創造眼〜異世界転移で神の目を授かり無双する。勇者は神眼、魔王は魔眼だと?強くなる為に努力は必須のようだ〜

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第二章 旅立ち編

第42話 三人との合流

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 イーグリア王国の第一王女ルーシー様と護衛のカレンさんは無事目を覚ました。

 事情も聞いた。まさか俺達が向かっている国の姫様が俺達を迎えに来てたとは。しかし、なぜ?その理由は王様と王女様、聖女様しか知らないらしい。

 しかもその神託は黒髪黒眼の少年も連れて来ることらしい。

 それって間違いなく俺だよね?人族の女神様はなぜ俺の事を知っているのか?まあ、女神様ならなんでもありか。しかし、大丈夫なのだろうか?俺は不安になる。

『まあ、ステラさんも王国の事詳しいみたいだし、大丈夫なんじゃない?』

 ユヅキは楽観的だ。

 とにかく姫様達はかなり衰弱していたので、今日はゆっくり休んで明日から護衛の三人を捜索しようという話になった。もし三人が生きていたらこの家に向かって来ているかもしれない。誰かが残らないと行き違いになる恐れもある。

 今後旅の人数が増えるという事でステラさんは食事のストックを増やす為にさらに多く準備している。
 時間ができた俺はこの慣れ親しんだ庭、一年間訓練をした庭に来ている。まさかこんなに早く戻ってくるとは、予想もしていなかった。
 で、俺は何の訓練をするのかというと、実は前からステラさんに言われていたことがあった。

【創造眼】は発動する時に金色に輝く。それは凄く目立つので、できるだけ隠した方が良いと言われていた。

「あさひ様の【創造眼】はとても神々しく見た目も能力も素晴らしいものです。ですが、人は自分の知らない能力を見ると畏怖したり、興味を持ったり、詮索したり、時には良からぬ事を考える者もいます。第二魔王ガイア様でさえ興味を持たれました。今後、旅をする中でたくさんの人にお会いする機会が増えますが、できるだけ隠された方が良いでしょう」

 【魔眼】を持つステラさんのご主人様、【神眼】を持つ勇者様も大量の魔力を消費する場合などは光っていたが、さほど強くない相手との戦闘や普段の生活は光らないようにしていたそうだ。

 俺も【創造眼】を使いつつ、眼が光らないよう訓練していた。だいぶできるようになったんだけど、昨日は姫様を助けるのに夢中で忘れていた。幸い見られてはいないと思うが、見られたとしてもその後すぐに気絶したので誤魔化せるだろう。今後は注意しよう。ガイア様みたいな強い人に変に興味持たれても嫌だからな。ガイア様は良い人だったけど、そうじゃない可能性もある。

 というわけで、【創造眼】が光らないように訓練中だ。今は体中に闘気を纏わせて風魔法を融合させている。俺は【マジックオーラ】と呼んでいる。普通の人が見ればただ立っているだけだ。

 と、そこへ姫様がやって来た。何か用があるのだろうか?ピンク色の髪、ツインテール、年齢は俺より少し下ぐらいだが、かなりの美少女。さすが姫様。出るところは、、、まあ、そこそこ年相応に。今は成長期なんだろう。これからの成長に更に期待だ。

