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治癒を終え、ひと息つこうと顔を上げたリディアの視界に、地を這うように迫ってくる魔物の姿が飛び込んできた。
小さな悲鳴をあげながら後ずさるも、逃げ切るには距離が近すぎる。
「どうしよう…!」
慌ててバッグをまさぐった指先に触れたのは、ニコニコポーションの瓶だった。
リディアは短い躊躇のあと、力いっぱいその瓶を魔物に向かって投げつけた。瓶は魔物の額にぶつかって割れ、中身がその頭上に降り注ぐ。
次の瞬間――魔物が震えるように動きを止めたかと思うと、ギャハハハ!と異様な声で笑い始めたのだ。
その場に転げ回り、爪を振り回すこともなく、ただただ笑い続けている姿にリディアは安堵の表情を浮かべた。
そこへ駆けつけた熊騎士が、勢いよく剣を振り下ろし、笑い転げる魔物を一撃で倒した。
息を切らせながらリディアを見た彼は、驚きと興奮が混じった声を上げた。
「はあ!?なんだそれ!便利だな!」
リディアは少し得意げに、「ニコニコポーションです。魔物にも効果があるみたいで…」と答えた。
熊騎士は一瞬考え込むような仕草を見せたあと、目を輝かせて言った。
「よし、それを群れ全体に使おう!あいつらが笑い転げてる間に、まとめて片付けてやる!」
冒険者たちに熊騎士が指示を飛ばし、リディアの手持ちのニコニコポーションが急ピッチで準備されていく。
戦場に魔法使いを送り込み、ポーションの瓶を風の魔法で吹き飛ばし、魔物たちの群れにシャワーのように降り注がせた。
魔物たちは次々に奇妙な笑い声を響かせながら、地面に転がっては動けなくなる。
普段の戦いでは考えられない異様な光景に、冒険者たちは最初こそ目を丸くしていたが、すぐにその効果を見て歓声を上げた。
「これで一気に攻め込めるぞ!」
「やったぁ!」リディアは小さくガッツポーズをして、塀の陰からその様子を見守った。熊騎士が振り返り、豪快な笑顔で親指を立てる。
「お前のポーション、最高だ!終わったらギルドに顔出せよ!」
戦いの中にも笑いが生まれる――ニコニコポーションは、リディア自身の驚きと共に、その価値を証明してみせたのだった。
魔物の脅威が去り、街は大きな安堵に包まれていた。
戦いの翌日、広場には人々が集まり、無事を祝う打ち上げの準備が進められていた。
冒険者たちも騎士団も、そして一般市民も一緒になって楽しむ、街全体が一つになるような夜だ。
リディアはポーションの売上と感謝の言葉をいくつももらい、すっかり顔がほころんでいた。
熊騎士がギルドを通じて報酬を届けてくれたのだが、その中には特別な金貨や手紙も添えられていた。
内容は、リディアのポーションがいかに役立ったか、そして街を救った功績に対する称賛だった。
「これでまたポーション作りの材料が買えるし、新しいアイデアも試せそう!」と宿屋の自室で喜ぶリディアだったが、その夜はそれどころではなかった。
広場での打ち上げに宿の店主に誘われ、ドレスアップしたリディアは、ちょっと照れながら街の夜に繰り出したのだ。
広場は赤や金色のランタンで飾られ、屋台がずらりと並び、人々の笑顔があふれている。音楽が流れ、ダンスを楽しむ人たちの姿もある。
リディアが目を輝かせながら歩いていると、どこからか聞き覚えのある声がした。
「リディア!ここよ!」
声の主はアラニスだった。リディアの姿を見つけると、彼女はスカートを軽く翻してこちらへ駆け寄ってきた。
その手には、特製のキャンディが山盛り入った袋が握られている。
「アラニスさん!」
リディアも嬉しそうに駆け寄り、二人は自然と笑顔で向き合った。
「あなたのポーション、本当に街を救ったのね。すごいわ!」
アラニスは満面の笑みでそう言いながら、リディアの手をぎゅっと握った。「でも、あの後本当に無事だったか心配してたのよ」
「うん、大丈夫だったよ。ポーションも役に立ったし、あの熊みたいな騎士さんがすごく頼りになってね…」
リディアは戦いの時の話を夢中で語った。アラニスはその話を真剣に聞きながら、途中でクスクスと笑った。
「熊みたいな騎士って、あの頼れるおじさまね?それにしても、あなたが作るポーションはどれも愉快で最高ね。戦いの中でも笑いが生まれるなんて、なかなかないわよ」
「ありがとう!」リディアは少し照れたように微笑んだ。「でも私、もっともっと面白くて役に立つポーションを作りたいの。たとえば…」
リディアが新しいアイデアを語り始めると、アラニスも楽しそうに耳を傾けた。
二人はそのまま夜の広場を一緒に歩きながら、お互いの夢や日常について話を弾ませた。
最後に、アラニスがリディアに自分のキャンディを一つ差し出しながら言った。
「これはね、特別な味なの。きっとリディアにぴったりだと思うわ」
リディアが一口かじると、ほのかな甘さとともに不思議な花の香りが口いっぱいに広がった。
それはなんとも優しい味で、彼女は思わず笑みをこぼした。
「アラニスさん、ありがとう。これ、すごく素敵な味だね」
「あなたのポーションみたいに、私も誰かを笑顔にできたらと思ってるの。だから、お互いもっと頑張りましょうね」
二人の笑い声が広場の喧騒に溶け込む。
