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31.Domたちの長い夜
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やられた、とレスターはテーブルに戻って、こめかみに青筋を立てた。Aとスミスはおろか、コーヒーカップすら片付けられている。残っているものといえば、キャンドルの燭台に挟まれたメッセージだけだった。
見なくても内容は察せられたが、一応、確認した。店で待つように、とだけ指示が記されている。
これでは男娼を斡旋してやったようなものだ。
テラス席にはまだ何組かの客が食事を楽しんでいる。彼らの気分を害しないよう、テーブルを拳で叩くことは耐えた。それだけの理性はまだ残っている。
スミスはロワッシィではなく、表の会社で働いていた時に知り合った人物だ。当然、身元もしっかりしている。サロンについては全て詳細に説明して、コンセンサスを得ていた筈なのに、今さらになってこんな真似をするとは予想外だ。
ともかくヴォルテールで待っている従業員たちに説明をして、……あとはAが無事に帰ってくるのを待つしかない。
今、Aはどんな気分だろうと考えると、気が滅入った。こんなつもりで着飾らせたわけではないのだ。Aは裏切られたと感じているかもしれない。せっかく自信をつけ始めていたのに、また一等区をまるで悪いことをしているように歩いていた頃に戻ってしまうかもしれない。
頬に手をやると、痣がじんわりと疼痛を訴えた。
今日は定休日だったが、ヴォルテールの従業員控え室には、ほぼ全員が揃っていた。まるで末っ子の受験の合格発表を固唾を飲んで待っている家族のようだ。
だが、それもレスターがレストランから帰ってくるまでのことだった。
「というわけです」
ことのあらましを説明すると、全員の溜息が混ざり合って室内の空気を重くした。
誘拐事件の被害者家族が、犯人からの要求の電話を待つ空気に近い。
しばらく無言が続いた。
最初に口を利いたのはセラフィムだった。
「今頃、グッチャグチャにヤられてるんだろうな」
大事にデコレーションしたケーキを滑らせて、床に落としてしまった時のテンションだった。
誰もが想像していながら、言葉に出さずにいたことだ。
「せっかく処女は取っておいてあげたのにね」
ヴィクトルも続いた。
Aの教育方針を決める際、恋人ができたときが可哀想だから、というヴィクトルの意見で、なんとなくそれはタブーになっていた。それだけに、彼も気の毒そうだ。いつもの明るさが電源を切ったかのように消えている。
「処女で済めばいいですが」
クレハドールが無責任に不穏なことを言うので、セラフィムが視線で咎めた。けれどその可能性も完全には捨てきれない。
「仮にも爵位をお持ちの方です。そう無茶はしない筈」
レスターは自分に言い聞かせるように言う。自分の紹介でこうなったのだから、責任を感じている。
それぞれの不安が渦巻き、重たい空気が肩に圧し掛かる。
それまで黙っていたNが不意に口を開いた。
「意外だ。
お前たち、Aの心配をするんだな」
おそらく今この場で、一番冷静なのがNだった。
指摘を受けた者はそれぞれ、気まずげに視線を交わし合った。Nの言いたいことが分かるからだ。
サロンの話が出てくるまで、Aとはあくまでも仕事上の付き合いでしかなかった。Aが拉致されたのが一か月前だったら、こんなに心配も動揺もしなかっただろう。昔から知り合いのNやEとは違う。
「まあ、……情が移っちゃったんだよね」
「着せ替え人形にするの、楽しかったし」
ヴィクトルとセラフィムは揃って助勢を求め、レスターに視線を向ける。当然、彼の頬に痣があることくらい分かっている。
レスターは少し口ごもった。眼鏡の位置を直す。
思い出すのは、当然、昨日の夜のことだ。
