7 / 137
第一章 アルバ大森林での修行編
第6話 創造神様
しおりを挟む
俺は創造神様に気になっていることを尋ね始める。
「まず、俺は事故にあって死んだと思ったんですが、気がついたらこちらの世界にいました。それってやっぱり死んだってことでしょうか?」
《いや、そうではないんじゃ。わしが介入し、すんでのところで死ぬのだけは何とか回避出来たんじゃ》
「そうだったんですか、あれ?死んでないってことは、もしかして元の世界に戻れたりって………?」
《すまんのう。それは無理じゃ。お主はわしが介入しなければ死んでおった》
「そうですか。それは残念です。」
そう、ドタバタしていたが、俺には同居していた両親と爺ちゃんがいる。塞ぎ込んでいて心配かけた上に、突然事故で死んでしまうなんて、育ててくれた両親や爺ちゃんには本当に申し訳ないと思うし、何のお礼も言えなかったのはやはり辛い。
「では、俺の肉体はこちらに来てしまっているのですが、あちらではどんな風になっているのですか?」
《遺体の身代わりになる人形を、ワシが用意して置いておいた。お主から造ったホムンクルスといえばわかりやすいかのぅ。地球の科学でもまだわからんじゃろう。遺体が消えてしまうのは色々と問題じゃしな 》
「そうですか。創造神様、ご配慮ありがとうございます」
そっかぁ。もう爺ちゃんや両親には会えないのか……戻れないのは残念だが、元々死んでいたなら、創造神様を恨むことなんてない。本来死んでいたはずなのに、今こうしていられるのは創造神様のおかげであると思った。
ホムンクルス?創造神様はそのような力もあるのか。ん?世界を想像するぐらいだから、なんでもありか。
《ふぉふぉふぉ、なんでもできるわけではないぞ》
あっ、心読まれてますね。
『創造神様、私からも宜しいでしょうか?』
ユヅキが真剣な表情で創造神様に問いかける。
《ユヅキと言ったかな。良いぞ。》
『こういった転移や転生を創造神様はよくおこなっているのでしょうか?』
《ふむ、そうじゃな。ここで話す内容は全てお主達の胸にしまっておいてくれるかの?》
『はい、もちろんです』
ユヅキも俺ももちろん同意する。
《まず、ワシが直接地球で介入しこの世界に転移させたのは初めてじゃ。今後もするつもりは無い。結構な力を使うしの。しかし、何かの偶然で極々稀に異世界転生する者はいる。しかし、その場合、その魂は記憶を失う。異世界に転生した者は例外なく記憶を失うのじゃ。ただし、同じ世界で転生している者の中には薄らと前世の記憶が残っていたりする者もおる。まあ、そう言った者は本当に極々僅かではあるがな。記憶を残したまま転移させたお主達は例外じゃ。内緒じゃぞ》
そして、創造神様の説明は続く。
まず、創造神様の管轄は地球らしい。こちらの世界にはまた別の神々がいて、その神々が管轄しているとのこと。神々は直接人々に介入することはなく、見守るのがルールらしい。
ただし、この世界の神々は各々の管轄の種族一名だけを使徒に任命し、その者には神の加護を与えることができる。そして、使徒には直接神の声を届けることができるらしい。
他にも各々の管轄の種族一名だけに神の力の一部をギフトとして贈ることができるというルールがあるとのことだ。
創造神様もそのルールに従い、管轄である地球に住む俺を使徒に任命し加護を与え、【創造眼】というギフトを授けてくれたようだ。
ではなぜ俺を任命してくれたのか?それは俺の実家の神社が地球では珍しく、創造神様を祀っている神社だったからだとか。まあ、気まぐれであり、偶然目に留まったと言っていた。
確かにうちの神社は普通の神社とはちょっと違っていた気がする。先祖代々から続いている神社ではあったが、爺ちゃんも両親も後を継ぐ必要はないと言っていた。あさひが継ぎたいと思ったら継げばいいと。でも収入はないから仕事はしろと。確かに爺ちゃんは定年して仕事は引退していたが、父親は普通の会社員だった。
そんな訳で俺もまずは普通に働くつもりでいたから、神社のことはあまり詳しくない。
使徒、ギフト寄与のことについてなんとなくわかったところで俺はまた質問をする。
「創造神様、もしかして俺は使徒として何か使命みたいなものがあるのでしょうか。た、例えば魔王を倒せとか、悪魔を殺せとか、世界を平和に導けとか………」
