あの味噌汁の温かさ、焼き魚の香り、醤油を使った味付け——異世界で故郷の味をもとめてつきすすむ!

ねむたん

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長い旅路

第23話 カレーライスの香り

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第23話 カレーライスの香り

アリアスは甲板の一角に設けられた簡易キッチンで、大きな鍋に向かっていた。前世の記憶から、船といえばカレーライスだと思い立ち、船員たちのために作ることに決めたのだ。料理用の大きな鍋に熱した油を注ぎ、玉ねぎを炒め始めると、次第に香ばしい匂いが漂い始めた。

「さて、今日はみんなに元気を与えるカレーライスだよ。」アリアスは自分に言い聞かせるように呟くと、続けて切り込む作業を始めた。前世で幾度も作ったカレーライス。料理の腕前を活かして、今度は船乗りたちに満足してもらえるような一皿を作りたいという気持ちがこみ上げてきた。

玉ねぎがいい色に炒め上がったところで、魚の干物や牡蠣を適当な大きさに切り分け、鍋に投入する。その香りが船上を包み込み、風に乗って漂っていく。「いい匂い…」アリアスはにっこりと微笑みながら、スパイスをひと振り、もう一度火を強めた。

鍋の中で、具材とスパイスが絡み合いながら、カレーの色が徐々に深みを増していく。その匂いに誘われるように、甲板で作業を終えたカリムとザイドがやって来た。

「お、アリアス、もうできたのか?」カリムが目を輝かせながら声をかける。汗を拭い、疲れた顔にわずかな期待が混じっているのが分かる。ザイドも、肩で息をしながら歩み寄り、アリアスの作業に注目した。

「まだもう少しだよ。」アリアスは振り返りながら言った。鍋の中のカレーを一度混ぜ、次に入れるべき材料を考えていた。「魚の干物や牡蠣が入ると、いい具合に旨味が出るんだ。」カリムはその言葉に驚きながら、「魚のカレーって、ちょっと新鮮だな!」と笑った。

「楽しみだな、いい匂いだ。」ザイドは思わず唸るように言いながら、空腹を感じて手を胸に当てた。

「もうちょっとでできるから、待っててね。」アリアスは優しく言った。鍋をかき混ぜながら、少しずつ火を通し、香りを確かめる。

しばらくして、アリアスは「よし、もうすぐだよ。」と声を上げ、カリムとザイドに振り返った。「あとはご飯を炊いたら、みんなで食べられるね。」彼女は嬉しそうに笑った。

その後、アリアスは大鍋で炊いたご飯を盛り、カレーをたっぷりとかける。船員たちが集まり始め、アリアスの手際よく作られた料理に歓声を上げた。「ありがとう、アリアス!」と船員たちは次々にお礼を言いながら、嬉しそうに皿を受け取る。

カリムとザイドも、ようやく香りと共に出来上がったカレーライスに手を伸ばした。「待ちきれない!」カリムは嬉しそうに言い、ザイドも少し照れくさそうに微笑んだ。

その瞬間、全員の顔に笑顔が広がり、船の上は温かい雰囲気に包まれていた。
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