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1章 闘技大会
12.決着
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攻撃1パーティーと合流したスラストとユキカゼは、もふディー(もふもふとDii Consentesの共闘関係のことをスラストは勝手にそう呼んでいる)の様子を見つつFine.陣地に攻撃を仕掛けた。
防衛人数は少ないので、個人戦力に優れるVanguardは防衛を容易く排除し、パワージェネレーターを殴り始める。すると遠巻きに見ていたもふディーの攻撃1パーティーも便乗して殴り始めた。
「もふディー漁夫の利狙いみたいですね。Fine.とダメージレースしてうちに潰させるつもりみたいですね」
「ですね。もふディー陣地にFine.います?」
ユキカゼが先鋒に訊くと、すぐに答えが返ってきた。
「多分ほぼ全員いますね。もふもふの方に集合してます」
「自陣もふディー退きました! 自陣メンバーは防衛も含めて何人かFine.の方行ってます。修理班残しておきますか?」
「いや、修理1人だけ防衛兼ねて置いといて、あとは全員Fine.行きます! ダメージレースなんで、ここで落として残り15分で決着つけちゃいましょう」
もふディー陣地の偵察、それと自陣の防衛メンバーとのやり取りでユキカゼは大まかに作戦を立て、改めて発表する。
「みなさん、聞いてください。これからFine.に全員で突撃してそのまま破壊します。そしたらもふもふかDii Consentesの残量少ない方を攻めてすぐ落としましょう。タイマンに持ち込めば時間内には終わります!」
ユキカゼが力強く宣言しながらジェネレーターを削る中、スラストも隣で全身全霊で攻撃をしていた。
「Fine.あと3割」
「もふもふあと2割です」
「2割」
「1割」
「Fine.ミリ!」
そう叫んだ瞬間、システムメッセージが表示された。
ギルド:もふもふをギルド:Fine.が撃破────
「手を緩めないで! Dii Consentesに行ってください!」
ユキカゼの叫ぶのとほぼ同時に、再びシステムメッセージが出る。
ギルド:Fine.をギルド:Vanguardが撃破────
弾かれたようにDii Consentesの方へと向かうメンバー達。ついに一対一の状況になった。戦力的に、また戦略的にもこちらが有利だが、ジェネレーターの残りはこちらは4割弱なのに対してあちらは10割だ。時間は残り5分30秒。
Dii Consentesのパワージェネレーターに到着すると、予想通り敵の姿は見えなかった。防衛を捨てて攻撃に全員向かっているようだ。
アタッカーはアルティメットスキルを次々と使用している。タンクのアルティメットスキルは数秒間無敵になるものだが、スラストはこの集団戦で何度も使用していてまだ使えない上に、今使ってもモーションで時間を取られるだけなので、使わないで殴っていた。
「ディーあと2割です」
「自陣も2割です。このペースで!」
「残り時間2分!」
削れ具合で見るとVanguardがかなり優勢になっていた。このままいけば勝てるだろう。あとは時間との戦いだ。
「残り1分!」
本当にあと少しなのだ、削り切ってくれとスラストは祈る。
「あと30秒!」
Dii Consentesのパワージェネレーターの残りHPは見えるか見えないかというくらいまで減っている。
ギルド: Dii Consentesをギルド:Vanguardが撃破────
終了時間、22時59分48秒。
Vanguardはギリギリの所で6ギルドの集団戦を制し、勝者となった。
「いやあ、お疲れ様です」
「お疲れ様です~」
「おつです」
「おつかれさまでした」
反省会は、冥華に人を送るのが少し遅かったということくらいしか意見が出ずに自然解散になった。
スラストはお疲れ様ですと言うなりログアウトし、頭から指まであるVR機器を外し、パソコンの電源を落としてすぐに寝る────そうしようとしたが、ログアウトを押す直前になってユキカゼに呼び止められた。
「スラストさん大活躍だったじゃないですか。どうです? 正式にうちに加入しませんか…………といっても断られちゃいますよね」
「まあ面倒なんで。1日3時間も拘束されるのは」
そう言って今度こそログアウトしようとしたが、またも制止された。
「正式加入しないで、演習出なくていい臨時加入のままでもいいんで。給料も出します」
「うまい話すぎないですか? 第一メンバーの人が納得するんですか」
「例のない話じゃないですよ。強ければ有りですから。今回指揮補佐と攻撃部隊やってもらって、滅茶苦茶上手いと思ったんです。戦績、たしか193キル0デスでしたよね」
スラストは、自分が廃人の中でも特に強いということはよく知っている。最強なら何をやっても許されるというのも、常日頃唱えている理論だ。なら入るしかないんじゃないか?