舌のピアスにネックレスチェーンを繋げられたときは、魂の底から震えた。先生に飼われていたときと全く同じシチュエーションだったからだ。いつ舌が裂けるか分からない恐怖を与えられ、それによって支配されるのも。
実際、昨夜のレスターは舌が裂けることを覚悟したし、裂けたときの痛みへの好奇心を抑えきれなかった。
今もレスターの舌にはいつものピアスが付けられている。
インパクトの瞬間、衝撃で首の位置が動いた。ピリっと舌に刺激が走る。だが、同時にチェーンの留め具も、まるで紙で出来ているかのように解けてしまったのだ。
ベッドに倒れ込み頬を押さえながらAを見上げると、Aは陶酔の笑みを浮かべていた。いたずらが成功した子供というには雄の本能が浮き彫りになっていて、残酷な支配者というには我欲がなさすぎた。
本当にAは、レスターのために心を込めて打ってくれたのだ。
Aの左手には摘まんだチェーンが垂れて、ゆらゆらと揺れては光を弾いていた。
心臓が大きく鼓動した。僅かに滲んだ血の味を感じながら、レスターは感動を覚えていた。眼球が乾くまで瞬きが出来ずにいた。
調教師として生徒を卒業してしまったレスターに、先生が調教を施してくれることはもう望めない。その慰めが欲しかったのだけれど、昨夜は慰めが慰めを超えてしまった。
才能があるのではないだろうか、とレスターは直感した。
AはDomでもSubでもない。そしてSでもありMでもある。相手次第でどうとでも変わる。
どちらかといえば、Aは持っていない側の人間だ。金も教育も尊厳も、今にも枯渇しそうなところでどうにか生きている。それなのに、この数週間、ほんの少し手を入れてやっただけで、もう与えられる側から与える側になろうとしている。
Aのように生きてきた人間なら、もっと貪欲に欲しがるものだし、与えられたら自分だけで囲い込み消費しようとしても何の不思議もない。
いずれ与えられる側から与える側へ転身するにしても、Aの転身の早さは異常に思えてならない。今まで以上に手をかけてやれば、今よりずっと、何度でも、生まれ変わるのではないだろうか。
そんな期待をAはレスターに抱かせた。
だからこそ、こんなところで潰れて欲しくないと思わされてしまう。
レスターは重い口を開いた。
「一番最悪なのは、この上でパトロンを断られることです。
セラフィム、吊り篭市の招待客のリストを見せて頂けますか。次の候補への対策を考えましょう」
セラフィムが生体家具から立ち上がり、リストを取ってくるようにコマンドを出した。スツールと呼ばれた家具は、凝り固まってしまった筋肉を不自由そうに動かしながら控え室を出ていく。
「こんなときにEはどうしたんです」
クレハドールが長椅子の背に凭れながら、Nに声を掛ける。作戦会議は自分の仕事ではないと割り切っているのだ。
「急な呼び出しがあったようだ」
「Aの処女より大事なんです?
スマホ貸してください」
むしり取るようにしてスマホを受け取ると、クレハドールは慣れた手つきでトークアプリを開く。
『別れよう』。送信済みのメッセージにはそう記されていた。
驚いたようなNの視線を受け、クレハドールはにっこりと笑う。
「これなら第三エリアからでも飛んでくるでしょう」
「……どうかな」
Nは画面を見つめながら呟く。
それって、とクレハドールが口を開きかけたときだった。
従業員控え室のドアが開かれた。
人口密度の高さゆえか、Aが虚をつかれたように立ち呆ける。おそらくレスターだけがいると思っていたのだろう。
「A!」
ヴィクトルが安堵も露わに声を上げた。大股で近寄ると、がっしりとAの身体を抱きしめる。
Aの足許で何かが音を発てて落ちた。
「……た、ただいま、」
ヴィクトルの腕を叩きながら、Aが苦しげに呻く。
「大丈夫?」
「あれから何があったんですか?」
「怪我はないか?」
「処女は無事なんです?」
ようやくヴィクトルから解放されたAは、足元の紙箱を拾い上げた。微かにチョコレートの匂いがした。手土産を持たされたらしい。それから、どこか恥ずかしげに首の辺りに手を彷徨わせる。
