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中学時代の元彼

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 小田 カオルのページが終わり、我はそのまま1ページめくる。

そこからは、あの女がカオルから奪った彼氏…いや彼氏の大友 カツミに関する話だった。


女はカオルからカツミの話を聞くやいなや、カツミに色仕掛けで迫る。

ーコイツ、まだこの時14才だよな?

思春期の男子なぞ大概は性に興味深々なはず。

カオルは彼女といえ、まだ14才。

大好きな人だが付き合ってまだ1ヶ月の上、そこまではまだ出来ないと思っていた。

そこに、あの女が


「えーっカツミ君、カオルとヤってないのー?

…アタシなら大好きな人になら、すぐにでも全部を捧げちゃうのになぁ♡」


顔だけなら清純派アイドルみたいな容姿を持つ女が、上目遣いで妖しくカツミを見つめたらイチコロだった。

カツミはあっさりカオルから女に乗り換える。


だが2人にとって誤算だったのは、最低な別れ話が学年中に広まった事だった。


「友達の彼氏を盗って全然悪びれてないんだってー!」

「何それ、サイテー!」

「彼氏も彼氏だよね、まだ付き合ってすぐなのに彼女の友達に乗り換えるって!」

「ねー、節操ないよねー!」

「それ誰の話なの?」

「バスケ部の大友君だよ!

カオルちゃんと幼馴染で最近付き合いだしてた!」


このような会話がカオルとカツミのクラスだけでなく、2年全体とバスケ部全員に瞬く間に広まる。

女とカツミは白い目で見られた。

女は帰宅部だったから、まだマシだったが悲惨だったのはカツミの方だ。

部活に行くと女子部員だけでなく、同級生からも


「カツミ、お前最悪だな!」

「お前と同類と思われたくないから、必要以上に話しかけてくんなよな!」


背中にものすごい勢いでバスケットボールが当たった。


「ワリー、ワリー手が滑った。」


先輩から明らかにわざと当てられていた。

顧問が見てない所でドンッと激しくぶつかられもした。

だが相手は先輩なので文句は言えない。

この状況にカツミはすぐに根を上げ、バスケ部を辞めて女に縋るようになった。

だが女は元々カツミを本気で好きだった訳じゃない。

2人でいて周りからいつまでも白い目で見られるのもウンザリしていた。

そして遂に女から別れを切り出した。


「カツミ君、アタシ達別れよ!

カツミ君、正直Hヘタクソで全然気持ち良くないんだよね。

サルみたい。

もう話しかけて来ないでね!」


カツミは女に完全に心を折られて、女性不信一歩手前までいった。

遂に学校にも通えず不登校になる。

カツミは不登校の原因となった女を布団に包まりながら、死ぬほど恨んだ。


ー大友 カツミに関しては自業自得な気もするが。

















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