創造眼〜異世界転移で神の目を授かり無双する。勇者は神眼、魔王は魔眼だと?強くなる為に努力は必須のようだ〜

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第一章 アルバ大森林での修行編

第26話 初陣※

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 翌日、ステラさんと朝食を食べる。その後ステラさんはマジックバッグを渡してくれた。

 今日は初日の為、そこまで遠くにいく予定は無い。
 しかし念の為、数日分の食料、水、ポーション等が入っていた。

 そして、普段訓練で使っている物とは違う鋼製の両手剣。それに白いコートが入っていた。
 鋼の両手剣を持つとズシッと重さが伝わってきた。しかし、普段の木剣もかなり重い物に調整してあるらしく違和感は無かった。
 そして、白いコート。これは俺が着れるようにサイズを調整しておいてくれたみたいだ。ピッタリだ。魔法とかへの耐性があるらしい。

「ス、ステラさん、ありがとうございます」

 俺は嬉しくてそれ以上の言葉が出なかった。

「いえ、とてもお似合いですよ。あさひ様」
 ステラさんはニコッと微笑む。

「よし、がんばります!ステラさん、今日はよろしくお願いします!」
 俺は緊張もしていたが、気合いも入っていた。

 時々チェンジしながらやろう。
 魔物を殺すのに躊躇はしない。
 危険を感じたらお互いアドバイスする。
 危なそうなら逃げる。

 などなど、ユヅキとはすでに打合せ済みだ。
 そして、まずは俺からである。

 ステラさんに付いていき、魔物が出る付近まで移動する。
 その間も俺は【マップ表示】【気配感知】を続けていた。

 思えば俺はあの家から離れるのは初めてだ。凄くドキドキする。少し足が震える。
 魔物との殺し合い。俺にそんなことができるのか?やばい、一気に不安が押し寄せる。

『あさひ、変わって。私が先にやるわ。接近戦は私の方が得意だし、やっぱり私の方がいいわ』

 俺の不安を読み取ったユヅキが交代を提案してくれる。
 いや、ダメだ。俺は何を弱気になっているんだ。こんなことじゃユヅキを守れない。ステラさんのご主人様も探すことなんてとてもできない。
 何よりもここで逃げたら俺はこの世界で生きていけない気がする。

 いや、大丈夫だユヅキ!

『うん、大丈夫そうね、ダーリン』
 俺の覚悟を感じ取ってくれたようだ。

「ここからはあさひ様が一人で歩いてください。私は少し離れて、後から付いていきます。危険があればすぐに駆けつけますのでご安心下さい」

「はい。よろしくお願いします」

 そして、俺はまわりに注意しながら少しずつ歩く。【創造眼】【マップ表示】【気配感知】はもちろん全開だ。

 そして、15分程歩いた時、俺の【気配感知】に反応があった。何かいる。

『何かいるわね』
 ユヅキも気づいたようだ。

【気配感知】に集中する。200mぐらい先の木の反対側に2匹のゴブリンがいた。向こうはまだこちらに気づいてない。しかし、この距離だと俺の魔法も届かない。
 俺は気づかれないようにそっと近づく。射程圏内。