「全一盾なので入りますよ。臨時契約継続で」
またしても口車に乗せられていることを感じながら、臨時契約を継続することを決めた。
それじゃあと契約を結んだ後、ログアウトして全身のVR機器を外してパソコンを落とすとスラストはベッドに飛び込んで数秒しないうちに寝た。
防衛人数は少ないので、個人戦力に優れるVanguardは防衛を容易く排除し、パワージェネレーターを殴り始める。すると遠巻きに見ていたもふディーの攻撃1パーティーも便乗して殴り始めた。
「もふディー漁夫の利狙いみたいですね。Fine.とダメージレースしてうちに潰させるつもりみたいですね」
「ですね。もふディー陣地にFine.います?」
ユキカゼが先鋒に訊くと、すぐに答えが返ってきた。
「多分ほぼ全員いますね。もふもふの方に集合してます」
「自陣もふディー退きました! 自陣メンバーは防衛も含めて何人かFine.の方行ってます。修理班残しておきますか?」
「いや、修理1人だけ防衛兼ねて置いといて、あとは全員Fine.行きます! ダメージレースなんで、ここで落として残り15分で決着つけちゃいましょう」
もふディー陣地の偵察、それと自陣の防衛メンバーとのやり取りでユキカゼは大まかに作戦を立て、改めて発表する。
「みなさん、聞いてください。これからFine.に全員で突撃してそのまま破壊します。そしたらもふもふかDii Consentesの残量少ない方を攻めてすぐ落としましょう。タイマンに持ち込めば時間内には終わります!」
ユキカゼが力強く宣言しながらジェネレーターを削る中、スラストも隣で全身全霊で攻撃をしていた。
「Fine.あと3割」
「もふもふあと2割です」
「2割」
「1割」
「Fine.ミリ!」
そう叫んだ瞬間、システムメッセージが表示された。
ギルド:もふもふをギルド:Fine.が撃破────
「手を緩めないで! Dii Consentesに行ってください!」
ユキカゼの叫ぶのとほぼ同時に、再びシステムメッセージが出る。
ギルド:Fine.をギルド:Vanguardが撃破────
弾かれたようにDii Consentesの方へと向かうメンバー達。ついに一対一の状況になった。戦力的に、また戦略的にもこちらが有利だが、ジェネレーターの残りはこちらは4割弱なのに対してあちらは10割だ。時間は残り5分30秒。
Dii Consentesのパワージェネレーターに到着すると、予想通り敵の姿は見えなかった。防衛を捨てて攻撃に全員向かっているようだ。
アタッカーはアルティメットスキルを次々と使用している。タンクのアルティメットスキルは数秒間無敵になるものだが、スラストはこの集団戦で何度も使用していてまだ使えない上に、今使ってもモーションで時間を取られるだけなので、使わないで殴っていた。
「ディーあと2割です」
「自陣も2割です。このペースで!」
「残り時間2分!」
削れ具合で見るとVanguardがかなり優勢になっていた。このままいけば勝てるだろう。あとは時間との戦いだ。
「残り1分!」
本当にあと少しなのだ、削り切ってくれとスラストは祈る。
「あと30秒!」
Dii Consentesのパワージェネレーターの残りHPは見えるか見えないかというくらいまで減っている。
ギルド: Dii Consentesをギルド:Vanguardが撃破────
終了時間、22時59分48秒。
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「いやあ、お疲れ様です」
「お疲れ様です~」
「おつです」
「おつかれさまでした」
反省会は、冥華に人を送るのが少し遅かったということくらいしか意見が出ずに自然解散になった。
スラストはお疲れ様ですと言うなりログアウトし、頭から指まであるVR機器を外し、パソコンの電源を落としてすぐに寝る────そうしようとしたが、ログアウトを押す直前になってユキカゼに呼び止められた。
「スラストさん大活躍だったじゃないですか。どうです? 正式にうちに加入しませんか…………といっても断られちゃいますよね」
「まあ面倒なんで。1日3時間も拘束されるのは」
そう言って今度こそログアウトしようとしたが、またも制止された。
「正式加入しないで、演習出なくていい臨時加入のままでもいいんで。給料も出します」
「うまい話すぎないですか? 第一メンバーの人が納得するんですか」
「例のない話じゃないですよ。強ければ有りですから。今回指揮補佐と攻撃部隊やってもらって、滅茶苦茶上手いと思ったんです。戦績、たしか193キル0デスでしたよね」
スラストは、自分が廃人の中でも特に強いということはよく知っている。最強なら何をやっても許されるというのも、常日頃唱えている理論だ。なら入るしかないんじゃないか?
「全一盾なので入りますよ。臨時契約継続で」
またしても口車に乗せられていることを感じながら、臨時契約を継続することを決めた。
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