「えっと、あの人、良い人だったよ……」
頬を赤らめながらそう言われたのでは、どっちの意味なのか判断が付きかねる。
Aを除く全員が二の句を告げず、立ち呆けた。
見なくても内容は察せられたが、一応、確認した。店で待つように、とだけ指示が記されている。
これでは男娼を斡旋してやったようなものだ。
テラス席にはまだ何組かの客が食事を楽しんでいる。彼らの気分を害しないよう、テーブルを拳で叩くことは耐えた。それだけの理性はまだ残っている。
スミスはロワッシィではなく、表の会社で働いていた時に知り合った人物だ。当然、身元もしっかりしている。サロンについては全て詳細に説明して、コンセンサスを得ていた筈なのに、今さらになってこんな真似をするとは予想外だ。
ともかくヴォルテールで待っている従業員たちに説明をして、……あとはAが無事に帰ってくるのを待つしかない。
今、Aはどんな気分だろうと考えると、気が滅入った。こんなつもりで着飾らせたわけではないのだ。Aは裏切られたと感じているかもしれない。せっかく自信をつけ始めていたのに、また一等区をまるで悪いことをしているように歩いていた頃に戻ってしまうかもしれない。
頬に手をやると、痣がじんわりと疼痛を訴えた。
今日は定休日だったが、ヴォルテールの従業員控え室には、ほぼ全員が揃っていた。まるで末っ子の受験の合格発表を固唾を飲んで待っている家族のようだ。
だが、それもレスターがレストランから帰ってくるまでのことだった。
「というわけです」
ことのあらましを説明すると、全員の溜息が混ざり合って室内の空気を重くした。
誘拐事件の被害者家族が、犯人からの要求の電話を待つ空気に近い。
しばらく無言が続いた。
最初に口を利いたのはセラフィムだった。
「今頃、グッチャグチャにヤられてるんだろうな」
大事にデコレーションしたケーキを滑らせて、床に落としてしまった時のテンションだった。
誰もが想像していながら、言葉に出さずにいたことだ。
「せっかく処女は取っておいてあげたのにね」
ヴィクトルも続いた。
Aの教育方針を決める際、恋人ができたときが可哀想だから、というヴィクトルの意見で、なんとなくそれはタブーになっていた。それだけに、彼も気の毒そうだ。いつもの明るさが電源を切ったかのように消えている。
「処女で済めばいいですが」
クレハドールが無責任に不穏なことを言うので、セラフィムが視線で咎めた。けれどその可能性も完全には捨てきれない。
「仮にも爵位をお持ちの方です。そう無茶はしない筈」
レスターは自分に言い聞かせるように言う。自分の紹介でこうなったのだから、責任を感じている。
それぞれの不安が渦巻き、重たい空気が肩に圧し掛かる。
それまで黙っていたNが不意に口を開いた。
「意外だ。
お前たち、Aの心配をするんだな」
おそらく今この場で、一番冷静なのがNだった。
指摘を受けた者はそれぞれ、気まずげに視線を交わし合った。Nの言いたいことが分かるからだ。
サロンの話が出てくるまで、Aとはあくまでも仕事上の付き合いでしかなかった。Aが拉致されたのが一か月前だったら、こんなに心配も動揺もしなかっただろう。昔から知り合いのNやEとは違う。
「まあ、……情が移っちゃったんだよね」
「着せ替え人形にするの、楽しかったし」
ヴィクトルとセラフィムは揃って助勢を求め、レスターに視線を向ける。当然、彼の頬に痣があることくらい分かっている。
レスターは少し口ごもった。眼鏡の位置を直す。
思い出すのは、当然、昨日の夜のことだ。
舌のピアスにネックレスチェーンを繋げられたときは、魂の底から震えた。先生に飼われていたときと全く同じシチュエーションだったからだ。いつ舌が裂けるか分からない恐怖を与えられ、それによって支配されるのも。
