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小田 カオルのその後
しおりを挟む女が無言のままなので、そのまま喋り続ける。
「小田 カオルはあの直後、当然貴様とは絶縁状態じゃったな。
カオルはその後、クラスで新しく友人を作り、その友人と同じ高校に通っとるぞ。
貴様の学校とは別じゃ。
そして、その高校で最近新しい彼氏ができた。
中学も同じで1つ上のバスケ部の先輩じゃ。」
「…バスケ部…」
大友 カツミもバスケ部だった事を思い出したのだろう。
心なしか女の顔は少し青ざめている。
女は知らないが、その新しい彼氏はあの騒動の時にカツミにボールをぶつけた先輩だ。
彼氏はカオルとカツミが付き合う前から密かにカオルに片想いしていたので、カオルを傷つけたカツミが許せなかった。
「…それなら、今が幸せなら!
アタシを恨む必要は全然なかったじゃないっ!」
女は我に怒りをぶつける。
「今が幸せになる前に、カオルがどれだけ貴様らを恨んで恨んで悲しんだと思う?
優しい友達が出来て、時間が過ぎてようやく立ち直ったんじゃぞ?」
女は無言でギリっと歯噛みをした。
「あぁ、あと大友 カツミじゃったな。」
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