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二度目の帰還
狐と犬と
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❋本編の、ルーファスが湖に沈んだ後辺りの話になります❋
*菊花視点*
『───何故……お前が居るの!?』
千代様に呼ばれて来てみれば……そこには何故か、私の天敵である黒妖犬の─深影が居た。
『菊花、久し振りだな。お前……やらかしたそうだな?』
ニヤニヤと笑う深影。
ー本当に嫌な奴だー
何故こいつがここに居るのか──いや、居てもおかしくはない。この深影も、私と同じ千代様の眷属の1人だから。ただ、狐妖怪の私にとっては唯一の弱点となる犬─の妖怪だから、普段は殆ど顔を合わせる事は無い。
年に一度の千代様主催の新年の宴の時は流石に顔を合わせるが、その度に何かとちょっかいを掛けられて……本当にウンザリする。
『私がやらかした─として、深影には関係無いでしょう?』
『関係無い─ねぇ………』
と、深影が目を細めて呟いた時──
『そうも言ってられないでしょう?』
『千代様!?』
ニッコリ微笑んでいる千代様。
ー嫌な予感しかしないー
『今回のお前の失態は、油断した上の犬だったわね?』
『………はい』
『それで……志乃とルーファスがどうなったのかしら?』
『…………』
『弱点を克服する為に、暫くの間、深影と共に行動しなさい。』
『な──────っ』
『菊花。返事は“はい”か“分かりました”か“承知しました”だけよ。』
『────分かり……ました』
こうして、暫くの間、私は天敵である黒妖犬の深影と行動を共にする事になった。
と言っても、朝から昼過ぎ頃迄はルーファスの勉強会があり、その間は別行動となる為、実際共にするのはそれからとなる──が…。
『あの“馬鹿騎士”とやらの、初めての行脚なのか?』
『そうよ。』
今日、ようやく、あの馬鹿騎士─志乃様を魔犬の餌にした奴を“丑三つ時行脚”に送り出す事になったのだ。
あのアリシアは、食べられる寸前で助けたが──この馬鹿騎士は、食べさせても良いか─と思っている。
志乃様を餌にして食べさせようとした上、実際にルーファスが噛み付かれたから。
別に、ルーファスの仕返しに─と言う意味ではなく、それによって志乃様が辛い思いをしたからだ。
“因果応報”だ──
妖の路に落ちている赤色、青色、紫色のビー玉を拾って来る事。
緑色のビー玉は拾わない事。
2時から2時半迄の30分の間に済ませて、元の路を戻って帰って来る事。でなければ、こちら側には帰って来れないから。
人間だとバレると妖に食べられるから、バレないように妖術を掛けるが、声を出すとその妖術が解ける事。
アリシアと同じ条件で、馬鹿騎士を“丑三つ時行脚”へと送り出した。
しかし、あの馬鹿騎士は…やってくれた。
赤色と青色と緑色のビー玉を拾い、紫色のビー玉は踏み付けて粉々にしたのだ。
声を出す事も無かったから戻っては来たが、『色が違う』と、再び妖の路へと送り出した。その時、既に2時半を過ぎていたから、私が掛けていた“認識阻害”の妖術は解けていて、妖の路に入った途端、そこに居た妖達に───噛み付かれた。
「ゔあぁぁぁぁ──────っ!助けっっ─」
『…………ふんっ』
パチンッ──
思う存分噛み付かれて気を失ったのを確認してから、ようやく呼び戻した。
『殺ってはイケナイのが…残念だわ』
目の前で気を失っている馬鹿騎士を見ながら呟くと
『簡単に殺っても、コイツが楽なだけだろう?』
ーそれも……そうかー
『で?今日はコレで終わりか?』
『えぇ。取り敢えず、今日はコレで終わりね。』
『じゃあ、コイツ……俺が預って良い?』
『え?良い…けど……』
と返事をすると、深影は『ありがとう』と微笑みながら、その馬鹿騎士と共に転移して行った。
*深影視点*
『おい、いつまで寝てんだ?』
ガツンッ─と、寝転んでいる馬鹿のお腹を踏み付けると「ゔ──っ」と呻き声をあげながら目を開けた。
そいつの髪を掴んで、顔を上げさせて視線を合わせる。
『お前さぁ……誰に手を出したか…分かってる?』
「誰って──女…まど──ゔっ」
掴んでいる髪を、更に力を入れて握り締める。
確かに、未だアイリーン様の愛し子のままであり、千代様の愛し子となる予定の志乃様に手を出した。それはそれで問題アリだが──
コイツが操っていた魔犬が、菊花にも手を出したのだ。
俺の可愛い菊花に───
本当に菊花は可愛い。アレで、いつも俺を威嚇している気になっているのだ。まだ、蚊に刺された方が痛いかもしれない─とは、菊花には言わない。
『兎に角、俺ね、俺のモノに手を出されるのが……一番赦せないんだよね……左肩だっけ?』
「え?あ゙─────っ!?」
菊花によって、妖達に噛み付かれた痕はきれいサッパリ治っていたが、左肩にだけ傷を戻す。
『ルーファスが噛み付かれたのは、左肩だったな?』
ルーファスが噛み付かれ、それによって、菊花が大切にしている志乃様が辛い思いをした─と、悔いていた菊花。そのお礼をしないとなぁ?
