創造眼〜異世界転移で神の目を授かり無双する。勇者は神眼、魔王は魔眼だと?強くなる為に努力は必須のようだ〜

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第二章 旅立ち編

第51話 乙女達の会議

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 ステラさんの絶叫を聞いたミケネさん達は慌てて声をかけてきた。

「どうしましたかっ!」

「やったわ!ついに無詠唱で魔法ができたわ!」
 ルーシーが誇らしげに言う。

「おお!無詠唱、凄いです!姫様おめでとうございます!」
 ミケネさんは驚いている。


 瞬く間にルーシー、ステラさんが無詠唱で魔法を使えるようになったことが護衛隊全員に伝わった。ルーシーが無詠唱魔法ができたことよりも、魔法を使えなかったステラさんが無詠唱で魔法が使えるようになったことがさらに衝撃だったようだ。

 その日から全員の無詠唱訓練が始まった。

 皆時間さえあれば1日中手の平に集中している。

 ステラさんとルーシーには次の段階を教えた。

 今度は出てきた水を魔力操作とイメージで球状に固めていく作業。これもなかなか難しいと思う。そして、どの属性魔法も基本は一緒ということも理解してくれたようだ。

 無詠唱が成功したら、俺のハグのおまけも付いてくるという情報も流れた。情報を流したのはルーシーだ。キスのことは隠していた。もちろんステラさんも言わなかった。

 それから一ヶ月後、全員が無詠唱で水を出せるようになった。

 最初にできるようになったのはサーシャ、その次がカレンさん、フーカ、最後にできるようになったのが隊長のミケネさん。ミケネさんは泣いていた。

「剣しか脳の無い、わ、私が魔法を使えるようになるなんて、あさひ様ありがとうございます。このご恩は一生忘れません。あさひ様は私の神様です。ああ、あさひ様一生付いていきます」

 な、なんか凄く拝まれているぞ。隊長なのに最後までできなくて悔しがってたし、よほど嬉しいんだろう。今までサーシャ、カレンさん、フーカにもおまけのハグをしてきた。俺はミケネさんをそっと優しく抱きしめた。

「よく頑張ったな、ミケネ」
 俺はかっこつけた。そして軽く頭をなでた。年上の女性だけど、みんなにやってきたのでハグに慣れた。

「あああ、あさひ様!なんてありがたいお言葉。私はあさひ様の騎士として生涯、生きていきます!この剣、この命、身も心もあさひ様のものです!うわーーーん」

 お、大袈裟だぞ。ミケネさん…………ミケネは大号泣している。キャラが崩壊しとるぞ。



 一方、少し離れたところでルーシー達がひそひそ話をしていた。

 コソコソ、コソコソ

 ルーシー「ミ、ミケネ、か、完全なあさひ信者になっちゃったわね」
 サーシャ「はい~。私も完全なあさひ様信者で~す」
 フーカ 「うん。隊長は手遅れ。完全なあさひ信者。私もあさひ信者…………」
 カレン 「姫様、今夜。ワタクシ達は会議が必要ですわ」
 ルーシー「カレン、そ、そうね。わたしもそう思うわ」




 その夜、乙女達の会議があさひ、ステラの知らないところで始まった。
 あさひ、ステラには久々にお風呂でも入って来て下さい。と【テレポート】で帰宅させた。


 カレン 「皆様、本日はお集まり頂きありがとうございます。司会のカレンですわ」

 皆   「パチパチパチっ」

 カレン 「シッ、静粛に。声は小さくですわ。これは極秘会議です」

 カレン 「大きな問題が発生しましたわ。これは世界に革命が起きるほどの大きな問題ですわ。それはここにいる全員が無詠唱の魔法を使えるようになるということですわ。こんなことが世界に知れたら、世界のバランスは崩れますわ。ですから、国に帰ったらワタクシ達4人を正式に姫様直属の護衛に任命して頂くことを提案致しますわ」

 ルーシー「そ、そうね。わたしもそれがいいと思う。この訓練方法も絶対に秘密よ。こんなことが分かったら本当に世界のバランスが崩れるわ。戦争が起きる可能性もある。無法者が力を付けて反逆が起こる可能性もある。絶対に言えないわ。皆も大っぴらに無詠唱を使っちゃダメよ!」

