左遷太守と不遜補佐 ―柳は青、花は赤―

佐竹梅子

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赤髪の花婿・16

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その言葉を契機に、赤伯は青明の体を寝台に沈ませる。
赤伯の指と唇が肌に触れる度、青明は彼の頭を撫でる。切りっぱなしにされた毛先の感触が愛おしくて、熱い吐息が漏れた。

「は……ぁ……」

帯の解かれた寝巻が乱れ、肌が露わになっていく。
柔肌に噛みつくように唇を触れさせ、やがてそれは腹部にたどり着いた。

「さっき持ち上げたとき……前よりちょっとだけ軽かったけど」

ふに、と腹の肉を摘ままれ、悲鳴に近い声をあげる。

「ちょっ、こんなときに何するんですか!」
「だって……青明の腹……なんかかわいいし」

ふわふわと腹を揉まれているうちに、なんだか変な気分になってくる。

「んっ……もう、やめ……子猫じゃ、ないんですからぁ……!」

少し余った肉をいじりながら、赤伯が臍に口づける。ぞくぞくとした痺れが肩を走り、青明は全身を突っ張らせた。

「だ、大丈夫か?」
「なんで……そんなところばかり触るんです……っ」

臍を覆う青明の指を撫で、赤伯は小さくごめんと呟く。

「腰布、外していい?」

青明は手の甲を顔に当てながら、無言でこくんと頷いた。すっかり寝巻は剥がれ、半身は腰布に包まれただけになっている。
睡眠をとる際に締め付けのない、ただ腰に巻かれただけの布に、赤伯は指をかけた。

「……え」

するりと衣擦れの音をさせ、外すと同時に赤伯が止まる。いや、ほぼ固まるに近かった。

「青明、お前……これさ」
「んっ!」

指先が、中心に近い鼠径部を撫でる。
滑らかな感触が心地よくて、赤伯は指を何度も往復させた。

「あっ、ちょっ、くすぐった……」
「びっくりした。剃ってるのか?」
「もう、どうしていちいち聞いてくるんですか」
「だって青明のこと、ちゃんと知りたいし」

本来なら体毛の生えている部分を、するすると撫で下ろしていく。
その肌が気持ち良くて、赤伯は返答を待ちながら触れた。

「……つく、ない、から」
「ん?」
「美しくない、から……そって、ます……」
「ふうん……そっか」

答えを受け止めた様子を見やると、青明はもぞもぞと赤伯の体に手を這わせた。

「赤伯さまばかり狡いです」

そう言って起き上がると、赤伯の寝巻を剥いていった。
若く瑞々しい赤伯の体には程よく筋肉がついて、訓練兵時代の浅い日焼けが月明かりに眩しい。

「あの、さ……じっと見られるのも、なんか恥ずかしいんだけど……」
「ふふ、お返しです」
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