創造眼〜異世界転移で神の目を授かり無双する。勇者は神眼、魔王は魔眼だと?強くなる為に努力は必須のようだ〜

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第一章 アルバ大森林での修行編

第34話 テレポート

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【回避】【先読み】ができるようになってから更に6ヶ月が経った。この異世界に来て一年近くが経つ。
 ちなみにこの異世界は1ヶ月が30日で10ヶ月で1年。つまり1年間は300日であるらしい。しかしこの森は年間を通してほぼ気候が一定の為、季節の移り変わりを感じた事は無い。

 もちろん日々訓練は続けている。実力的にもかなり成長したと思う。

 しかし、旅立つのは【テレポート】ができるようになってからとステラさんに言われていた。

 この頃になると俺はステラさんがいなくても魔物狩りを一人で行えるようになっていた。
 ストレージの中にはけっこうな魔物が入っている。
 そのほとんどがゴブリンとオークである。


 いつものように魔物狩りをしていた日の帰り。俺はついに【テレポート】に成功した。

 俺は早い段階で家の近くの訓練場に【テレポート】用の魔法陣を設置していた。魔物の狩場から帰りに毎回試していたのだが、成功した事はなかった。

 その日は魔物狩りに魔力をあまり消費しなかった。その為成功したのかもしれない。

 ステラさんのご主人様の本を読み、魔法陣は設置できた。テレポートのイメージもできていた。もしかしたら【魔力操作】のレベルが上がってきた事も影響があるのかもしれない。少しずつ魔力量、つまりMPが多くなった事も可能になった原因かもしれない。

 とにかく、初めて成功した事で俺はめちゃくちゃ嬉しかった。これが【テレポート】。

 ただし、自分の魔力量の大半を消費した。俺のレベルをもっともっと上げないと複数回使う事、誰かを連れて【テレポート】するのはとても難しいと感じた。

 とにかく、まずはステラさんに報告だ!

 家にいるステラさんの元へ向かう。

「ステラさん、やりました!魔法陣への【テレポート】成功しました!」

 するとステラさんの表情がパァっと明るくなり、こちらへ駆けつけてくる!

「あさひ様ー!やりましたね!おめでとうございます!さすがです!こんなに早く【テレポート】ができるようになるなんてっ!」

 ステラさんは興奮して抱きつきながら、喜んでくれた。

 おおおおお、これは!なんてご褒美だ!

 ステラさんの良い匂いが漂ってくる。そして、当たる。ステラさんの大きな胸が俺の体にピッタリと。くっ、この感触は完全記憶師匠が覚えてくれていた物と同じ。俺はまたこの素晴らしい感触を味わうことができたぞー!
 テレポート様ありがとう!あなたのおかげでステラさんは喜んでくれています!

 いつまでも、いつまでも俺はこの感触を味わいたい!
 しかし、俺の興奮がユヅキにシンクロしてしまった。

(ああ、ステラさん、大きい。この感触、柔らかくて、張りがあってユヅキちゃんまで興奮しちゃう)
 興奮したユヅキが口を滑らす。おい、ユヅキ!余計な事を言うんじゃない!

