創造眼〜異世界転移で神の目を授かり無双する。勇者は神眼、魔王は魔眼だと?強くなる為に努力は必須のようだ〜

文字の大きさ
上 下
18 / 137
第一章 アルバ大森林での修行編

第16話 剣術訓練 転移3日目

しおりを挟む
 今日も朝食を美味しくいただいた。俺はステラさんに胃袋を完璧に掴まれている。

 その後、ステラさんが俺の為に訓練用の木剣と防具を用意してくれた。
 外用の服に着替えて、防具を装備する。軽装な皮製の鎧、靴、グローブを装備する。サイズ的には問題なさそうだ。
 何から何までステラさんにはいつもながら感謝する。
 家の近くの少し開けた庭のようなところに行く。

「あさひ様、似合っていますよ」
 ステラさんは微笑みながら、俺を見て褒めてくれる。

「ありがとうございます。実は剣を持つのも防具を身に付けるのも初めてでして、緊張します」
 剣術、男心がくすぐられる。楽しみだ。

「そうですか。では始めましょう」

 俺とちょっと距離を置き凛とした姿で立つステラさんは、銀色の長い髪が風になびいて、太陽の光をキラキラと反射している。

 メイド服とは違う。少し露出多めの美しい剣士の姿。絶世の美女剣士。

 俺は美しいと思った。そしてそれ以上にカッコ良かった。
 ユヅキも俺と同じことを思ったようだ。いや、誰でも思うだろう。俺って凄くラッキー。創造神様、ここに転送させていただきありがとうございます。

「はい、ステラさん。よろしくお願いします」

「まず、あさひ様は剣を使用するのが初めてとのことですので、素振りの型をお教えしたいと思います」

「ですが、その前にあさひ様の動きを確認したいので自由に、本気で私に向かって攻めてみてください。私は反撃しませんので、ご安心ください」

 そう言って、ステラさんと俺は木剣を構える。俺もステラさんも大きめの両手持ちの木剣。

 構えなんて分からないから、ステラさんを真似てそれっぽく構える。

「やーっ」
 夢中で剣を振る。何度も何度も振る。
 当たらない。当たらない。当たらない。
 ステラさんは軽々と俺の剣を交わし続ける。
 5分ほど振った後だろうか。

「はあ、はあ、はあ」
 剣を振り回していた俺はかなりの汗を掻いて息を乱す。ステラさんは涼しい顔をしてこちらを見ている。

「あさひ様、だいたいわかりました。それでは素振りから始めましょう」

『ステラさん、凄ーい。あさひ、私に変わって』
 ユヅキが感動したように、俺との交代をせがむ。

「ステラさん、あともう少しだけやらせてください」
 ステラさんにお願いしてみる。

「わかりました。ではもう少しやりましょう」

 そしてユヅキと【チェンジ】する。

 そして、ユヅキは俺の体でステラさんに向かう。

 ユヅキは剣を振る。

 当たらない。当たらないけど、
 ステラさんは驚いた顔をする。

 しばらく剣を振り続ける。
 ユヅキの攻撃をステラさんが剣で受け止める。

「驚きました。先程とは動きがまるで違います。さあ、続けてください」

 ユヅキは剣を振る。縦に横に斜めに。フットワークも軽やかに振り続ける。

 ユヅキの剣がステラさんの髪に掠る。
 ユヅキはニヤッとする。

 うそーーーん。ユヅキ。なんでそんなに凄いんだ。俺って一体………CPたったの5………ゴミか………それほど俺とユヅキの動きに差があった。なぜ同じ体なのに?ユヅキってもしかして天才?俺はけっこう落ち込んだ。

『あさひ【チェンジ】して』
 素早く俺とユヅキは元に戻る。
 思考加速先生のおかげで俺とユヅキのやり取りは高速である。

 ステラさんは俺と距離を取り、かまえを解いて言う。
「あさひ様。本当に驚きました。素晴らしい才能かと思います。とても今日はじめて剣を持ったとは思えません」

「あっ。いえ。夢中で振っただけで………」

 俺は自分の力じゃないだけに複雑な気持ちで、ステラさんに答えた。

「ですが、まだ動きに無駄や未熟な部分がたくさんあります。いえ、今日はじめてなのですから、あって当たり前ですね。まずは剣の動かし方の基本をお教え致しますので、一緒に真似てみてください」

