95 / 1,008
安心させる声
しおりを挟む
泣くな。
こんな事で泣くな。
祐羽は自分の想像で落ち込んだ自分を心で励ました。
そしてグイッと目元の涙を拭った。
まだ起きてもいない出来事に心が痛い。
九条にされた仕打ちとは別に、これからの事が大きくのし掛かってくる。
暴力や性的な事に縁の無かった自分が、恐ろしい経験を積んで、心身ともに弱っていた。
そして、今は家に帰れるかも分からない。
その当たり前の様にあった家族を懐かしんで涙に暮れれば、それはそれで今の自分を受け入れて貰えるかも分からないのだ。
どうしたらいいのか。
そればかりが頭を駆け巡る。
「帰りたい、ですっ…。お願いします。帰らせて下さい…」
九条を見上げて再び頭を下げると、いきなり頭に片方の掌が置かれた。
九条の大きな手からすると、祐羽の頭など小さく捻り潰せる程だ。
まさかそんな事はされまいと思いながらも、突然の事で涙が引っ込んでしまった。
ドキドキと高鳴る心臓と、半ばプチパニックに陥った。
「帰らせてやる」
そんな祐羽に、九条が聞いたことも無いような声音で言った。
「…安心しろ」
その言葉に、祐羽はゆっくりと顔を上げた。
こんな事で泣くな。
祐羽は自分の想像で落ち込んだ自分を心で励ました。
そしてグイッと目元の涙を拭った。
まだ起きてもいない出来事に心が痛い。
九条にされた仕打ちとは別に、これからの事が大きくのし掛かってくる。
暴力や性的な事に縁の無かった自分が、恐ろしい経験を積んで、心身ともに弱っていた。
そして、今は家に帰れるかも分からない。
その当たり前の様にあった家族を懐かしんで涙に暮れれば、それはそれで今の自分を受け入れて貰えるかも分からないのだ。
どうしたらいいのか。
そればかりが頭を駆け巡る。
「帰りたい、ですっ…。お願いします。帰らせて下さい…」
九条を見上げて再び頭を下げると、いきなり頭に片方の掌が置かれた。
九条の大きな手からすると、祐羽の頭など小さく捻り潰せる程だ。
まさかそんな事はされまいと思いながらも、突然の事で涙が引っ込んでしまった。
ドキドキと高鳴る心臓と、半ばプチパニックに陥った。
「帰らせてやる」
そんな祐羽に、九条が聞いたことも無いような声音で言った。
「…安心しろ」
その言葉に、祐羽はゆっくりと顔を上げた。
20
お気に入りに追加
3,671
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
R-18♡BL短編集♡
ぽんちょ♂
BL
頭をカラにして読む短編BL集(R18)です。
pixivもやってるので見てくださいませ✨
♡喘ぎや特殊性癖などなどバンバン出てきます。苦手な方はお気をつけくださいね。感想待ってます😊
リクエストも待ってます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる