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3月16日 レースゲーム
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私、紗奈、眞里阿は由芽に取ってもらった大きなぬいぐるみを抱えながら店内を歩き回る。途中、気付いた店員さんに紙袋を渡されたので、その中にゆっくり入れて保つことにした。
「荷物になっちゃったね…ごめんね」
「え、なんで謝るの??嬉しいよ」
「はい!大切に飾ります!」
「むしろあんなすぐ取ってもらえて助かったよ~!私の財布がまだ生きてる…!」
由芽は申し訳なさそうにしていたが、あんな大きなぬいぐるみをサクサク取る技巧も見られたし、その上で可愛いぬいぐるみを貰えるなんて嬉しいことこの上ない。感謝を述べると由芽は少しだけ照れくさそうにしていた。
「あ、次はあれやらない?対戦ゲーム!」
「友情が崩壊するやつ?」
「しないよ!?…………多分」
「私はあんまりやったことがないので、やってみたいです…!」
「あはは、ちょうど4人だしやってみる?」
紗奈が指したのは、実際の運転席を模した形の有名なレースゲームだ。ちょうど4席あり、それぞれが共に通信形式で同じレースに参加出来るらしい。
「紗奈、身長足りてる?」
「足りてるよ!いくつだと思ってるの!?」
「………5歳?」
「10足しても足りないよ!!」
小さい子はペダルに足が届かず出来ない設定になっているようだが、紗奈は足りたらしい。良かったと安心する私達の横で、紗奈は拗ねたように頬を膨らませていた。
「これ、どうやるんですか…?」
「えっと、そこのボタンを押して…次に…」
「私もやったことないなぁ、こういうの」
「まぁゲーセンに来なきゃ出来ないしね」
眞里阿に紗奈が教え終わり、やっとレースが開始する。白黒のレース旗が振られ、一斉にスタートした。眞里阿はゆっくりと走り出したが、一応のルールを知ってる私も含め他の3人はスタートダッシュを決めた。
「わぁあ…皆早いです…っ」
「大丈夫大丈夫、落ち着いて?」
「ふふーん、私が1番!」
「じゃあ妨害しよ」
「ぎゃっ!?ちょ、ちょっと由芽!?」
「眞里阿、これが友情崩壊の所以だよ」
「な、なるほど…?」
「変なこと教えないの」
そんな会話を交えつつ、レースは最終ラップへと進んでいく。慣れない眞里阿は苦戦しながらも丁寧に走り続け、紗奈と由芽はテクニックを駆使しながらトップ争いを繰り広げている。私はそれらをのんびりと観戦しながら、真ん中あたりの順位をキープしていた。
「やったー!ゴールだー!」
「む、あと少し妨害が間に合えば勝てたのに」
「お疲れ様、眞里阿」
「は、はい…っ何とかゴール出来ました…!」
結果は紗奈が1位、由芽が2位、私が5位、眞里阿が8位だった。CPUも含め10人のプレイヤーがいるので、最下位はいなかったことになる。
「由芽、こういうのも得意なんだね」
「まぁ家にあるからね、ゲーム機用の方だけど」
「じゃあ今度はそっちで勝負しよう!」
「いいね、負けないよ」
「はわ…私は今のでもう疲れちゃったんですけど、2人とも元気ですね…!」
「画面が結構揺れるし、初めてなら酔っちゃうよね。少し休む?」
「は、はい…飲み物、買って来ます…!」
一旦店から離れて、近くの自販機に向かうことにした。
「荷物になっちゃったね…ごめんね」
「え、なんで謝るの??嬉しいよ」
「はい!大切に飾ります!」
「むしろあんなすぐ取ってもらえて助かったよ~!私の財布がまだ生きてる…!」
由芽は申し訳なさそうにしていたが、あんな大きなぬいぐるみをサクサク取る技巧も見られたし、その上で可愛いぬいぐるみを貰えるなんて嬉しいことこの上ない。感謝を述べると由芽は少しだけ照れくさそうにしていた。
「あ、次はあれやらない?対戦ゲーム!」
「友情が崩壊するやつ?」
「しないよ!?…………多分」
「私はあんまりやったことがないので、やってみたいです…!」
「あはは、ちょうど4人だしやってみる?」
紗奈が指したのは、実際の運転席を模した形の有名なレースゲームだ。ちょうど4席あり、それぞれが共に通信形式で同じレースに参加出来るらしい。
「紗奈、身長足りてる?」
「足りてるよ!いくつだと思ってるの!?」
「………5歳?」
「10足しても足りないよ!!」
小さい子はペダルに足が届かず出来ない設定になっているようだが、紗奈は足りたらしい。良かったと安心する私達の横で、紗奈は拗ねたように頬を膨らませていた。
「これ、どうやるんですか…?」
「えっと、そこのボタンを押して…次に…」
「私もやったことないなぁ、こういうの」
「まぁゲーセンに来なきゃ出来ないしね」
眞里阿に紗奈が教え終わり、やっとレースが開始する。白黒のレース旗が振られ、一斉にスタートした。眞里阿はゆっくりと走り出したが、一応のルールを知ってる私も含め他の3人はスタートダッシュを決めた。
「わぁあ…皆早いです…っ」
「大丈夫大丈夫、落ち着いて?」
「ふふーん、私が1番!」
「じゃあ妨害しよ」
「ぎゃっ!?ちょ、ちょっと由芽!?」
「眞里阿、これが友情崩壊の所以だよ」
「な、なるほど…?」
「変なこと教えないの」
そんな会話を交えつつ、レースは最終ラップへと進んでいく。慣れない眞里阿は苦戦しながらも丁寧に走り続け、紗奈と由芽はテクニックを駆使しながらトップ争いを繰り広げている。私はそれらをのんびりと観戦しながら、真ん中あたりの順位をキープしていた。
「やったー!ゴールだー!」
「む、あと少し妨害が間に合えば勝てたのに」
「お疲れ様、眞里阿」
「は、はい…っ何とかゴール出来ました…!」
結果は紗奈が1位、由芽が2位、私が5位、眞里阿が8位だった。CPUも含め10人のプレイヤーがいるので、最下位はいなかったことになる。
「由芽、こういうのも得意なんだね」
「まぁ家にあるからね、ゲーム機用の方だけど」
「じゃあ今度はそっちで勝負しよう!」
「いいね、負けないよ」
「はわ…私は今のでもう疲れちゃったんですけど、2人とも元気ですね…!」
「画面が結構揺れるし、初めてなら酔っちゃうよね。少し休む?」
「は、はい…飲み物、買って来ます…!」
一旦店から離れて、近くの自販機に向かうことにした。
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