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来訪者編
81 チナの弱点。
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私たちの生活に、スライムが加わった。
当たり前のように毎日やってくるスライムに、アルトさんはすぐ順応し、カイルさんとホムラは最初は興味を持っていたものの今は無関心、ライくんに至っては初めからスルーを決め込んでいる。
今やスライムに興味を持っているのは敵対心を抱いているミカンのみ。
敵対心を持っているとはいっても、ミカンはスライムくんがやってくると転がして追い返そうとしたり、のしかかって押さえつけるなどの軽いじゃれ合いといえるようなことしかしない。
逆に、スライムの方からミカンへちょっかいを掛けに行くことも多々ある。
スライムからすれば、敵対心を抱かれているなんて知らずに、ただ遊んでくれる相手と認識しているのだろう。
ミカンが少し不憫だが、本当に嫌になれば自分から姿を隠してしまうので、じゃれ合っているうちは平和なものだ。
ミカンにかかればスライムなど一瞬で倒してしまえるというのにそれをしないのは、私を想ってのことだろう。優しい子である。
私がギルドの仕事や鍛錬をしている間は、そうしてミカンが相手してくれるか、大人しく見守っていてくれているので、このスライムは本当に賢い子なんだろうと思う。
そんなスライムに、私は呼び名を付けた。
その名も『すらくん』。なんとも安直な名である。
呼びやすさと、わかりやすさを重視した結果だ。
すらくんもこの呼び名を気に入ってくれているようなので良いとしよう。
こうして私は毎日、ひんやりプルプルのすらくんに癒やされているのであった。
カランコロンとベルの音を響かせ、古びた木のドアを開く。
まるで骨董品店のような雑多な雰囲気の店内に、違う世界に引き込まれたような気分になった。
カウンターには色気を出し惜しみしない妖艶な美女――店主のヴィエラさんが気だるげに座っている。
「……やぁ、お嬢ちゃん。久々だね」
「こんにちわ」
やってきたのは魔道具屋。
一緒に町へ降りてきたカイルさんはダン爺に引き止められたためにギルドで別れ、私一人でやってきたのだ。
いつもは一緒にいるミカンも、この日は珍しくお留守番である。夏バテ気味なのか、部屋で寝ているようだ。
魔物であるすらくんを町へつれてくることは、もちろんできない。そんなことすれば、あっという間に討伐されてしまうだろう。
そんなわけで、私は珍しく本当に一人きりなのである。
手元の本に視線を落とすヴィエラさんを横目に、私は店内をぐるっと見渡した。
相変わらずここには、用途不明の魔道具ばかりが並んでいる。
それも、綺麗に整理されているわけではなく、雑多にごちゃっと置かれているのだ。
魔道具って、高価なものじゃなかったっけ……?と、呆れながら背の高い棚の間を練り歩いた。
透明な水晶と、カラフルな魔石。
まるで、きれいな置物のような魔道具が並ぶ中、一つ異質なものを見つけた。
他の魔道具に埋もれるように置かれていたそれは、緑と青、2つの魔石がついた銀色の輪。
大きさからして、ブレスレットだろうか?
