脱走聖女は異世界で羽をのばす

ねむたん

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おや?メリーちゃんの様子が…

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水のダンジョンをさらに奥へ進んでいくリディアの前に、突然現れたのは、きらきらと光る滑り台だった。蓮の葉の終点からまっすぐに伸び、下層へと続いている。

「滑り台!?こんなの初めて見た!面白そう!」リディアの目が輝いた。滑る前にメリーちゃんをちらりと見ると、彼女も「メェ!」と元気よく鳴いて賛成しているようだ。

リディアは滑り台に飛び乗り、勢いよく滑り始めた。「わぁ、楽しいー!」風を切る爽快感に、リディアは思わず声を上げた。後ろを振り返ると、メリーちゃんも綿菓子のようなふわふわの体を揺らしながらついてきている。

滑り台の終点にたどり着くと、そこには色とりどりのボールが敷き詰められた巨大なボールプールが待ち構えていた。リディアはふわりとボールに埋もれ、思わず笑みがこぼれる。

「すごーい!こんなダンジョン、夢みたい!」メリーちゃんもボールの中で跳ねたり転がったりして楽しそうだ。リディアは手を伸ばして一緒に遊び始めた。

しかし、しばらくして先へ進もうとボールプールを抜けると、空気が一変した。軽やかな遊び場の雰囲気は消え、静まり返った通路が現れた。壁には水晶のような光を放つ装飾があり、薄暗い中にもかすかな光が揺らめいている。

リディアが警戒しながら曲がり角を進むと、目の前に広がるのは巨大な空間。そしてその中央には、黒光りする鱗に覆われた巨大なドラゴンが鎮座していた。尾が地面を叩くたびに轟音が響き、鼻息だけで空気が震える。

「…え、ドラゴン!?ここに!?」リディアは目を丸くして後ずさり、息を殺した。遊び心いっぱいだったダンジョンが一転、命の危機を感じさせる厳かな雰囲気に包まれている。

そっと壁の陰に身を隠し、メリーちゃんの柔らかい体を抱き寄せた。「どうしよう、あんなのと戦うなんて無理…でも、戻るわけにもいかないし…」小声でつぶやきながら、リディアは慎重に考えを巡らせた。

ドラゴンはまだこちらに気づいていないようだが、その巨体が発する威圧感は隠れているだけでも感じ取れる。リディアは持っているポーションを確認しながら、小さく息を吐いた。

「まずは様子を見よう…きっと何か抜け道があるはず!」自分を奮い立たせ、リディアは静かにドラゴンの気をそらす策を練り始めた。

「よぉし」

リディアは、そっと透明ポーションを取り出し、メリーちゃんにも一口分け与えた。「これで見つからないはず…メリーちゃん、行くよ」
透明になった二人は気配を消しながら、慎重にドラゴンの横を通り抜ける。

ドラゴンの視線がこちらを向かないことを確認したリディアは、ピカピカポーションを取り出して別方向へ投げつけた。
光が爆発的に輝き、ドラゴンは目を眩ませながらそちらに気を取られる。
「よし、今だ!」リディアはメリーちゃんとともに素早く巣穴へと潜り込んだ。

巣穴の中は、思いがけず美しく整頓されていた。きらびやかな宝石や黄金、そして不思議な形をした魔法アイテムが所狭しと並んでいる。
リディアは驚きながらも、ふとあるスノードームのような水晶に目を奪われた。

「これ…すごく不思議な力を感じる」
リディアが手を伸ばそうとすると、先にメリーちゃんがふわふわの毛を伸ばし、その水晶を綿菓子毛に包み込んだ。
「えっ、メリーちゃん、持ってっちゃうの!?」「メェ!」得意げに鳴くメリーちゃんを見て、リディアは苦笑しながら「まあいいか」と小声でつぶやいた。

その瞬間、リディアの持っている魔法の地図が突然動き出し、「いいものゲットおめでとう!コンプリート!」と花丸を描いた。リディアは思わず噴き出しそうになりながら、地図を握りしめた。

しかし、さらに驚くことが起こった。メリーちゃんが綿菓子毛に包んだ水晶が輝き始め、メリーちゃん自身もキラキラと発光し始めた。
光の中でその体は少しずつ大きくなり、よりふわふわで堂々とした姿へと変化していく。

光がおさまると、メリーちゃんはリディアを見上げて誇らしげに「メェ!」と鳴いた。
その瞬間、リディアの足元に暖かい風が吹き、次の瞬間には秘密基地の中に立っていた。

「えっ、転移!?メリーちゃん、あの水晶の力かな…」驚きつつも、リディアはほっとした表情を浮かべた。「でも、これで冒険はひとまず成功ね。お疲れ様、メリーちゃん」

メリーちゃんはふわふわの体を揺らしてリディアに甘えるように寄り添い、二人は秘密基地でのんびりと休息を楽しむことにした。
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