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第三章 地下迷宮挑戦編
第78話 地下迷宮4 勇者の力
しおりを挟む(あっ!ここはもしかして!)
ユヅキが呟く。
俺もハッと思いつく。もしかしてここはモンスター部屋!?
カレン達がキョロキョロして周りを伺っている。
(みんなかまえて!恐らくここはモンスター部屋!大量のモンスターが湧き出てくるよ!)
ユヅキの指示に従い、みんながかまえる。俺もかまえる。
部屋の奥の方から魔物が湧出してきた!
【ビッグアント】
CP70~100
毒液を吐く。
体長1メートル程の大きな蟻の群れが100匹程だろうか。一気に現れ俺達に襲いかかってくる。
(数が!数が多いですわ!陣形を組んで!)
すかさずカレンが皆に指示する。
(はいはいっ、みんな下がって♪)
ユヅキが全員下がるように促す。
ユヅキは剣をかまえる。何か範囲攻撃をしようとしている。
ん、あのかまえ……
どこかで見たことあるような……なんかの漫画で………
「斬光剣(ざんこうけん)!」
あれは!【魔闘剣】の応用!光魔法と闘気を融合させている!
ユヅキの剣から太い光の暫撃が放たれる!
光の暫撃は一直線にビッグアントの群れに向かう!
なんじゃありゃーー!いつの間に!ユヅキ!
あれは俺が憧れた、憧れ続けた。傘で何度もやった!傘を何度も壊した!
アバ○ストラッシュじゃねーーーか!ュ、ユヅキ訴えられるぞ……
全てのビッグアントは光に包まれ消えた!
オーバーキル!完全にオーバーキル!
シーンとするその場に残るのは100個ほどの魔石………
全員ポカーンとその光景を眺めている。
「てへへっ、やり過ぎちゃったかな?おかしいなー。手加減したんだけどな」
こちらを向いて舌を出し、ニコッと笑うユヅキ。
「た、たったの一撃で。。。」
フーカがボソっと言う。
「か、神の光………神の一撃………」
ミケネが神を崇めるようにユヅキを崇める。
「………」
サーシャは言葉が出ないようだ。
(バカヤロー、やり過ぎだ!ユヅキ!)
俺は念話でユヅキに伝える。
(ごめん、ごめん、だいぶ手加減はしたんだよ)
「すっ!凄いですわっ!ユヅキ様!!!伝説の勇者様!凄すぎますわ!!!」
カレンが興奮している。
【気配感知】に反応!あっ、まだだ!また来る!ビッグアント達がまた湧出てきた。
今度は更に増えて200匹程。
「みんなまだ来るぞ!油断するな!」
俺はリーダーらしくみんなに注意を促す。やっと俺の台詞が言えた……
呆然としていたメンバー達がハッとした顔をして正気を取り戻す。
(ユヅキ!みんなの訓練にならないから、フォローに回ってくれ!)
(オッケー!そうだね。私とあさひはみんなのフォローしよう!)
「みんな!俺とユヅキがフォローするから、思う存分戦ってくれ!」
「「「「はいっ!」」」」
全員引き締まった顔をする。
先制攻撃でサーシャとカレンが無詠唱でファイヤーボールを放つ。
その直後ミケネとフーカが無詠唱でウインドカッターを放つ。
おお、以前見たときよりも大幅にパワーアップしてる!みんな頑張って訓練してたんだな。
ビッグアントに炸裂し爆発を起こす!
熱風がこちらまで届く。俺はエアウォールでみんなを熱風から守る。
ユヅキも俺と同じ事をしようとしていたが、俺の動きをみてやめていた。
大半の魔物が消え、残りの魔物達をミケネ、カレン、フーカが接近戦で討伐に向かう。
サーシャは後方で待機して援護に回っている。
ミケネが片手剣、カレンがムチで、フーカが両手短剣で次々とビッグアントを倒していく。
おお、みんな強くなってるな。カレンは槍じゃなくてムチを使うようになったんだな。
うん。カレン、ムチがよく似合う。スーパー綺麗なお姉様のカレン。美人秘書のようなカレン。あ、あれは女王様………あのムチで叩かれたら、さすがの俺も目覚めてしまう……
(ダーリン……真面目にやりなさいよ……)
ジト目で俺を見るユヅキ。
ぐっ、なぜ気付かれるんだ……ユヅキ恐るべし………
その後もビッグアントは増え続けたが、500体程倒した時、発生がおさまった。
結局、俺とユヅキは手を貸す必要がなかった。
「みんなお疲れーーー♪凄かったよ!」
ユヅキがカレン達をねぎらう。
「はあ、はあ、はあ、ありがとうございます。ユヅキ様。さすがに数が多かったですわ」
「はあ、はあ、ま、まだまだ、我々は戦えます!」
「はあ、はあ、はあ、うん。。。戦える。。。」
「あさひ様~。サーシャは魔力が切れそうです~」
みんなそれなりに疲労がたまっているようだ。
だが、ダメージはほぼ受けていない。うん。さすがだ!このチームは良いチームだ!
「エリアヒール!」
俺はみんなに回復魔法を掛けた。
「サーシャにはこれを!」
俺はサーシャの手を繋ぎ俺の魔力をサーシャに流す。アメリアが持っていたスキルをコピーして覚えた【魔力寄与】。このスキルは自分の魔力を他者に分けることができる。
「あさひ様、魔力が回復します~。えっ???いきなり満タンに!あさひ様ありがとうございます」
キラキラした目で俺を見つめ抱きつくサーシャ。
すると、大部屋の奥の方でドサッと音がする。見てみると宝箱が現れた。
「おお!宝箱だ!」
俺が声をあげる。
「罠はなさそう。。。」
【罠発見】で調べたフーカが呟く。
「ああ、罠はなさそうだ!なにがでるかな?」
ドキドキしながら宝箱に近づくと………
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