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第十九章 レインボー・エンジェル
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「……あの…俺は人を殺したんですよ!?」
「あぁ、それは聞いた。
一体、何があったんだ?」
「えっ!?」
人を殺したと話したにも関わらず、少しも怯えたり嫌がった様子のない二人に、カイルは困惑しました。
「だから…どうしてそんなことをしてしまったかってことだよ。」
「そ、それは……」
カイルの脳裏に、ミクとミュルスの生々しい姿が思い浮かび、カイルの体は小さく震えました。
「なるほど…相当におぞましいことがあったようだね。
そうでもなければ、君がそんなことをするはずがない。
もしかしたら、君は自分自身か誰かを守るために、そうしたのではないのか?」
「えっ!!」
「……図星のようだな。
君の瞳は殺人者のものじゃない。
しかも、ポセイドンに護られるような人間だ。
悪しき心を持っているはずがない。
君はやむにやまれぬ事情から、そんなことをしでかしたのだろう。
気にすることはない。
安心してここで過ごしなさい。」
「で、ですが…もしも、バリーニャの者が俺を探しに来たら…
あなた方にもご迷惑がかかるかもしれません。」
「バリーニャからここに流されて生きている人間がいる等と思う者はいないさ。
君はもう死んだと思われているだろう。」
「俺が…死んだ…と。」
カイルは、ロバートの言葉に、安堵のような失望のような、複雑な気持ちを味わいました。
「あぁ、それは聞いた。
一体、何があったんだ?」
「えっ!?」
人を殺したと話したにも関わらず、少しも怯えたり嫌がった様子のない二人に、カイルは困惑しました。
「だから…どうしてそんなことをしてしまったかってことだよ。」
「そ、それは……」
カイルの脳裏に、ミクとミュルスの生々しい姿が思い浮かび、カイルの体は小さく震えました。
「なるほど…相当におぞましいことがあったようだね。
そうでもなければ、君がそんなことをするはずがない。
もしかしたら、君は自分自身か誰かを守るために、そうしたのではないのか?」
「えっ!!」
「……図星のようだな。
君の瞳は殺人者のものじゃない。
しかも、ポセイドンに護られるような人間だ。
悪しき心を持っているはずがない。
君はやむにやまれぬ事情から、そんなことをしでかしたのだろう。
気にすることはない。
安心してここで過ごしなさい。」
「で、ですが…もしも、バリーニャの者が俺を探しに来たら…
あなた方にもご迷惑がかかるかもしれません。」
「バリーニャからここに流されて生きている人間がいる等と思う者はいないさ。
君はもう死んだと思われているだろう。」
「俺が…死んだ…と。」
カイルは、ロバートの言葉に、安堵のような失望のような、複雑な気持ちを味わいました。
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