街の夜空には大きな花火が打ち上がり、煌めく光がリディアとアラニスの未来を祝福しているようだった。
小さな悲鳴をあげながら後ずさるも、逃げ切るには距離が近すぎる。
「どうしよう…!」
慌ててバッグをまさぐった指先に触れたのは、ニコニコポーションの瓶だった。
リディアは短い躊躇のあと、力いっぱいその瓶を魔物に向かって投げつけた。瓶は魔物の額にぶつかって割れ、中身がその頭上に降り注ぐ。
次の瞬間――魔物が震えるように動きを止めたかと思うと、ギャハハハ!と異様な声で笑い始めたのだ。
その場に転げ回り、爪を振り回すこともなく、ただただ笑い続けている姿にリディアは安堵の表情を浮かべた。
そこへ駆けつけた熊騎士が、勢いよく剣を振り下ろし、笑い転げる魔物を一撃で倒した。
息を切らせながらリディアを見た彼は、驚きと興奮が混じった声を上げた。
「はあ!?なんだそれ!便利だな!」
リディアは少し得意げに、「ニコニコポーションです。魔物にも効果があるみたいで…」と答えた。
熊騎士は一瞬考え込むような仕草を見せたあと、目を輝かせて言った。
「よし、それを群れ全体に使おう!あいつらが笑い転げてる間に、まとめて片付けてやる!」
冒険者たちに熊騎士が指示を飛ばし、リディアの手持ちのニコニコポーションが急ピッチで準備されていく。
戦場に魔法使いを送り込み、ポーションの瓶を風の魔法で吹き飛ばし、魔物たちの群れにシャワーのように降り注がせた。
魔物たちは次々に奇妙な笑い声を響かせながら、地面に転がっては動けなくなる。
普段の戦いでは考えられない異様な光景に、冒険者たちは最初こそ目を丸くしていたが、すぐにその効果を見て歓声を上げた。
「これで一気に攻め込めるぞ!」
「やったぁ!」リディアは小さくガッツポーズをして、塀の陰からその様子を見守った。熊騎士が振り返り、豪快な笑顔で親指を立てる。
「お前のポーション、最高だ!終わったらギルドに顔出せよ!」
戦いの中にも笑いが生まれる――ニコニコポーションは、リディア自身の驚きと共に、その価値を証明してみせたのだった。
魔物の脅威が去り、街は大きな安堵に包まれていた。
戦いの翌日、広場には人々が集まり、無事を祝う打ち上げの準備が進められていた。
冒険者たちも騎士団も、そして一般市民も一緒になって楽しむ、街全体が一つになるような夜だ。
リディアはポーションの売上と感謝の言葉をいくつももらい、すっかり顔がほころんでいた。
熊騎士がギルドを通じて報酬を届けてくれたのだが、その中には特別な金貨や手紙も添えられていた。
内容は、リディアのポーションがいかに役立ったか、そして街を救った功績に対する称賛だった。
「これでまたポーション作りの材料が買えるし、新しいアイデアも試せそう!」と宿屋の自室で喜ぶリディアだったが、その夜はそれどころではなかった。
広場での打ち上げに宿の店主に誘われ、ドレスアップしたリディアは、ちょっと照れながら街の夜に繰り出したのだ。
広場は赤や金色のランタンで飾られ、屋台がずらりと並び、人々の笑顔があふれている。音楽が流れ、ダンスを楽しむ人たちの姿もある。
リディアが目を輝かせながら歩いていると、どこからか聞き覚えのある声がした。
「リディア!ここよ!」
声の主はアラニスだった。リディアの姿を見つけると、彼女はスカートを軽く翻してこちらへ駆け寄ってきた。
その手には、特製のキャンディが山盛り入った袋が握られている。
「アラニスさん!」
リディアも嬉しそうに駆け寄り、二人は自然と笑顔で向き合った。
「あなたのポーション、本当に街を救ったのね。すごいわ!」
アラニスは満面の笑みでそう言いながら、リディアの手をぎゅっと握った。「でも、あの後本当に無事だったか心配してたのよ」
「うん、大丈夫だったよ。ポーションも役に立ったし、あの熊みたいな騎士さんがすごく頼りになってね…」
リディアは戦いの時の話を夢中で語った。アラニスはその話を真剣に聞きながら、途中でクスクスと笑った。
「熊みたいな騎士って、あの頼れるおじさまね?それにしても、あなたが作るポーションはどれも愉快で最高ね。戦いの中でも笑いが生まれるなんて、なかなかないわよ」
「ありがとう!」リディアは少し照れたように微笑んだ。「でも私、もっともっと面白くて役に立つポーションを作りたいの。たとえば…」
リディアが新しいアイデアを語り始めると、アラニスも楽しそうに耳を傾けた。
二人はそのまま夜の広場を一緒に歩きながら、お互いの夢や日常について話を弾ませた。
最後に、アラニスがリディアに自分のキャンディを一つ差し出しながら言った。
「これはね、特別な味なの。きっとリディアにぴったりだと思うわ」
リディアが一口かじると、ほのかな甘さとともに不思議な花の香りが口いっぱいに広がった。
それはなんとも優しい味で、彼女は思わず笑みをこぼした。
「アラニスさん、ありがとう。これ、すごく素敵な味だね」
「あなたのポーションみたいに、私も誰かを笑顔にできたらと思ってるの。だから、お互いもっと頑張りましょうね」
二人の笑い声が広場の喧騒に溶け込む。
街の夜空には大きな花火が打ち上がり、煌めく光がリディアとアラニスの未来を祝福しているようだった。
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