 ハッと気づいたステラさんは慌てて俺から離れる。

「あ、あ、あ、あのですね。これ、これ、これは、ですね。あ、あ、あさひ様が【テレポート】できるようになって、嬉しくて、つ、つ、つい」

 ステラさんが真っ赤な顔で言い訳する。

「い、いや、ステラさんが喜んでくれて、俺も嬉しかったです。はい、ご褒美ありがとうございます」

 俺も照れながら答えた。

「ご、ご褒美なんて、そんな、、、キャーっ」

 ステラさんは走って逃げていった。


『ユヅキーっ!』
 俺は余計なことを言ったユヅキに物申したかった。

『てへへっ、ダーリンごめんごめん。だって、あまりにもダーリン興奮しちゃってたから、私も興奮しちゃってついっ、、、シンクロしちゃうんだから仕方ないじゃない』

『お、おう。それなら仕方ないよな。ま、まあ、それならユヅキのせいじゃ無いな』

 それ以上俺はユヅキを責める事はできなかった。なぜなら、悲しいかな、俺のせいだから。。。そんなわけであっさりとユヅキを許す。


 よし、【テレポート】はいよいよ次の段階だ。

 実はこの【テレポート】普通は自分の設置した魔法陣が無いと移動できない。
 普通の人の場合、【テレポート】は魔法陣の場所をイメージして、更に魔法陣の補助によってテレポートしている。
 この魔法陣は自分の魔力で描き、そしてその時に自分の魔力を流し込む。いわゆる、マーキングに近いのかもしれない。それが無い場合、【テレポート】はできない。魔力の質は人それぞれ違う。つまり、他人の魔法陣も転用する事はできない。

 しかし、ステラさんのご主人様、つまり第五魔王アレク様は魔法陣以外でも【テレポート】をしていたのだ。

 その方法とは、自分の知っている人の魔力や闘気を感じて【テレポート】するというやり方だ。
 おお、この方法は、、、俺の知ってる。ヤードラッ◯星人のやり方に似ているではないか!と本を見て思ったものだ。

 ただし、魔力や闘気を感じられれば、知ってる人なら誰にでもテレポート出来るかというとそうではないようだ。

 まず、テレポートしたい人にテレポート用の魔法陣を組み込んだ自分の魔力を流し込ませてもらう。これがマーキングとなる。

 つまり、予めマーキングさせてもらう事。魔力や闘気を感じ取れる事。

 この二つの条件が場所ではなく、誰かのところに直接【テレポート】する為の条件のようだ。


 俺の場合、この世界の知り合いはステラさんと第二魔王ガイア様しかいない。
 俺はステラさんにお願いして、魔法陣を組んだ俺の魔力を流させてもらおうと思う。魔法陣のやり方はアレク様のおかげでわかる。

 というわけでステラさんを追いかけた。


 ステラさんはまだ照れていたが、マーキングのことを話すると、もちろんです。了承してくれた。

「ではステラさん、やりますね!」

「はい。あさひ様」

 俺はステラさんの手の平に手を置く。
 なんだかステラさんの顔がまだ赤い。

 そして魔法陣を組み込んだ魔力を流し込む。

「ああ、あさひ様の魔力が私の中に入ってきます」
 頬が赤く、ウルウルした瞳で俺を見るステラさん。

 うっ、ステラさん、なんか妙に色っぽいぞ。やばいやばい。

 俺は魔力を流し込むことに集中し、無事マーキングが終了した。


「終わりました。ステラさん。ありがとうございます」

「はぁ、はぁ。確かにあさひ様の魔力が私の中に入ってきたのを感じました。はぁ、はぁ。」

 こ、これは、ステラさんに負担があったのか?しかし、ステラさんの吐息が妙に色っぽいぞ。

 ああ、なんて綺麗なんだステラさん。俺はこのまま、このままステラさんを押し倒したい。


 だ、ダメだ。ステラさんにそんな事しては。俺はステラさんには誠実でいなくてはいけない。

 煩悩退散!煩悩退散!煩悩退散!

『え、偉いわっ。ダーリン。わ、私までステラさんの綺麗な瞳に吸い込まれて、押し倒してしまいたくなったのに。はぁ、はぁ、よく我慢したわっ。』

 ちょっと変態なユヅキであるがこれは全て俺のせい。俺の感情とリンクしてしまっている……

 俺とユヅキ、ステラさんが落ち着くまで少々の時間が必要だった。

「ステラさん、今日は魔力を使い過ぎたので、明日試させてください」

 さっき【テレポート】をしたばかりということもあり、正直魔力がほとんど残っていない。

「わかりました。明日よろしくお願いします。これができるようになればいよいよ出発ですね。私も出発の準備を始めます」

 ステラさんはキリッとした表情で遠くを見るように言った。

 ああ、いよいよなんだなと思った。

 その日は、今後の予定について3人で話合い、ゆっくり休むのであった。


 
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