
「良かった…っ、はぁっ」
大きく息を吐き出すと、それを見ていた小野が「どうした?」と不思議そうに問いかけてくる。
「え、いや…。なんでもないよ」
不自然にならないように、祐羽は小さく笑った。
連絡が来ませんように、と祈りながらスマホをそのまま鞄の中へと仕舞った。
※番外編を別にアップしたのでよければ読んでみてください♪
賀川と小野と机を囲んで弁当箱を開く。
お腹は空いてもいいはずだが、心がモヤモヤしているせいか進まない。
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「っ!!!」
そのタイミングでスマホが着信を知らせ震えたのが分かった。
「………ぁ…」
心臓が大きく脈動した。
ドッドッドッと全身が心臓になったかの様だ。
見たくない。
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そうだよ。他の人からの連絡かもしれないし、他の通知かもしれない。
「…」
スマホを取った手は微かに震え、今の自分の顔色はよくないだろうという事も自覚していた。
そんな状態でもなんとか勇気をもってスマホを手にしてロックを解除して、確認する。
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「え、いや…。なんでもないよ」
不自然にならないように、祐羽は小さく笑った。
連絡が来ませんように、と祈りながらスマホをそのまま鞄の中へと仕舞った。
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