存在感の強い2つの魔石の周りに、ぐるりとツタのような模様が描かれているだけのシンプルなデザイン。
あまり手入れされていないためか、少し曇っている様子のそれに、私はなぜか強く惹かれていた。
上に被さるように乗っていた水晶の魔道具を避けて、そのブレスレットを手にとってみる。
近くで見るとやはり、曇りとサビが目立つ。かなり長い間放置されていたのだろう。値札が括られている紐も、今にも切れそうだ。
と、そこで目に入ったものに、私は目を見開いた。
今まで、他のどの商品を見ても何も書かれていなかった真っ白な値札。
このブレスレットにも、もちろん同じものが結びつけられているのだが、これは他と違って、何か文字が書いてあるのが見えたのだ。
紐をちぎってしまわないように、丁寧に手に取り、よく見てみる。
そこには間違いなく、黒いインクで文字が書かれていた。
『アクアヴェール
・水中呼吸 ・水中での服、肌の保護
10万ゴル』
この商品の説明だろうその文字に、私は驚きで立ち尽くす。
書かれている文字を見れば、それが魔道具であろうことは容易に察せる。
私は初めて、この店にある商品が本当に魔道具であることを認識できた。
「おや、なにか見つかったかい?珍しいこともあるもんだねぇ」
店主がそれを言ってしまうのか、と突っ込みそうになったがそれは置いておいて……。
見せてみな、と手招きするヴィエラさんに従って、私はそのブレスレットをカウンターまで持っていく。
そっとそれを差し出せば、くるくると回し見ながらふむふむと頷くヴィエラさん。
不意にニヤッと笑ったかと思えば、その表情のまま視線をこちらに寄せてきた。
「なんだいお嬢ちゃん、泳げないのかい?」
からかいを含んだその問いかけに、私は少しムッとなりながらも首をかしげる。
その魔道具とその問いかけに、なんの関係があるのか。
「言っただろう?必要なものは自然と分かる。お嬢ちゃんがこれを認識したってことは、無意識にでも求めていたものだったかさ。……で、泳げないのかい?」
「お、泳げますよ……!」
水泳は苦手ではない。前世でもそこそこ泳げてはいた。
この世界に来てからは水泳をしたことが無いので、厳密には「わからない」といったほうが正しいのかもしれないが、なんとなくヴィエラさんの問いかけにイラッとしてムキになってしまった。
「ほう……?」
全てを見透かすようねヴィエラさんの眼差しにたじろぐ。
私は視線が泳ぎ、思わず口を開いていた。
「ただ、ちょっと……息継ぎが苦手なだけ、です…………」
そう、私は息継ぎが壊滅的にできないのだ。
泳ぎ始めはいい。フォームは綺麗だし、まっすぐ泳げている。褒められたこともある。
しかし、少しでも息継ぎをしようとすれば何故か沈んでいく。どれだけ練習しても、息継ぎだけはできなかった。
最終的に、息継ぎしなければ良いという結論にたどり着き、私は肺活量ばかりが強くなっていったのだった……。
一呼吸置いた後に、ヴィエラさんの盛大な笑い声が店内に響く。
心底おかしそうに、目に涙まで浮かべての大爆笑だ。
「そうかいそうかい、息継ぎができないのかい!いやぁ、お嬢ちゃんにも可愛らしいところがあるじゃないか!あたしゃ安心したよ」
そこまで笑うことじゃないと思う……。
確かにここへは魔道具について教えてもらいに来たくらいで、その時の私はあまりにも子供らしさに欠けていただろう。
これは、私がヴィエラさんに見せた初めての弱点……。それが、息継ぎができないこと、なんて予想外すぎるにも程があるだろう。まさか私もこんなところでバレてしまうなんて思っていなかった。
……それにしても笑いすぎだ!
私は赤くなった顔を隠すように軽く俯いて、声を上げた。
「そ、それください……!」
「はいはい……。10万ゴルだね、金貨一枚だ」
普段はカイルさんたちが払ってくれるために私がお金を使うことはほとんど無い。
