24 / 28
来訪者編
76 ホムラの一日。前編
しおりを挟む
ホムラがやって来て数日がたった。
今日は、ここ数日で分かったホムラの一日の過ごし方を紹介しようと思う。
ホムラの朝は早い。
日が昇るのと同時に目を覚まし、そのまま朝の散歩へ行く。
ホムラはかなり寝起きが良いらしく、朝からうるさいくらいに元気が良い。
ホムラがやって来て最初の数日は、私もホムラと同じ時間に起こされていた。
なぜなら、ホムラが外へ出るには誰かが窓を開けてあげないといけないから。
その役目は必然的に、一緒に寝ている私のものとなる。
さすがに毎日こんな時間に起こされてはかなわない。
ということで私は、ホムラ専用の出入り口を作ることにした。
ここで、実はあまり使うことのない創造魔法の出番だ。
私が考えたのは、軽く押せば簡単に開くようなペット専用の出入り口。
それを天井近くの壁に作ることにした。
出入りするのは小さい姿のホムラなので大きさはそんなにいらない。
思い切って10cm四方の穴を開けてしまい、そこにホムラでも簡単に押せるほど軽い板をつける。
上部だけ蝶番のようなものをつけ、内側にも外側にも開くようになっている。
ついでに、創造魔法で防虫加工をして完成だ。
これは私の部屋、カイルさんたちの部屋、リビングにもつくった。
私の部屋からしか出入りできないのは不便だろうからね。
ホムラはこの専用扉を気に入ってくれたようで、毎日楽しそうに飛び回っている。
朝の散歩を終え、返ってくるのは丁度私達の朝食の時間だ。
いつも不気味なほどぴったり、食事の準備が終わった頃に帰って来る。
一度、何故そんなに丁度いい時に帰ってこれるのか聞いたことがある。
その時ホムラは、お得意のドヤ顔で『勘だ!』と言い放った。
さすがの私も、これには何も言えなかった。
ホムラはいつも、私達と同じものを食べたがる。
ただ、体が小さいのでそんなに量は食べられない。
そんなホムラのために、ライくんがホムラ専用の食器を作ってくれたのだ。
ミニチュアサイズの可愛い食器をあっという間に作り上げてしまうライくんの手腕には惚れ惚れする。
そんな小さな食器に料理を盛るのは難しいが、慎重に乗せていくのがバランスゲームをしているようで、実は楽しかったりする。
今のところホムラは好き嫌いもないようで、毎日大げさなほどに喜んで食べてくれる。
作っている側としてはこれ以上に嬉しいことはない。
一心不乱についばむせいで、くちばしの周りを盛大に汚してしまうのは、まあしょうがない。
ホムラの満足そうな顔を見られるだけで、私は満足だ。
口元を拭ってあげれば、ホムラはそのままカイルさんの頭の上へと飛び立つ。
軽く髪を整えて居心地の良い場所をつくれば、そこで一休みの時間だ。
これにはカイルさんも随分と慣れたらしい。
最初は居心地悪そうに、何をするにしても頭の上のホムラに気を使っていたが、今ではホムラなんていないものとして扱っている。
うがいをするために頭を上げ下げるのも、ドカッとソファに横になるのも、まるで自然体だ。
どうやっているのか、その間もホムラは微動だにしない。
おそらく何か魔法を使っているのだろう。
そんなことができるのなら、自分で窓を開けるのくらいできそうな気もするが……まあいいだろう。
みんなで食休みをした後は、私の鍛錬の時間だ。
これは毎日ローテーションでカイルさんたちが一人ずつ指導についてくれる。
この鍛錬の時間は基本、ローテーションが一周回れば一日休みといった感じで行っているが、たまに二人や三人ともがついてくれることもあるし、私が自主的に鍛錬していることもあるので、しっかりと決まっているわけではない。
この時のホムラは、基本カイルさんについていることが多い。
カイルさんが指導につけば、ホムラは空を飛びながらそれを眺めている。
気まぐれに私の相手をしてくれることもある。小さくても神獣なので、私の攻撃なんてあたったとしてもどうってことないそうだ。
ホムラは小さい的となり、私の周りを飛び回る。
小さくてすばしっこい彼に攻撃を命中させるのは至難の技だ。未だに一度も当てられたことがないのが悔しい。
カイルさんは時々、一人でフラッと出かけることもある。その時ホムラは、カイルさんについていく。
もちろん、カイルさんがぐーたらする日は、ホムラも部屋でのんびりしているのだ。
昼食は朝食時と同じように私達と同じものを食べる。
このときばかりはカイルさんが外に出ていてもホムラだけは返ってくるのだ。
どれだけ家庭料理に飢えているのだろうか。たまにはカイルさんと一緒に外食でもしてくればいいのに。
まあ、求められること自体は嬉しいので文句があるわけではないのだが。
その後は食休みの時間だ。
カイルさんがいればもちろん頭の上に。カイルさんがいなければホムラ専用のかごの中に。
ホムラのかごはこれまたライくんが作ってくれた。中にはふわふわの綿が敷き詰められている。
これは、最初の頃、ホムラが頭の上にいることが気になってしょうがなかったカイルさんの要望でできたものだ。
結局このかごはカイルさんがいないときしか使われていないのだけど、こうやってたまには活用されているのでリビングに設置されるようになったのだ。
今日は、ここ数日で分かったホムラの一日の過ごし方を紹介しようと思う。
ホムラの朝は早い。
日が昇るのと同時に目を覚まし、そのまま朝の散歩へ行く。
ホムラはかなり寝起きが良いらしく、朝からうるさいくらいに元気が良い。
ホムラがやって来て最初の数日は、私もホムラと同じ時間に起こされていた。
なぜなら、ホムラが外へ出るには誰かが窓を開けてあげないといけないから。
その役目は必然的に、一緒に寝ている私のものとなる。
さすがに毎日こんな時間に起こされてはかなわない。
ということで私は、ホムラ専用の出入り口を作ることにした。
ここで、実はあまり使うことのない創造魔法の出番だ。
私が考えたのは、軽く押せば簡単に開くようなペット専用の出入り口。
それを天井近くの壁に作ることにした。
出入りするのは小さい姿のホムラなので大きさはそんなにいらない。
