二度目の召喚なんて、聞いてません!

みん

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二度目の召喚

バーミリオンとウィステリア

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「「リア!?」」

「お久し振りです」



“バーミリオンと魔導士達の調整がとれた”

と連絡が来たのは、あれから1週間後の事だった。その日と言うのが、魔導士達だけでバーミリオンさんとエラさんの婚姻祝いで飲み会をする─と言う日だった。

『お祝いなら、お赤飯ですね!』

と、何故かキッカさんが前夜から張り切ってお赤飯を用意していた。時々「ここは日本だっけ?」と言う錯覚に陥るのは仕方無いと思う。

そうして、キッカさんお手製のお赤飯と、イチコとニコお手製の紅白饅頭を携えて魔導士棟へとやって来た。



「わーウィステリアさんだ!」
「え!?何で居るの!?」
「何何?お帰りーなの?」

バーミリオンさんとエラさんに続いて、魔導士の人達も最初は驚いていたけど、喜んで迎え入れてくれた。

ーやっぱり、魔導士の人達はホッとするなー

取り敢えず、バーミリオンさんには「また後で説明しますね」とだけ言って、魔導士の人達には「イレギュラーな事が起きてしまって、暫くこちらでお世話になります。」と説明した。

どうしても王女であるアリシア様が絡んだ召還だった為、本当の事が言えないのが…何とも……。

「あれから4年か……でも、リアはあまり変わってないな?何なら、若返ってる?」

「あ、私、4年前に還った時に召還された時の年齢に戻ったから、先輩──バーミリオンさんより三つ年下になってます。」

「マジで若返ってたのか!」

何故か、笑いながら頭をワシャワシャと撫でられ、エラさんには「リアにまた会えて嬉しいよ」と言われて、ギュッと抱きしめられた。








「バーミリオンさん、これ、私とキッカさんからのお祝いです!」と、お赤飯と紅白饅頭を差し出せば、やっぱり「懐かしいな!」と言って、喜んでもらえました。この世界にもお米はあるみたいだけど、日本のように主食として食べる事はない。

勿論、今回も紅白饅頭は、イチコとニコが頑張って沢山作ってくれたから、魔導士達と一緒に食べました。

それから、夕方から魔導士32人全員+私とキッカさん参加のお祝いの飲み会が始まった。
どうやら、バーミリオンさんとエラさんは、既に結婚していて一緒に住んでいるそうだ。
他の魔導士からは、2人がどれだけラブラブなのかを教えてもらった。

ーバーミリオンさんとエラさんが、幸せそうで良かったー



皆が盛り上がって来た頃「少し良いか?」とバーミリオンさんに声を掛けられて、私とバーミリオンさんは、盛り上がっている皆から少し離れた席に移動して、2人だけで腰を下ろした。

「それで?何でまた…こっちに来たんだ?」

アレサンドル様には許可をもらっているから、バーミリオンさんだけには全て話をした。





「なるほど…あの王女様がね……」

一般的には“公務の一切を取り止め、療養の為王家所有の離宮に居を移した”事になっている。
第一王女アリシア様は、浄化の旅に参加した聖女と言う事で、同じ聖女であるエメラルドと共に、国民には人気があるのだそうだ。

そんな人気のあるアリシア様が、(実際は死んではないけど)1人の魔導士を死に追いやってまで私を再召還した─何て事は……言えないだろう。

「リアは…アリシア様と………エメラルドの事は、どう思ってるんだ?」

「………正直に言うと……どうでも良いと言うか…。アリシア様については、謝罪されても受け入れる事も赦す事もできないと思う。ある意味、運良く命はあったけど、アリシア様の自分勝手な思惑で、私は死んでたかもしれないし、それ以上に最悪な事になる可能性もあったから。」

一般的に想像すると、女性が売られて買われた場合、女性の尊厳を傷付けるような行いをされていたかもしれないのだ。

「エメラルドに関しては、よく分からない。まともに喋った事もないし、向こうが私の事を嫌っているなら、私から会いに行こうとか、歩み寄ろうとかは……思わないから。」

確かに、私には同じ魔導士のバーミリオンさんやエラさんが居たお陰で頑張れた。エメラルドは1人だったかもしれないけど、じゃあ、アズールさんは?アズールさんだって騎士として1人で頑張っていたし、何かとバーミリオンさんとは時間があれば情報交換?のような事はしていたらしい。そう。他人ひとの事は言えないけど、連絡を取ろうと思えば取れたのだ。アレサンドル様にでも相談すれば、必ず会えただろうし、何とかしてくれてた筈だ。

「結局は、選んだのはエメラルド本人で、エメラルドにとっては私……私達よりアリシア様が大切だったって事ですよね?私もお人好しじゃないから…私から何かをするつもりは……ないんですよね…」

ーこんな私に、先輩は幻滅する?ー

「うん。それで良いんじゃない?無理に歩み寄る必要はないだろう。最初に俺達…ウィステリアをのは、エメラルドなんだ。」

どうやら、先輩もエメラルドに対しては、色々と思うところはあったようだ。





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