 そう言って、ステラさんは流れるような素振りをする。何種類かの型を見せてくれた。完全記憶師匠は即座に仕事をする。

 そして俺はステラさんの素振りを黙って見続ける。

『あさひ変わって』

 またユヅキからの要望で【チェンジ】する。

 ユヅキはステラさんの動きを真似する。

 しばらく、ステラさんとユヅキは素振りを続けていた。

 ユヅキはステラさんの動きを見続けながら、同じタイミングで素振りをし続ける。
 俺はステラさんの素振りを見ながら、ユヅキの思考を読むが、なんというか酷く純粋だ。剣のことしか考えてない。

 ユヅキ、剣術の才能めちゃくちゃあるんだな………

「あさひ様。良いと思います。まずは10日間。この動きをずっと練習し続けてください。もう少し踏込みを速くすることと、次の動きに即座に移れるように意識すること。そして振ったあとの姿勢がブレないように注意してください。」


「はい。わかりました。ステラさんありがとうございます」

 ユヅキは俺の代わりに答える。

 しばらくステラさんはユヅキの素振りを見続けて、さらに少しアドバイスをする。

「では私は家に戻りますので続けてください」
「はい」
 そう言ってステラさんは家に戻った。

『あさひ。やばい。剣術楽しいよ♪』

『そうみたいだな。ユヅキが楽しんでるの伝わってくる』

『うん。ごめんね。変わってもらっちゃって』

『いや、ユヅキが楽しそうで俺も嬉しいよ』

 実際に嬉しかった。ユヅキがこんなに感情を表して楽しんでるのは初めてだし、ユヅキの喜びが俺の感情を引っ張る。剣術楽しいな。
 俺も思考加速先生と完全記憶師匠の力を借りてユヅキの素振りに集中する。

 なんだこれ、凄く勉強になるぞ。師匠が記憶したステラさんの動きとユヅキの動きを重ね合わせるようにユヅキの素振りに集中する。

 それから30分、ユヅキは振り続けた。

『ふう。いやあ、楽しい!ステラさんの動きを真似してるけど、まだまだ全然だね♪』
 休憩したユヅキは俺に話しかける。俺も邪魔してはいけないと思って素振り中は話しかけず【ルーム】でユヅキが振っている木剣と同じような物を作り、振り続けてた。

『そうだな。いや、ユヅキもマジで凄いと思う。ちょっと変わって。俺もやりたい』

『オッケー。あさひ交代』
【チェンジ】して今度は俺の番。

 おっ、体がだいぶ疲れてる。

 俺も素振りをする。ユヅキ程ではないが最初よりは随分良くなった気がする。

『あれ、あさひ凄く良くなってる』

 悔しいから俺も一緒に【ルーム】で素振りしてた。

『あっ、本当だ。木剣がある。あさひ負けず嫌いね』

 くそっ、ユヅキに置いてかれないように頑張ります。

『うふふっ、うん。頑張ろ』

 恐らくユヅキは俺の思考を読んだのだろう。剣術楽しいという思いと、悔しいという思い。それをわかった上で余計な事は言わなかった。

 この後、俺とユヅキは何度も交代しながら素振りをし続けた。

________________

◆ 読んでいただき、ありがとうございます。

少しでも次が気になる。応援したいと思っていただけたら

是非、お気に入りをお願いします

よろしくお願いします

しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

スマートシステムで異世界革命

小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 /// ★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★ 新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。 それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。 異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。 スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします! 序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです 第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練 第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い 第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚 第4章(全17話)ダンジョン探索 第5章(執筆中)公的ギルド? ※第3章以降は少し内容が過激になってきます。 上記はあくまで予定です。 カクヨムでも投稿しています。

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

処理中です...