しかし、私だって冒険者活動をしているので収入はあるのだ。
使うことが無いために溜まっていくばかり……。
10万ゴルというのはかなり高価――日本円にしてもおよそ10万円程の価値があるが、普段お金を使うことが無い私には払える額であった。
ヴィエラさんも珍しいと言っていた通り、この店での魔道具との出会いは一期一会。
……屈辱ではあるが、息継ぎができない私にとっても、今後必須になるであろう魔道具であるために、私は即購入を決めた。
ちなみにこの世界のお金は、鉄貨一枚100ゴル、銅貨一枚1000ゴル、銀貨一枚1万ゴル、金貨一枚10万ゴル、白金貨一枚1000万ゴルとなっている。
白金貨のみ桁が飛ぶが、かなり覚えやすいと思う。
笑いを堪えた顔でこちらを見ているヴィエラさんに金貨を一枚差し出す。
「まいどあり!」
未だにクスクスと笑うヴィエラさんの声を背に、ブレスレットを受け取った私は、熱くなった頬を抑えながら、飛び出すようにして魔道具屋を出た。
当たり前のように毎日やってくるスライムに、アルトさんはすぐ順応し、カイルさんとホムラは最初は興味を持っていたものの今は無関心、ライくんに至っては初めからスルーを決め込んでいる。
今やスライムに興味を持っているのは敵対心を抱いているミカンのみ。
敵対心を持っているとはいっても、ミカンはスライムくんがやってくると転がして追い返そうとしたり、のしかかって押さえつけるなどの軽いじゃれ合いといえるようなことしかしない。
逆に、スライムの方からミカンへちょっかいを掛けに行くことも多々ある。
スライムからすれば、敵対心を抱かれているなんて知らずに、ただ遊んでくれる相手と認識しているのだろう。
ミカンが少し不憫だが、本当に嫌になれば自分から姿を隠してしまうので、じゃれ合っているうちは平和なものだ。
ミカンにかかればスライムなど一瞬で倒してしまえるというのにそれをしないのは、私を想ってのことだろう。優しい子である。
私がギルドの仕事や鍛錬をしている間は、そうしてミカンが相手してくれるか、大人しく見守っていてくれているので、このスライムは本当に賢い子なんだろうと思う。
そんなスライムに、私は呼び名を付けた。
その名も『すらくん』。なんとも安直な名である。
呼びやすさと、わかりやすさを重視した結果だ。
すらくんもこの呼び名を気に入ってくれているようなので良いとしよう。
こうして私は毎日、ひんやりプルプルのすらくんに癒やされているのであった。
カランコロンとベルの音を響かせ、古びた木のドアを開く。
まるで骨董品店のような雑多な雰囲気の店内に、違う世界に引き込まれたような気分になった。
カウンターには色気を出し惜しみしない妖艶な美女――店主のヴィエラさんが気だるげに座っている。
「……やぁ、お嬢ちゃん。久々だね」
「こんにちわ」
やってきたのは魔道具屋。
一緒に町へ降りてきたカイルさんはダン爺に引き止められたためにギルドで別れ、私一人でやってきたのだ。
いつもは一緒にいるミカンも、この日は珍しくお留守番である。夏バテ気味なのか、部屋で寝ているようだ。
魔物であるすらくんを町へつれてくることは、もちろんできない。そんなことすれば、あっという間に討伐されてしまうだろう。
そんなわけで、私は珍しく本当に一人きりなのである。
手元の本に視線を落とすヴィエラさんを横目に、私は店内をぐるっと見渡した。
相変わらずここには、用途不明の魔道具ばかりが並んでいる。
それも、綺麗に整理されているわけではなく、雑多にごちゃっと置かれているのだ。
魔道具って、高価なものじゃなかったっけ……?と、呆れながら背の高い棚の間を練り歩いた。
透明な水晶と、カラフルな魔石。
まるで、きれいな置物のような魔道具が並ぶ中、一つ異質なものを見つけた。
他の魔道具に埋もれるように置かれていたそれは、緑と青、2つの魔石がついた銀色の輪。
大きさからして、ブレスレットだろうか?