俺は恐る恐る尋ねる。この世界には勇者や魔王がいるみたいなことをステラさんが言っていた。今の俺の力で何かできるなんて到底思えない。そんな使命があったらかなりやばいと思った。
《ふぉふぉふぉ、あさひよ。そなたの使命は………》
創造神様は真剣な表情で言う…
そして、しばらくの沈黙
『「使命は…………ゴクリっ」』
《お主の使命は………》
くっ、長い………なんだこの溜めは………
《特に無い。ふぉふぉふぉ》
『「ズコーーーーーっ!」』
盛大にズッコケる俺とユヅキ。
面白がる創造神様。
『「無いんかーーーーい!」』
突っ込む俺とユヅキ。
《すまん、すまん。そなた達の良い反応がまた見たくて。ふぉふぉふぉ》
まあ、なんとなくわかっていたよこの溜めは。三回目だしなっ。きっとこんな落ちが来るんじゃ無いかって。でも同時に安堵する。ユヅキも少しホッとしたようだ。
「まず、俺は事故にあって死んだと思ったんですが、気がついたらこちらの世界にいました。それってやっぱり死んだってことでしょうか?」
《いや、そうではないんじゃ。わしが介入し、すんでのところで死ぬのだけは何とか回避出来たんじゃ》
「そうだったんですか、あれ?死んでないってことは、もしかして元の世界に戻れたりって………?」
《すまんのう。それは無理じゃ。お主はわしが介入しなければ死んでおった》
「そうですか。それは残念です。」
そう、ドタバタしていたが、俺には同居していた両親と爺ちゃんがいる。塞ぎ込んでいて心配かけた上に、突然事故で死んでしまうなんて、育ててくれた両親や爺ちゃんには本当に申し訳ないと思うし、何のお礼も言えなかったのはやはり辛い。
「では、俺の肉体はこちらに来てしまっているのですが、あちらではどんな風になっているのですか?」
《遺体の身代わりになる人形を、ワシが用意して置いておいた。お主から造ったホムンクルスといえばわかりやすいかのぅ。地球の科学でもまだわからんじゃろう。遺体が消えてしまうのは色々と問題じゃしな 》
「そうですか。創造神様、ご配慮ありがとうございます」
そっかぁ。もう爺ちゃんや両親には会えないのか……戻れないのは残念だが、元々死んでいたなら、創造神様を恨むことなんてない。本来死んでいたはずなのに、今こうしていられるのは創造神様のおかげであると思った。
ホムンクルス?創造神様はそのような力もあるのか。ん?世界を想像するぐらいだから、なんでもありか。
《ふぉふぉふぉ、なんでもできるわけではないぞ》
あっ、心読まれてますね。
『創造神様、私からも宜しいでしょうか?』
ユヅキが真剣な表情で創造神様に問いかける。
《ユヅキと言ったかな。良いぞ。》
『こういった転移や転生を創造神様はよくおこなっているのでしょうか?』
《ふむ、そうじゃな。ここで話す内容は全てお主達の胸にしまっておいてくれるかの?》
『はい、もちろんです』
ユヅキも俺ももちろん同意する。
《まず、ワシが直接地球で介入しこの世界に転移させたのは初めてじゃ。今後もするつもりは無い。結構な力を使うしの。しかし、何かの偶然で極々稀に異世界転生する者はいる。しかし、その場合、その魂は記憶を失う。異世界に転生した者は例外なく記憶を失うのじゃ。ただし、同じ世界で転生している者の中には薄らと前世の記憶が残っていたりする者もおる。まあ、そう言った者は本当に極々僅かではあるがな。記憶を残したまま転移させたお主達は例外じゃ。内緒じゃぞ》
そして、創造神様の説明は続く。
まず、創造神様の管轄は地球らしい。こちらの世界にはまた別の神々がいて、その神々が管轄しているとのこと。神々は直接人々に介入することはなく、見守るのがルールらしい。
ただし、この世界の神々は各々の管轄の種族一名だけを使徒に任命し、その者には神の加護を与えることができる。そして、使徒には直接神の声を届けることができるらしい。
他にも各々の管轄の種族一名だけに神の力の一部をギフトとして贈ることができるというルールがあるとのことだ。
創造神様もそのルールに従い、管轄である地球に住む俺を使徒に任命し加護を与え、【創造眼】というギフトを授けてくれたようだ。
ではなぜ俺を任命してくれたのか?それは俺の実家の神社が地球では珍しく、創造神様を祀っている神社だったからだとか。まあ、気まぐれであり、偶然目に留まったと言っていた。
