夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります

ういの

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来訪者編

77 ホムラの一日。後編

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 午後のホムラは、私と共にいることが多い。

 何をするかは日によって様々だが、ここ最近は冒険者活動をすることが多い、
 とはいっても、私がするのは薬草採取くらいだ。家の裏の森に入り、常設依頼の薬草を採取する。
 最近は少し行動範囲を広げて、新たな薬草の群生地を探すことも多い。あまり同じ場所で採取しすぎると増えなくなってしまうかもしれないからだ。生態系を崩さないよう、気を付けて採取を行っている。
 もちろん、同じものばかりではなく、それ以外の薬草や山菜を採取することもある。山菜はアルトさんに渡せば美味しい夕食にしてくれるのだ。アルトさんは本当に料理が上手い。

 ホムラはそんな時、私の上空をピュンピュン飛び回ったり、どこに何があったか教えてくれることもある。
 意外なことにホムラは、一度教えたことはすぐに覚えてしまうのだ。
 ホムラが初めて薬草採取についてきた時、気まぐれにいろいろ教えながら採取していたのだが、ホムラはその一度でほとんどの薬草を覚えてしまったのだ。
 興味ないだろうし、すぐに忘れるだろうなと思っていたのに、ホムラはそれから薬草を見つければ教えてくれるようになった。
 ますます仕事がはかどるばかり。どんどんランクアップへの道が近づいている。
 ホムラが手伝ってくれるのは嬉しいが、ランクアップはもっとのんびりでいいのに……。

 冒険者活動をしない日は、のんびりぐーたら過ごしたり、薬草を納品しにギルドへ行ったりしたりすることもある。

 裏庭にごろんと寝転がって空を見上げると、気持ちよさそうに空を飛ぶホムラが目に入るのだ。
 ホムラは本当に空を飛ぶのが好きらしい。暇さえあれば飛んでいるように思う。
 この前は、今の小さな身体でどこまで早く飛べるか研究をしているようだった。

 そんなふうにフリーダムな時間を過ごした後、私はアルトさんの夕食作りを手伝いに行く。
 その間もホムラは、どこか色々な場所を飛び回っている。
 そしてまた、夕食の時間になればぴったりに帰ってくるのだ。外に出ていったカイルさんを連れて帰って来ることもある。
 ホムラの体内時計、侮れない。

 夕食後、ホムラはお風呂には入らない。その代わり、時々水浴びをしている。
 これまたライくんが、ホムラの水浴び用の器を作ってくれたのだ。
 ミニチュアのお風呂みたいですごく可愛い。そんな、専用のお風呂で水浴び中のホムラは、少々メルヘンな光景となっている。

 寝るまでの時間はカイルさんの頭の上で過ごしている。
 大人たちは晩酌をすることもあるようだが、ホムラもそれに付き合っているらしいのだ。
 なんとホムラ、お酒が飲めるらしい。酔うことは無いが、味が気に入っているため、度々カイルさんに強請っているそうだ。

 私はみんなよりも早く寝てしまう。まだ子供なので。
 ホムラは適当な時間に私の部屋に入り込み、枕元に置いてある小さなカゴの中で寝ているらしい。
 私よりも遅く寝て、私よりも早く起きているため、私にはホムラと一緒に寝ている実感は無いのだが、ミカンがそう言っていたのでそうなのだろう。
 ちなみにミカンは、いつも私が抱きしめて一緒に寝ている。もふもふで暖かくて、ものすごく寝心地が良い。

 そんな感じで、ホムラの一日は終わりだ。

 思い返してみれば、ホムラは本当に1日中飛び回っているのだなと感心する。
 普通の鳥も、このくらい飛んでいるものなのだろうか?
 少し目を離せば、すぐにどこかへ行ってしまうようなホムラだが、毎食時間になればしっかり帰って来るあたり、ここでの生活を本当に気に入ってもらえているのだろう。ホムラにとっても居心地のいい場所となっているようで嬉しく思う。
 
 ホムラは、以前までの人生では、常に世界中を飛び回っていたそうだが、今回の人生では私達と共に過ごすことに決めてくれたようだ。たまにはこんなふうにのんびり生きるのも悪くない、とのことだ。

 これから、長い時をホムラと共に過ごすことになるのだろう。
 まだ出会って日が浅いホムラだが、彼が何者にも縛られることのない、自由な存在なのだということは分かっているつもりだ。
 ホムラがこの生活に飽きて出ていってしまわないように、これからたくさんの楽しい経験をホムラと共にしていきたいと思う。
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