存在感の強い2つの魔石の周りに、ぐるりとツタのような模様が描かれているだけのシンプルなデザイン。
あまり手入れされていないためか、少し曇っている様子のそれに、私はなぜか強く惹かれていた。
上に被さるように乗っていた水晶の魔道具を避けて、そのブレスレットを手にとってみる。
近くで見るとやはり、曇りとサビが目立つ。かなり長い間放置されていたのだろう。値札が括られている紐も、今にも切れそうだ。
と、そこで目に入ったものに、私は目を見開いた。
今まで、他のどの商品を見ても何も書かれていなかった真っ白な値札。
このブレスレットにも、もちろん同じものが結びつけられているのだが、これは他と違って、何か文字が書いてあるのが見えたのだ。
紐をちぎってしまわないように、丁寧に手に取り、よく見てみる。
そこには間違いなく、黒いインクで文字が書かれていた。
『アクアヴェール
・水中呼吸 ・水中での服、肌の保護
10万ゴル』
この商品の説明だろうその文字に、私は驚きで立ち尽くす。
書かれている文字を見れば、それが魔道具であろうことは容易に察せる。
私は初めて、この店にある商品が本当に魔道具であることを認識できた。
「おや、なにか見つかったかい?珍しいこともあるもんだねぇ」
店主がそれを言ってしまうのか、と突っ込みそうになったがそれは置いておいて……。
見せてみな、と手招きするヴィエラさんに従って、私はそのブレスレットをカウンターまで持っていく。
そっとそれを差し出せば、くるくると回し見ながらふむふむと頷くヴィエラさん。
不意にニヤッと笑ったかと思えば、その表情のまま視線をこちらに寄せてきた。
「なんだいお嬢ちゃん、泳げないのかい?」
からかいを含んだその問いかけに、私は少しムッとなりながらも首をかしげる。
その魔道具とその問いかけに、なんの関係があるのか。
「言っただろう?必要なものは自然と分かる。お嬢ちゃんがこれを認識したってことは、無意識にでも求めていたものだったかさ。……で、泳げないのかい?」
「お、泳げますよ……!」
水泳は苦手ではない。前世でもそこそこ泳げてはいた。
この世界に来てからは水泳をしたことが無いので、厳密には「わからない」といったほうが正しいのかもしれないが、なんとなくヴィエラさんの問いかけにイラッとしてムキになってしまった。
「ほう……?」
全てを見透かすようねヴィエラさんの眼差しにたじろぐ。
私は視線が泳ぎ、思わず口を開いていた。
「ただ、ちょっと……息継ぎが苦手なだけ、です…………」
そう、私は息継ぎが壊滅的にできないのだ。
泳ぎ始めはいい。フォームは綺麗だし、まっすぐ泳げている。褒められたこともある。
しかし、少しでも息継ぎをしようとすれば何故か沈んでいく。どれだけ練習しても、息継ぎだけはできなかった。
最終的に、息継ぎしなければ良いという結論にたどり着き、私は肺活量ばかりが強くなっていったのだった……。
一呼吸置いた後に、ヴィエラさんの盛大な笑い声が店内に響く。
心底おかしそうに、目に涙まで浮かべての大爆笑だ。
「そうかいそうかい、息継ぎができないのかい!いやぁ、お嬢ちゃんにも可愛らしいところがあるじゃないか!あたしゃ安心したよ」
そこまで笑うことじゃないと思う……。
確かにここへは魔道具について教えてもらいに来たくらいで、その時の私はあまりにも子供らしさに欠けていただろう。
これは、私がヴィエラさんに見せた初めての弱点……。それが、息継ぎができないこと、なんて予想外すぎるにも程があるだろう。まさか私もこんなところでバレてしまうなんて思っていなかった。
……それにしても笑いすぎだ!
私は赤くなった顔を隠すように軽く俯いて、声を上げた。
「そ、それください……!」
「はいはい……。10万ゴルだね、金貨一枚だ」
普段はカイルさんたちが払ってくれるために私がお金を使うことはほとんど無い。
しかし、私だって冒険者活動をしているので収入はあるのだ。
使うことが無いために溜まっていくばかり……。
10万ゴルというのはかなり高価――日本円にしてもおよそ10万円程の価値があるが、普段お金を使うことが無い私には払える額であった。
ヴィエラさんも珍しいと言っていた通り、この店での魔道具との出会いは一期一会。
……屈辱ではあるが、息継ぎができない私にとっても、今後必須になるであろう魔道具であるために、私は即購入を決めた。
ちなみにこの世界のお金は、鉄貨一枚100ゴル、銅貨一枚1000ゴル、銀貨一枚1万ゴル、金貨一枚10万ゴル、白金貨一枚1000万ゴルとなっている。
白金貨のみ桁が飛ぶが、かなり覚えやすいと思う。
笑いを堪えた顔でこちらを見ているヴィエラさんに金貨を一枚差し出す。
「まいどあり!」
未だにクスクスと笑うヴィエラさんの声を背に、ブレスレットを受け取った私は、熱くなった頬を抑えながら、飛び出すようにして魔道具屋を出た。
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