確かにうちの神社は普通の神社とはちょっと違っていた気がする。先祖代々から続いている神社ではあったが、爺ちゃんも両親も後を継ぐ必要はないと言っていた。あさひが継ぎたいと思ったら継げばいいと。でも収入はないから仕事はしろと。確かに爺ちゃんは定年して仕事は引退していたが、父親は普通の会社員だった。
そんな訳で俺もまずは普通に働くつもりでいたから、神社のことはあまり詳しくない。
使徒、ギフト寄与のことについてなんとなくわかったところで俺はまた質問をする。
「創造神様、もしかして俺は使徒として何か使命みたいなものがあるのでしょうか。た、例えば魔王を倒せとか、悪魔を殺せとか、世界を平和に導けとか………」
俺は恐る恐る尋ねる。この世界には勇者や魔王がいるみたいなことをステラさんが言っていた。今の俺の力で何かできるなんて到底思えない。そんな使命があったらかなりやばいと思った。
《ふぉふぉふぉ、あさひよ。そなたの使命は………》
創造神様は真剣な表情で言う…
そして、しばらくの沈黙
『「使命は…………ゴクリっ」』
《お主の使命は………》
くっ、長い………なんだこの溜めは………
《特に無い。ふぉふぉふぉ》
『「ズコーーーーーっ!」』
盛大にズッコケる俺とユヅキ。
面白がる創造神様。
『「無いんかーーーーい!」』
突っ込む俺とユヅキ。
《すまん、すまん。そなた達の良い反応がまた見たくて。ふぉふぉふぉ》
まあ、なんとなくわかっていたよこの溜めは。三回目だしなっ。きっとこんな落ちが来るんじゃ無いかって。でも同時に安堵する。ユヅキも少しホッとしたようだ。
11
お気に入りに追加
1,115
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

パーティーを追放された落ちこぼれ死霊術士だけど、五百年前に死んだ最強の女勇者(18)に憑依されて最強になった件
九葉ユーキ
ファンタジー
クラウス・アイゼンシュタイン、二十五歳、C級冒険者。滅んだとされる死霊術士の末裔だ。
勇者パーティーに「荷物持ち」として雇われていた彼は、突然パーティーを追放されてしまう。
S級モンスターがうろつく危険な場所に取り残され、途方に暮れるクラウス。
そんな彼に救いの手を差しのべたのは、五百年前の勇者親子の霊魂だった。
五百年前に不慮の死を遂げたという勇者親子の霊は、その地で自分たちの意志を継いでくれる死霊術士を待ち続けていたのだった。
魔王討伐を手伝うという条件で、クラウスは最強の女勇者リリスをその身に憑依させることになる。
S級モンスターを瞬殺できるほどの強さを手に入れたクラウスはどうなってしまうのか!?
「凄いのは俺じゃなくて、リリスなんだけどなぁ」
落ちこぼれ死霊術士と最強の美少女勇者(幽霊)のコンビが織りなす「死霊術」ファンタジー、開幕!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
転生したら王族だった
みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。
レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……

異世界転生漫遊記
しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は
体を壊し亡くなってしまった。
それを哀れんだ神の手によって
主人公は異世界に転生することに
前世の失敗を繰り返さないように
今度は自由に楽しく生きていこうと
決める
主人公が転生した世界は
魔物が闊歩する世界!
それを知った主人公は幼い頃から
努力し続け、剣と魔法を習得する!
初めての作品です!
よろしくお願いします!
感想よろしくお願いします!
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。
しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた!
今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。
そうしていると……?
※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる