誕生石物語

水田 みる

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ターコイズの章

曽祖父からの依頼

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 それぞれがお祈りを終えて

「ーさてと、ひいじーさん達が住んでた家に行ってみるか!」


イズンが回れ右をしようとした瞬間だった。


『ちょっと待ったぁぁぁ!!!』


タークの墓石から凄まじい音量の声が、墓地中に響く。


「「うわぁぁぁぁーー!!!」」


予想外の大声にイズンもディズも悲鳴を上げた。


「幽霊だ!!」

「お化けだ!!」

「まだ朝だぞ!!」

「明るいのに!!」


共同墓地が恐慌状態に陥る。


『…そんなにビックリする事ないだろう。

ちょっと引き留めただけなのに。』


今度は普通の音量で男性の少し拗ねた声が聞こえた。

そして、イズンが左腕に着けている形見のブレスレットが眩く光る。

余りの眩しさに2人は目を開けていられずに、光が収まるのを待った。

10秒程経った後、光は漸く小さくなり目の前には何とー


イズンによく似たターコイズブルーの髪と瞳を持った、老人男性が半透明に透けて立っていた。


『よっ、初めましてだな我がひ孫よ!

俺はタークだ!』


イズンとディズは驚愕の光景に言葉を失う。

タークと名乗る幽霊らしき者を見つめるしかできない。


「…ディズ、これは夢じゃねーよな?」

「…2人で同じ夢を見てるんじゃないなら、現実だと思う。」

『なーにをコソコソ話してんだ!?

俺は生前ブレスレットに込めた魔力で、一時的に現世に蘇ってるだけだ!』


イズンとディズの会話にタークが割って入った。

イズンは驚き


「いきなり会話に加わってくんなよ、この幽霊!」


怒ったが、タークは意に介さない。


『ねー、ディズ君。

初めて会ったのに俺のひ孫、扱い酷いと思わないかい?』

「…は、はぁ、ど、どうですかね…。」


タークに突然話しかけられて、ディズは返事に窮した。


「ディズを困らせんなよ、クソジジィ!

ーで!何か用があるから化けて出てきたんじゃねーのか?」


イズンは怒りながら、タークに本題を促す。

タークはニヤリと何かを企んだ顔をした。


『さーすが、我がひ孫!

話が早くて助かるな!

ま、いきなりで悪いんだけどドラゴン退治を頼んだぞ!』

「「はぁ!?」」


あまりに飛躍しすぎた話に、イズンとディズはハモった。


「ーいきなり過ぎるし意味分かんねーよ!

何でドラゴン退治なんだ!?

ちゃんと説明しろ!」


イズンの怒りに対してタークは真面目な顔になる。


『俺の昔話になるから少し長くなる。

だが依頼に関する事だから、ちゃんと聞いてくれ。』


そう言ってタークは語りだした。










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