『その左肩の傷は、俺の赦しが無い限り完治する事は無い。昼間は“傷痕”のようになり痛みも無いが、日が沈み夜が訪れると、またその傷から血が流れて痛みを伴う。』
「──なっ……」
馬鹿騎士は、痛みからなのか恐怖からなのかは分からないが、顔色を悪くしてガタガタと震えている。
『誰も、お前を哀れんだり助けてくれる者など居ないからな?お前が、ウィステリア様を魔犬の餌とした時に、お前は人間ではなくなり、お前の運命が決まったんだよ。』
菊花は優しい。
千代様は、菊花が犬に慣れるようにと妖犬である俺を呼び寄せたと言っていたが──
おそらく、俺がこう言う行動を取るだろうと予測していたんだろう。
ー俺が、菊花を気に入っている事に気付いているしー
本当に、千代様は計算高い主だ。まぁ、それだけ、今回の事はキレている─と言う事だろう。そんな主の思惑に、有難く便乗させてもらう。
『生きて………向こう側に還れると…良いな?』
「───っ!」
パッ─と髪を掴んでいた手を離すと、馬鹿騎士は血の滲んでいる左肩を押さえながら、床に崩れ落ちた。
翌日──
『深影、今日は…機嫌が良いのね?』
『ん?そう──かもな。』
『?』
眉間に皺を寄せながら、不思議そうな顔で俺に威嚇をしているつもりの菊花が、今日も本当に可愛らしい。
ーさて、この狐をどうしてやろうか?ー
と思いながら、俺は取り敢えず、今日も可愛い菊花を見守る事にした。
『菊花も、質の悪い深影に好かれてしまったわね』
と、千代はこっそり呟いた。
*菊花視点*
『───何故……お前が居るの!?』
千代様に呼ばれて来てみれば……そこには何故か、私の天敵である黒妖犬の─深影が居た。
『菊花、久し振りだな。お前……やらかしたそうだな?』
ニヤニヤと笑う深影。
ー本当に嫌な奴だー
何故こいつがここに居るのか──いや、居てもおかしくはない。この深影も、私と同じ千代様の眷属の1人だから。ただ、狐妖怪の私にとっては唯一の弱点となる犬─の妖怪だから、普段は殆ど顔を合わせる事は無い。
年に一度の千代様主催の新年の宴の時は流石に顔を合わせるが、その度に何かとちょっかいを掛けられて……本当にウンザリする。
『私がやらかした─として、深影には関係無いでしょう?』
『関係無い─ねぇ………』
と、深影が目を細めて呟いた時──
『そうも言ってられないでしょう?』
『千代様!?』
ニッコリ微笑んでいる千代様。
ー嫌な予感しかしないー
『今回のお前の失態は、油断した上の犬だったわね?』
『………はい』
『それで……志乃とルーファスがどうなったのかしら?』
『…………』
『弱点を克服する為に、暫くの間、深影と共に行動しなさい。』
『な──────っ』
『菊花。返事は“はい”か“分かりました”か“承知しました”だけよ。』
『────分かり……ました』
こうして、暫くの間、私は天敵である黒妖犬の深影と行動を共にする事になった。
と言っても、朝から昼過ぎ頃迄はルーファスの勉強会があり、その間は別行動となる為、実際共にするのはそれからとなる──が…。
『あの“馬鹿騎士”とやらの、初めての行脚なのか?』
『そうよ。』
今日、ようやく、あの馬鹿騎士─志乃様を魔犬の餌にした奴を“丑三つ時行脚”に送り出す事になったのだ。
あのアリシアは、食べられる寸前で助けたが──この馬鹿騎士は、食べさせても良いか─と思っている。
志乃様を餌にして食べさせようとした上、実際にルーファスが噛み付かれたから。
別に、ルーファスの仕返しに─と言う意味ではなく、それによって志乃様が辛い思いをしたからだ。
“因果応報”だ──
妖の路に落ちている赤色、青色、紫色のビー玉を拾って来る事。
緑色のビー玉は拾わない事。
2時から2時半迄の30分の間に済ませて、元の路を戻って帰って来る事。でなければ、こちら側には帰って来れないから。
人間だとバレると妖に食べられるから、バレないように妖術を掛けるが、声を出すとその妖術が解ける事。
