神様自学

天ノ谷 霙

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12月9日 朝

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どうやら、あのまま眠ってしまっていたようだ。外は薄暗くなっている。携帯で時刻を確認すると、5時半過ぎを差していた。学校まではまだそこそこ時間がある。いつの間にか電気が消え、毛布が掛けられているので母親がやったのだろう。起き上がって近くにある全身鏡にふと目をやると、髪に結い跡のようなものが付いている。私の赤色の目が朱色がかったものに変化している気がする。ただの気のせいかもしれないが。
「…ゆ、め…」
何だか苦しい夢を見ていた気がする。最後に背中を押された感覚と言葉だけはぼんやりと覚えている。あれは誰の声だったのだろう。聞き覚えがあった気がする。それに、淡いオレンジ色の光。誰の色なんだろう。私は、何の夢を見ていたのだろう。
全てが曖昧に消えていく夢の出来事。私は覚醒に向かっていくごとに消えていく記憶を何故か大事にしたくて、適当な紙にメモを取る。
メモの内容に目を通すと何だか恥ずかしくなって、くしゃくしゃにして捨てた。
もう一度眠ろうと思ったが、意識が完全に覚醒してしまっていてベッドに戻っても目を閉じる気が起きない。
今日の授業は、何だっけ。
そんなことを考えながら携帯を見る。暇つぶしくらいにはなるだろう。いろんなサイトを巡って、膨大な情報を流し読みする。確か前に花火がやっていた行動だと聞いた。あれは夜寝付けなくてやる、ストレス過多の症状だった筈だ。私はただの暇つぶしなのでストレス過多の症状ではない、と思う。何かしらに無意識にストレスを感じているなら、あまり良くないな、とは思うが。
ぼんやりとネットの海を漂っていると、結構な時間が経っていたらしい。もうそろそろ1時間が経ちそうだった。
「…ちょっと早いけど、準備、するか…」
今日は水曜日。1週間の折り返し地点。体がだるいのはそのせいだろうと思って、何も考えずに一階に降りた。
「あら早いわね。珍しい。今日は槍?」
「失礼だよ…ちょっと目が覚めちゃったの」
確かに朝には弱いが、天気を変えるほどの珍しい出来事では無い。そう信じたい。お母さんは忙しなく働いて、朝の準備と家事を並行して進めている。
「そういえば夕音、昨日電気付けっ放しで寝てたでしょ。お母さんが起きたから良かったものの、電気代とか馬鹿にならないんだから気を付けなさいよ。疲れてるの?」
「反省してます。…そうなのかなぁ、何か自覚ないままに疲れてるのかな」
「今日は早く帰って来て休みなさい」
「はーい」
いつの間にか机の上に並べられた朝ご飯を食べる。私にしては珍しく食欲が湧かなくて、どうしても食べ切れなくて申し訳ないが少し残してしまった。
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