 ミケネ 「私も賛成です。姫様直属の護衛チームを正式に作って下さい。そして私は姫様、あさひ様、ステラ様を生涯お守りすると誓います」

 ルーシー「ミケネ、あなたはあさひを守りたいんでしょ!」

 ミケネ 「さすが姫様、全てお見通しですね。先程あさひ様から抱擁を受けたとき、私は生涯の主君と出会ったことを感じてしまいました。神託であさひ様とステラ様を国へお連れします。詳細は私にはわかりませんが、もしも、もしも、そんなことは有り得ないと思いますが、我が国があさひ様とステラ様に害を成すようなことをするのであれば、私は国を裏切ってでも、命を賭けてあさひ様とステラ様をお守りします」

 ルーシー「す、凄いわね。ミケネ。でもわたしも同じ気持ちよ」

 フーカ 「私も同じ気持ち…………」

 ルーシー「フ、フーカどうしちゃったの?あなた最近よく喋るようになったじゃない?」

 フーカ 「私もあさひとステラ様に魅せられた。隊長と同じ信者。私はあの二人の影になる。どんな汚れたこともする」

 ミケネ 「フーカ、よく言った。あなたの素質。私は分かってた」

 サーシャ「私もです。あさひ様が凄い方だと最初に見抜いていたのは私です」

 ルーシー「サーシャ、あんた喋り方がおっとりしてないじゃない………」

 サーシャ「姫様、あさひ様への想い。負けませんよ。胸の大きさも負けません」

 ルーシー「ぐ、胸は関係無いじゃない。わたしだってまだまだ大きくなってるわ。きっとあさひも喜ぶ大きさに………」

 カレン 「姫様の胸は置いておいて。決まりですわね」

 ルーシー「置いておかないでよ!もっと成長するんだから!」

 カレン 「シッ、声が大きいですわ」

 ルーシー「ご、ごめんなさい」

 カレン 「では決定事項をまとめますわ」

 ・王都帰還後、私達4人を姫様直属の護衛チームに配属してもらう
 ・無詠唱魔法の訓練方法は絶対に内密にする
 ・無詠唱魔法は命の危険が無い限り誰かが居る時は使用しない
 ・姫様護衛チームはあさひ様、ステラ様を必ずお守りする

 カレン 「意義のある方はいらっしゃいますか」

 全員  「意義無し」

 ミケネ 「一つだけ要望がある。姫様直属の護衛チームのリーダーはカレン。あなたにやって欲しい。このチームの頭脳はあなたよ。状況判断、冷静さ、交渉力、あなたが適任よ。私に遠慮すること無く、本気を出しなさい。私を剣として使って欲しい。姫様、あさひ様、ステラ様に仇なす者は全て潰す。それを実行するのは私達の役割。それを考えるのは頭脳であるカレンの役割」

 カレン 「隊長………」

 ルーシー「ミケネよく言ったわ。わたしも賛成よ」

 ミケネ 「ありがとうございます。姫様!」

 カレン 「姫様、隊長。わかりましたわ。ワタクシ本気を出させていただきますわ。姫様、あさひ様、ステラ様を必ずお守りするチームを作りますわ。ワタクシも皆に負けないぐらいあさひ様とステラ様をお慕いしていますわ。お任せ下さい。フーカ、サーシャもよろしい?」

 フーカ「カレンは適任」

 サーシャ「カレンリーダーよろしくお願いします!」

 ルーシー「最高のチームになるわね!みんなよろしくね!」

 全員  「はいっ!」

 この後、乙女達の会議はしばらく続いた。

 この日からカレンの才能が開花する。本人も気付いていないが元々頭が良く天才と言われていたカレンは【思考加速】のスキルを持っていた。大盾を使うタンクの役割は、皆が引き受けたがらないことを引き受けていたに過ぎなかった。



 ルーシー直属の護衛チームがあさひとステラにとって無くてはならない存在になるのはもう少し先のお話である。
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