『ダーリン………必ず見るわね………』
 し、仕方ないだろ。目がいっちゃうんだから。

「姫様、どうかしましたか?」

 俺は姫様に声をかけた。

「えっ、あのわたしのことはルーシーでいいわ。わたしもあさひって呼んでいいかしら?年も近そうだし」

 あれ、なんかさっきまでと雰囲気違うぞ。

「はい、ルーシー様」

「呼び捨てでいいわ。ところであさひはステラ姉様、ゴ、ゴホン。ステラ様とはどういう関係なの?」

 んん、どういう関係。どういう関係なのだろうか?俺も分からないな。どう答えよう……

 ……素直に答えるか。

「えっと、記憶を無くした俺の事をステラさんは面倒見てくれた命の恩人です」

「えっ、記憶を………?じゃあ、あなたは自分がどこの誰だかわからないの?どこの誰だかわからない人をステラ様は面倒を見ているの?」

「は、はい。まあ、そういう事になります。ステラさんには本当に感謝しています」

「そうなんだ………」

 姫様は凄く複雑な表情をしている。

「ところであさひに聞きたいことがあるのだけど、あさひは目が金色に光る?」

 うっ、やっぱり見られていたか。誤魔化そう。

「金色ですか?いえ、何のことか分からないですが、光りませんよ」

「そ、そうよね!そんな事ある訳ないわよね!やっぱりあの時私は意識が朦朧としていて………うん。うん。わかったわ。変なこと聞いてごめんなさい」

 姫様なんか妙に嬉しそうだぞ。誤魔化せたかな。
 そのまま姫様は行ってしまった。

【創造眼】の事を確認しに来たのだろうか?まあ、上手く誤魔化せたかな。

 俺も少ししてから家に戻った。
 家に戻るとステラさんが旅用の食事の準備をしていた。姫様とカレンさんもステラさんの手際の良さを見ながら驚き、手伝いをしていた。

 俺は手伝うことも無さそうなので、どうしようかと思っているとステラさんが声をかけてくれた。

「あさひ様おかえりなさいませ。お昼ご飯食べますか?」

 その時、俺の【気配感知】に反応があった。3人いる。おそらくそうだ。
 ステラさんも気が付いたようだ。

「あさひ様!」

「はい。3人いますね!おそらくルーシー様の護衛の方達かと」


「えっ!?」
「本当でしょうか!?」
 姫様とカレンさんは反応する。

「今から迎えに行ってきます!お二人も行きましょう!良いですか?ステラさん?」

 俺は2人を誘いステラさんに確認を取る。

「はい、この近さなら大丈夫でしょう。あさひ様お願いします。私は護衛の方に食事を出せるよう準備しておきますね」

「分かりました。ではルーシー様、カレンさん、行きましょう!」

「ええ。あさひ!お願い!」
「あさひ様よろしくお願いしますわ」


 俺は姫様達を連れて、ミケネさん達を迎えに行った。
 3人は驚いていたが、姫様を見て安堵した顔をした。姫様も3人をみて涙が堪えられず泣いていた。カレンさんも同様に嬉しそうだった。一度は諦めた仲間が生きていてくれて本当に嬉しかったのだろう。

 それから、3人を家に招き入れステラさんが食事を振る舞った。
 3人ともステラさんの食事にがっついていた。分かる。分かるよ。ステラさんのご飯めちゃくちゃ美味いから。

 俺は3人用に風呂を入れておいた。食事の前にクリーンもかけてあげた。
 3人はステラさんと俺にこちらが恐縮するぐらいお礼を言っていた。

 無事生きていてくれて良かった。

 3人は姫様を逃した後、ケルベロスと向かい合っていた。しかしこちらからは何もする事ができず、しばらく向き合っていたそうだ。正確にはあまりの恐怖で動けなかったらしい。その後ケルベロスは興味なさそうに去っていったようだ。
 ステラさんの言った通りだった。下手に攻撃を仕掛けたら全滅していたかもしれない。

 その後姫様を探したが見つけることが出来なかった、闇雲に探すよりもこの家を目指したそうだ。

 あそこで俺達が姫様に気付かなかったら完全にスレ違いになっていただろう。気付けたのは幸運だった。

 それから話合いをして俺とステラさん、姫様達5人で3日後にイーグリア王国に改めて旅立つ事が決まった。ここまで3ヶ月かけて来たそうだ。皆の疲労を抜いて、しっかり準備してから出発することになる。

 7人か。ステラさんと2人の時間が終わってしまった事の寂しさはある。女性6人の中に俺の居場所はあるのだろうか………

 姫様の護衛の人達はカレンさん、ミケネさん、フーカさん、サーシャさんと言う名前だ。全員かなり優秀なのだそうだ。そして全員美人。。。この世界美人多いのかな?

とにかく、3日後の出発の時に俺は7人全員を連れて、設置した魔法陣まで【テレポート】で移動しなければならない。少しでも魔力量を上げる為にレベルアップしておこう。
でもこの辺の魔物は弱いんだよなー。

『だったら、【テレポート】で魔法陣の場所まで行ってあそこでレベル上げようよ!』

ユヅキナイスアイデア!よし、ステラさんに伝えてから行こう。

ステラさんからは今のあさひ様なら大丈夫でしょう。と言われ、そのかわり危なくなったら必ず【テレポート】で私のところに帰ってきてください。と言ってくれた。
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