実際、昨夜のレスターは舌が裂けることを覚悟したし、裂けたときの痛みへの好奇心を抑えきれなかった。
今もレスターの舌にはいつものピアスが付けられている。
インパクトの瞬間、衝撃で首の位置が動いた。ピリっと舌に刺激が走る。だが、同時にチェーンの留め具も、まるで紙で出来ているかのように解けてしまったのだ。
ベッドに倒れ込み頬を押さえながらAを見上げると、Aは陶酔の笑みを浮かべていた。いたずらが成功した子供というには雄の本能が浮き彫りになっていて、残酷な支配者というには我欲がなさすぎた。
本当にAは、レスターのために心を込めて打ってくれたのだ。
Aの左手には摘まんだチェーンが垂れて、ゆらゆらと揺れては光を弾いていた。
心臓が大きく鼓動した。僅かに滲んだ血の味を感じながら、レスターは感動を覚えていた。眼球が乾くまで瞬きが出来ずにいた。
調教師として生徒を卒業してしまったレスターに、先生が調教を施してくれることはもう望めない。その慰めが欲しかったのだけれど、昨夜は慰めが慰めを超えてしまった。
才能があるのではないだろうか、とレスターは直感した。
AはDomでもSubでもない。そしてSでもありMでもある。相手次第でどうとでも変わる。
どちらかといえば、Aは持っていない側の人間だ。金も教育も尊厳も、今にも枯渇しそうなところでどうにか生きている。それなのに、この数週間、ほんの少し手を入れてやっただけで、もう与えられる側から与える側になろうとしている。
Aのように生きてきた人間なら、もっと貪欲に欲しがるものだし、与えられたら自分だけで囲い込み消費しようとしても何の不思議もない。
いずれ与えられる側から与える側へ転身するにしても、Aの転身の早さは異常に思えてならない。今まで以上に手をかけてやれば、今よりずっと、何度でも、生まれ変わるのではないだろうか。
そんな期待をAはレスターに抱かせた。
だからこそ、こんなところで潰れて欲しくないと思わされてしまう。
レスターは重い口を開いた。
「一番最悪なのは、この上でパトロンを断られることです。
セラフィム、吊り篭市の招待客のリストを見せて頂けますか。次の候補への対策を考えましょう」
セラフィムが生体家具から立ち上がり、リストを取ってくるようにコマンドを出した。スツールと呼ばれた家具は、凝り固まってしまった筋肉を不自由そうに動かしながら控え室を出ていく。
「こんなときにEはどうしたんです」
クレハドールが長椅子の背に凭れながら、Nに声を掛ける。作戦会議は自分の仕事ではないと割り切っているのだ。
「急な呼び出しがあったようだ」
「Aの処女より大事なんです?
スマホ貸してください」
むしり取るようにしてスマホを受け取ると、クレハドールは慣れた手つきでトークアプリを開く。
『別れよう』。送信済みのメッセージにはそう記されていた。
驚いたようなNの視線を受け、クレハドールはにっこりと笑う。
「これなら第三エリアからでも飛んでくるでしょう」
「……どうかな」
Nは画面を見つめながら呟く。
それって、とクレハドールが口を開きかけたときだった。
従業員控え室のドアが開かれた。
人口密度の高さゆえか、Aが虚をつかれたように立ち呆ける。おそらくレスターだけがいると思っていたのだろう。
「A!」
ヴィクトルが安堵も露わに声を上げた。大股で近寄ると、がっしりとAの身体を抱きしめる。
Aの足許で何かが音を発てて落ちた。
「……た、ただいま、」
ヴィクトルの腕を叩きながら、Aが苦しげに呻く。
「大丈夫?」
「あれから何があったんですか?」
「怪我はないか?」
「処女は無事なんです?」
ようやくヴィクトルから解放されたAは、足元の紙箱を拾い上げた。微かにチョコレートの匂いがした。手土産を持たされたらしい。それから、どこか恥ずかしげに首の辺りに手を彷徨わせる。
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