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第十七章 真実を探しに
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「リク、ウィリアム…その後、変わりはないか?」
ミルトンが夕食の席で二人に問いました。
「はい。何もありません。」
「ハーレンスト様、僕は今日、カイルに会いました。」
「な、なんだと!?
それで…無事だったのか?」
ミルトンは、驚いた様子でウィリアムをみつめました。
「ハーレンスト様…今日、僕はカイルと話しましたが、彼は皆さんが考えられているような人ではないと思います。」
「ウィリアム…ルゼルのことを忘れたわけではあるまい?
あやつは人殺しなのだぞ。」
「わかっています。
だけど、それには理由がありました。
ミクを始めとする多くの女生徒がルゼル先生の毒牙にかかっており…それを知ったがために、カイルはそんな行動に出たのではありませんか?
人を殺したことはもちろん重罪ですが、その原因を作ったのはルゼル先生です。」
ウィリアムの言うことは確かに正論です。
ミルトンはすぐには言い返すことが出来ませんでした。
「それに…カイルは笛術を勉強したがっています。
彼は本当に笛を愛しているのだと思います。」
「父上…ウィリアムの言う通りです。
彼はみんなが思っているような悪い者ではありません。
それに…彼の笛の才能は本当に素晴らしいものです。
父上…カイルがもう一度、僕達と一緒に勉強出来るように取り計らってはいただけませんか?」
「しかし、あやつは…」
「カイルの事件のことは幸い誰も知りません。
それに、今回のことだって…彼は関係ないんですから…どうか…」
「僕からもお願いします!」
リクとウィリアムは、心を込めてミルトンにお願いしました。
「…私の一存ではどうにも出来ない。
だが、カイルに本当にその気があるのなら……一度、先生方に話してみよう。」
「本当ですか!?」
リクとウィリアムは顔を見合せ、こみ上げる嬉しさに微笑みを交わしました。
「リク、ウィリアム…その後、変わりはないか?」
ミルトンが夕食の席で二人に問いました。
「はい。何もありません。」
「ハーレンスト様、僕は今日、カイルに会いました。」
「な、なんだと!?
それで…無事だったのか?」
ミルトンは、驚いた様子でウィリアムをみつめました。
「ハーレンスト様…今日、僕はカイルと話しましたが、彼は皆さんが考えられているような人ではないと思います。」
「ウィリアム…ルゼルのことを忘れたわけではあるまい?
あやつは人殺しなのだぞ。」
「わかっています。
だけど、それには理由がありました。
ミクを始めとする多くの女生徒がルゼル先生の毒牙にかかっており…それを知ったがために、カイルはそんな行動に出たのではありませんか?
人を殺したことはもちろん重罪ですが、その原因を作ったのはルゼル先生です。」
ウィリアムの言うことは確かに正論です。
ミルトンはすぐには言い返すことが出来ませんでした。
「それに…カイルは笛術を勉強したがっています。
彼は本当に笛を愛しているのだと思います。」
「父上…ウィリアムの言う通りです。
彼はみんなが思っているような悪い者ではありません。
それに…彼の笛の才能は本当に素晴らしいものです。
父上…カイルがもう一度、僕達と一緒に勉強出来るように取り計らってはいただけませんか?」
「しかし、あやつは…」
「カイルの事件のことは幸い誰も知りません。
それに、今回のことだって…彼は関係ないんですから…どうか…」
「僕からもお願いします!」
リクとウィリアムは、心を込めてミルトンにお願いしました。
「…私の一存ではどうにも出来ない。
だが、カイルに本当にその気があるのなら……一度、先生方に話してみよう。」
「本当ですか!?」
リクとウィリアムは顔を見合せ、こみ上げる嬉しさに微笑みを交わしました。
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