【創造眼】を発動させている俺は土魔法で岩の塊を作り、石弾をゴブリンに投げつける。

 石弾はゴブリンの頭に炸裂し、頭がはじけ飛ぶ。

「当たった!」
 喜ぶ俺。しかし、もう1匹のゴブリンがこちらに気づいた。

 石の斧のような物を持ったゴブリンはこちらに向かって襲ってくる。
 俺は剣をかまえる。

 ゴブリンが斧を振り上げ俺に向かってくる。
 遅い。俺は思った。ユヅキの方がずっと速い。

 俺は剣でゴブリンの首を跳ね飛ばした。

「はあ、はあ、はあ」
 俺は夢中で、興奮状態でいる。初めての戦闘にしては上出来だと思った。

『おめでとう、あさひ。凄く良かったよ』

 ユヅキの声を聞いて俺はホッとする。

『ああ、なんとかやれて良かったよ』
 若干手が震えている。
 ステラさんは離れたところで様子を見てくれているようだ。


『交代よ。次はユヅキちゃんの番ね。よっしゃー』

 俺はユヅキと【チェンジ】した。

 ユヅキも緊張しているのかと思っていたが、全然だった。むしろワクワクしてるような………
 なんだこの差は………ユヅキ大物か………俺は小物か………

 するとすぐに【気配感知】が反応する。6匹のゴブリン。あっ、やばい。人数多いと俺は思った。

 しかし、ユヅキは剣をかまえてゴブリン達に突っ込んだ。

 ひえーーーー。ユヅキーーー。

 結果としては、圧勝だった。

 そりゃあもう凄いのなんのって。

 6匹全てを一撃で斬り殺していくユヅキ。完全な圧勝だった。

 確かに俺もゴブリンの動きは簡単に見えていた。だけど、初陣でこれって………
 メンタルの差を痛感させられた。

 おかげで俺も吹っ切れた。


 その後、何度も交代をしながら実戦を重ねた。

 昨夜ステラさんが言った通り、数匹のゴブリンやトレント、スライム等がいたが俺とユヅキは問題無く倒していった。
 俺は先制攻撃で魔法を使うことが多い。ユヅキはかまわず突っ込んで剣でなぎ倒していく。
 スライムは俺の火魔法で焼いた。ファイヤーボールで一瞬で溶けた。

 3時間程過ぎたところでステラさんが俺のところに来てくれた。

「あさひ様、お見事でした。初陣でこの結果は素晴らしいかと思います」

 ステラさんが褒めてくれる。

「ありがとうございます。最初は緊張しましたがなんとかなりました。」

「初陣から魔法と剣術の混合、剣術のみでの戦い、二つの戦い方を試されるなんて私は感動しました」

 ステラさんが勘違いしてくれている。い、いや。それは俺とユヅキの戦い方が違うからなんです。とも言えず、

「あ、ありがとうございます、実戦はなかなか難しいですね」

 なんて、言葉で誤魔化した。

「では、帰る時間もありますので今日はこの辺りで戻りましょう。本来であれば倒した魔物の魔石を取り回収します。そして魔物の部位で持ち帰る物は解体して持ち帰ります。死体は燃やすか、マジックバッグに収納します。魔物の死体を放置しすぎると他の魔物達が集まって来てしまう危険がありますので今後注意してください」

 あっ、そうか。戦うことで精一杯でそういうこと考える余裕がなかった。

「今日は私が処理しておきましたので、明日から戦闘後の処理もしていきましょう。帰ったら、回収した魔物の解体をしますので、見ていてください」

「はい、分かりました。ありがとうございます」

 そうか-。すっかり忘れてた。ストレージで魔物回収しておけば良かった。ユヅキ覚えてた?

『ごめーん、私もすっかり忘れてた。次から気をつけなきゃね。てへへ』


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 あさひ 18歳 男 LV:10
 種族:人族
 称号:創造神の使徒
 加護:創造神の加護

 HP:200
 MP:1000
 CP:34

 スキル:体術、魔力自然回復、魔力操作、体力自然回復、剣術、無詠唱、気配感知、闘気、闘魔術
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 魔法:水魔法、火魔法、風魔法、土魔法、生活魔法
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
 耐性:全属性攻撃耐性(中)、精神攻撃耐性(極)、即死攻撃耐性(極)
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 創造眼:ステータス操作、鑑定、ストレージ(無限収納)、マップ表示、完全記憶、思考加速、チェンジ、創造、パーティ化
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 パーティ:ユヅキ
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 おお、レベルが2も上がってる。MPがついに1000になった。やっぱ魔物倒すとレベル上がるの早いのか。今まで上がらなかった【気配感知】と【マップ表示】のスキルレベルが上がってる気がする。順調順調。

 ステラさんが来てくれた事、初陣が上手くいった事、俺とユヅキは少し浮かれていた。




 帰り道、30分程歩いたところで【気配感知】に大きな反応がある。ステラさんも気付いているようだ。

 魔物の数は50体ぐらい………その中で大きな反応が2体。さらに大きな反応が1体。


「な、なぜオークエンペラーがこんなところに………あさひ様、下がっていてください、私がやりますので」


 ステラさんが真剣な表情で俺に下がるように言う。
 で、でも俺も戦える。こんな数、一人で戦わせるわけにはいかない。

「俺も戦えます。先制攻撃で魔法をぶつけます」
 なんとか力になりたいと思った。

「いえ、それではあさひ様がオーク共のターゲットになってしまいます。お気持ちだけいただきます。申し訳ありませんが、守りながらの戦いよりも一人での方が戦いやすいです」

 俺は何も言うことができなかった。

「あさひ様、大丈夫です。この程度の相手、どうという事はありません」


 オーク達はすでにこちらに気付いており、向かってくる。

 オークキング、オークエンペラーは後ろで控えている。



 ステラさんとオーク50匹の戦闘が始まった。
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