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9月24日 残り僅か
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「おーっす…て、なんか集まってるな??」
「富!?」
活発そうな女の子が教室に入ってきた瞬間、富くんに戻った。富くんは4組だったから、そろそろ近かった人も効果が切れ始めてるのだろうか。
「雪まだそのまんまなのか?」
「薬が充満したとき、近くにいた奴は多いみたいだぞ」
「小野ちゃん。あーだからか」
小野くんの言葉に、何故か納得した様子の富くん。
「俺今日の朝、職員室にいたから薬からはそこそこ遠かったみたいなんだよな」
「…許さない」
未だ女子の姿から戻らない雪くんが、怒気のような感情を込めて富くんを睨みつけた。
「あ、戻りましたぁ…!」
「お、俺もだ」
教室の端でトランプをやっていた潮賀くんと北原くんの声が聞こえる。先ほどまでいた可愛らしい女の子2人組はいなくなっていた。潮賀くんの声に反応して振り向いたクラスメイトの一部が、本当に残念そうな顔をしていたのに気付き、少し笑ってしまった。
「夕音も由芽も戻るのまだ効果は切れなさそうだね…」
「だね…結構近くにいたから…」
「実栗ちゃんと青海川先生と、あと何人か4組がいてその次くらいの近さだったからね」
「うん、4組の教室にいた人よりも遅いと思うな」
「あと戻ってないのは…」
「3組だけで雪、竜夜、藤上、夕音、由芽ぐらいかな」
「え、あれ?私戻ってます?」
紗奈の言葉に、眞里阿がびっくりしていた。眞里阿は自分の姿を確認して、戻ったのに今気付いたらしい。
「結佑人帰ろう…ってまだ戻ってないんすね」
なんか3組に集まる率が高いなぁ、と思いながら、教室に入ってきた鹿宮くんを見る。昼休みとは違い、いつも通り男の子の姿だった。
「あれ、4組も戻ってんの?」
「半分くらいは戻ったっすよ~、春とかも戻ってるっす」
「「あ」」
そのとき、同時くらいに藤上くんと爽が戻った。
「やっと帰れる…」
「変な感じだったよね」
爽の安堵の声に、亜美がにこにこしながら答える。
「えぇ…俺まだ戻らないのか…?」
「もうそのままで良いんじゃない?可愛いし」
「それは絶対嫌だ」
霙にからかわれて、断固拒否する雪くん。男としてのプライドが…と顔に書いてあり、申し訳ないがその様子も可愛らしいと思ってしまった。
「俺も戻らないなぁ…」
「3組も残り少なくなってきたね」
「それじゃ俺は帰るわ。桜待たせてたし、実栗はもう少し困れば良いと思うし、放置して帰るわ」
兄妹仲が悪いわけではないだろうが、今回のことは流石に無関係だったのに一緒に呼び出されて疲れたらしい。挨拶を済ませてさっさと帰ってしまった。
羅樹もまだ戻ってないのかな。
「富!?」
活発そうな女の子が教室に入ってきた瞬間、富くんに戻った。富くんは4組だったから、そろそろ近かった人も効果が切れ始めてるのだろうか。
「雪まだそのまんまなのか?」
「薬が充満したとき、近くにいた奴は多いみたいだぞ」
「小野ちゃん。あーだからか」
小野くんの言葉に、何故か納得した様子の富くん。
「俺今日の朝、職員室にいたから薬からはそこそこ遠かったみたいなんだよな」
「…許さない」
未だ女子の姿から戻らない雪くんが、怒気のような感情を込めて富くんを睨みつけた。
「あ、戻りましたぁ…!」
「お、俺もだ」
教室の端でトランプをやっていた潮賀くんと北原くんの声が聞こえる。先ほどまでいた可愛らしい女の子2人組はいなくなっていた。潮賀くんの声に反応して振り向いたクラスメイトの一部が、本当に残念そうな顔をしていたのに気付き、少し笑ってしまった。
「夕音も由芽も戻るのまだ効果は切れなさそうだね…」
「だね…結構近くにいたから…」
「実栗ちゃんと青海川先生と、あと何人か4組がいてその次くらいの近さだったからね」
「うん、4組の教室にいた人よりも遅いと思うな」
「あと戻ってないのは…」
「3組だけで雪、竜夜、藤上、夕音、由芽ぐらいかな」
「え、あれ?私戻ってます?」
紗奈の言葉に、眞里阿がびっくりしていた。眞里阿は自分の姿を確認して、戻ったのに今気付いたらしい。
「結佑人帰ろう…ってまだ戻ってないんすね」
なんか3組に集まる率が高いなぁ、と思いながら、教室に入ってきた鹿宮くんを見る。昼休みとは違い、いつも通り男の子の姿だった。
「あれ、4組も戻ってんの?」
「半分くらいは戻ったっすよ~、春とかも戻ってるっす」
「「あ」」
そのとき、同時くらいに藤上くんと爽が戻った。
「やっと帰れる…」
「変な感じだったよね」
爽の安堵の声に、亜美がにこにこしながら答える。
「えぇ…俺まだ戻らないのか…?」
「もうそのままで良いんじゃない?可愛いし」
「それは絶対嫌だ」
霙にからかわれて、断固拒否する雪くん。男としてのプライドが…と顔に書いてあり、申し訳ないがその様子も可愛らしいと思ってしまった。
「俺も戻らないなぁ…」
「3組も残り少なくなってきたね」
「それじゃ俺は帰るわ。桜待たせてたし、実栗はもう少し困れば良いと思うし、放置して帰るわ」
兄妹仲が悪いわけではないだろうが、今回のことは流石に無関係だったのに一緒に呼び出されて疲れたらしい。挨拶を済ませてさっさと帰ってしまった。
羅樹もまだ戻ってないのかな。
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