アリシアと同じ条件で、馬鹿騎士を“丑三つ時行脚”へと送り出した。
しかし、あの馬鹿騎士は…やってくれた。
赤色と青色と緑色のビー玉を拾い、紫色のビー玉は踏み付けて粉々にしたのだ。
声を出す事も無かったから戻っては来たが、『色が違う』と、再び妖の路へと送り出した。その時、既に2時半を過ぎていたから、私が掛けていた“認識阻害”の妖術は解けていて、妖の路に入った途端、そこに居た妖達に───噛み付かれた。
「ゔあぁぁぁぁ──────っ!助けっっ─」
『…………ふんっ』
パチンッ──
思う存分噛み付かれて気を失ったのを確認してから、ようやく呼び戻した。
『殺ってはイケナイのが…残念だわ』
目の前で気を失っている馬鹿騎士を見ながら呟くと
『簡単に殺っても、コイツが楽なだけだろう?』
ーそれも……そうかー
『で?今日はコレで終わりか?』
『えぇ。取り敢えず、今日はコレで終わりね。』
『じゃあ、コイツ……俺が預って良い?』
『え?良い…けど……』
と返事をすると、深影は『ありがとう』と微笑みながら、その馬鹿騎士と共に転移して行った。
*深影視点*
『おい、いつまで寝てんだ?』
ガツンッ─と、寝転んでいる馬鹿のお腹を踏み付けると「ゔ──っ」と呻き声をあげながら目を開けた。
そいつの髪を掴んで、顔を上げさせて視線を合わせる。
『お前さぁ……誰に手を出したか…分かってる?』
「誰って──女…まど──ゔっ」
掴んでいる髪を、更に力を入れて握り締める。
確かに、未だアイリーン様の愛し子のままであり、千代様の愛し子となる予定の志乃様に手を出した。それはそれで問題アリだが──
コイツが操っていた魔犬が、菊花にも手を出したのだ。
俺の可愛い菊花に───
本当に菊花は可愛い。アレで、いつも俺を威嚇している気になっているのだ。まだ、蚊に刺された方が痛いかもしれない─とは、菊花には言わない。
『兎に角、俺ね、俺のモノに手を出されるのが……一番赦せないんだよね……左肩だっけ?』
「え?あ゙─────っ!?」
菊花によって、妖達に噛み付かれた痕はきれいサッパリ治っていたが、左肩にだけ傷を戻す。
『ルーファスが噛み付かれたのは、左肩だったな?』
ルーファスが噛み付かれ、それによって、菊花が大切にしている志乃様が辛い思いをした─と、悔いていた菊花。そのお礼をしないとなぁ?
『その左肩の傷は、俺の赦しが無い限り完治する事は無い。昼間は“傷痕”のようになり痛みも無いが、日が沈み夜が訪れると、またその傷から血が流れて痛みを伴う。』
「──なっ……」
馬鹿騎士は、痛みからなのか恐怖からなのかは分からないが、顔色を悪くしてガタガタと震えている。
『誰も、お前を哀れんだり助けてくれる者など居ないからな?お前が、ウィステリア様を魔犬の餌とした時に、お前は人間ではなくなり、お前の運命が決まったんだよ。』
菊花は優しい。
千代様は、菊花が犬に慣れるようにと妖犬である俺を呼び寄せたと言っていたが──
おそらく、俺がこう言う行動を取るだろうと予測していたんだろう。
ー俺が、菊花を気に入っている事に気付いているしー
本当に、千代様は計算高い主だ。まぁ、それだけ、今回の事はキレている─と言う事だろう。そんな主の思惑に、有難く便乗させてもらう。
『生きて………向こう側に還れると…良いな?』
「───っ!」
パッ─と髪を掴んでいた手を離すと、馬鹿騎士は血の滲んでいる左肩を押さえながら、床に崩れ落ちた。
翌日──
『深影、今日は…機嫌が良いのね?』
『ん?そう──かもな。』
『?』
眉間に皺を寄せながら、不思議そうな顔で俺に威嚇をしているつもりの菊花が、今日も本当に可愛らしい。
ーさて、この狐をどうしてやろうか?ー
と思いながら、俺は取り敢えず、今日も可愛い菊花を見守る事にした。
『菊花も、質の悪い深影に好かれてしまったわね』
と、千代はこっそり呟いた。
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