思い切って10cm四方の穴を開けてしまい、そこにホムラでも簡単に押せるほど軽い板をつける。
上部だけ蝶番のようなものをつけ、内側にも外側にも開くようになっている。
ついでに、創造魔法で防虫加工をして完成だ。
これは私の部屋、カイルさんたちの部屋、リビングにもつくった。
私の部屋からしか出入りできないのは不便だろうからね。
ホムラはこの専用扉を気に入ってくれたようで、毎日楽しそうに飛び回っている。
朝の散歩を終え、返ってくるのは丁度私達の朝食の時間だ。
いつも不気味なほどぴったり、食事の準備が終わった頃に帰って来る。
一度、何故そんなに丁度いい時に帰ってこれるのか聞いたことがある。
その時ホムラは、お得意のドヤ顔で『勘だ!』と言い放った。
さすがの私も、これには何も言えなかった。
ホムラはいつも、私達と同じものを食べたがる。
ただ、体が小さいのでそんなに量は食べられない。
そんなホムラのために、ライくんがホムラ専用の食器を作ってくれたのだ。
ミニチュアサイズの可愛い食器をあっという間に作り上げてしまうライくんの手腕には惚れ惚れする。
そんな小さな食器に料理を盛るのは難しいが、慎重に乗せていくのがバランスゲームをしているようで、実は楽しかったりする。
今のところホムラは好き嫌いもないようで、毎日大げさなほどに喜んで食べてくれる。
作っている側としてはこれ以上に嬉しいことはない。
一心不乱についばむせいで、くちばしの周りを盛大に汚してしまうのは、まあしょうがない。
ホムラの満足そうな顔を見られるだけで、私は満足だ。
口元を拭ってあげれば、ホムラはそのままカイルさんの頭の上へと飛び立つ。
軽く髪を整えて居心地の良い場所をつくれば、そこで一休みの時間だ。
これにはカイルさんも随分と慣れたらしい。
最初は居心地悪そうに、何をするにしても頭の上のホムラに気を使っていたが、今ではホムラなんていないものとして扱っている。
うがいをするために頭を上げ下げるのも、ドカッとソファに横になるのも、まるで自然体だ。
どうやっているのか、その間もホムラは微動だにしない。
おそらく何か魔法を使っているのだろう。
そんなことができるのなら、自分で窓を開けるのくらいできそうな気もするが……まあいいだろう。
みんなで食休みをした後は、私の鍛錬の時間だ。
これは毎日ローテーションでカイルさんたちが一人ずつ指導についてくれる。
この鍛錬の時間は基本、ローテーションが一周回れば一日休みといった感じで行っているが、たまに二人や三人ともがついてくれることもあるし、私が自主的に鍛錬していることもあるので、しっかりと決まっているわけではない。
この時のホムラは、基本カイルさんについていることが多い。
カイルさんが指導につけば、ホムラは空を飛びながらそれを眺めている。
気まぐれに私の相手をしてくれることもある。小さくても神獣なので、私の攻撃なんてあたったとしてもどうってことないそうだ。
ホムラは小さい的となり、私の周りを飛び回る。
小さくてすばしっこい彼に攻撃を命中させるのは至難の技だ。未だに一度も当てられたことがないのが悔しい。
カイルさんは時々、一人でフラッと出かけることもある。その時ホムラは、カイルさんについていく。
もちろん、カイルさんがぐーたらする日は、ホムラも部屋でのんびりしているのだ。
昼食は朝食時と同じように私達と同じものを食べる。
このときばかりはカイルさんが外に出ていてもホムラだけは返ってくるのだ。
どれだけ家庭料理に飢えているのだろうか。たまにはカイルさんと一緒に外食でもしてくればいいのに。
まあ、求められること自体は嬉しいので文句があるわけではないのだが。
その後は食休みの時間だ。
カイルさんがいればもちろん頭の上に。カイルさんがいなければホムラ専用のかごの中に。
ホムラのかごはこれまたライくんが作ってくれた。中にはふわふわの綿が敷き詰められている。
これは、最初の頃、ホムラが頭の上にいることが気になってしょうがなかったカイルさんの要望でできたものだ。
結局このかごはカイルさんがいないときしか使われていないのだけど、こうやってたまには活用されているのでリビングに設置されるようになったのだ。
845
お気に入りに追加
5,346
あなたにおすすめの小説
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 ウィルベル
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
スキルポイントが無限で全振りしても余るため、他に使ってみます
銀狐
ファンタジー
病気で17歳という若さで亡くなってしまった橘 勇輝。
死んだ際に3つの能力を手に入れ、別の世界に行けることになった。
そこで手に入れた能力でスキルポイントを無限にできる。
そのため、いろいろなスキルをカンストさせてみようと思いました。
※10万文字が超えそうなので、長編にしました。
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~
丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。
一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。
それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。
ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。
ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。
もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは……
これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。