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43 帰還
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❋本日、2話目の投稿になります❋
**上条結星視点**
私が日本に還って来たのは、メグの召還に巻き込まれた日から1週間経った日だった。服装は何故か制服で、顔と左足に負った傷はそのままで、気を失って血まみれの状態で発見された私は、救急車で病院へと運ばれた。
そして、その病院で知らされたのは、頬の傷は痕が残ると言う事と、私は未知の毒に侵されていて、現在ある薬や治療法では解毒ができない為、体が不自由になるだろう─と言う事だった。
ガシャンッ──
「痛い!薬なんて全く効いてない!」
「結星、落ち着いて…」
「落ち着ける訳ないじゃない!この痛み…ママに……誰にも分からないから!」
毎日1日中体が痺れていて、時には激痛を伴う為、学校に行く事もできなくなった。パートをしていたママも休んで家に居てくれてはいるけど、少しも効かない薬を飲まされて、痛みと痺れで飲み込むのがやっとのご飯を私に食べさせるだけで、何の役にも立たなくてイライラする。
日本に帰って来れたら、こんな小さな怪我なんてすぐに治ると思っていた。頬の傷も、ほんの掠り傷程度だったから、傷痕が残るなんて思ってもみなかった。
「結星、1週間の間どこで何をしていて何があったの?本当に、何も覚えてないの?」
「っ!覚えてないって言ってるよね!?ママは…私が信じられないの!?」
「信じているけど……でも………ごめんなさい、結星…」
「もういい!部屋から出て行って!
「分かったわ……」
ママが私の部屋から出て行き、部屋の扉がパタンと閉じられた。
「本当の事なんて…言える訳ないじゃない…」
一番驚いたのは、“九十九恵”と言う人間が、存在していなかった事になっていた事だった。
そんな恵と一緒に異世界に召還されて、最後には魔獣の毒に侵されて強制送還された─なんて言ったら、私は精神病者扱いされてしまう。最悪なのは、私が気を失っている間に色んな検査をして、色んな事がバレてしまった事だ。
実際、私は2年ユーグレイシアに居た。その間、私はそれなりに楽しく遊んでいたのだ。妊娠なんてしていなかったけど、その事も問題を大きくしてしまっている要因の一つだ。
学校の友達も、最初は私の事を心配してくれてお見舞いにも来てくれていたけど、今ではたまに○ineが来るぐらいで、私の事を哀れんだようにしつつも面白おかしく話を広げている。そうなれば、元気になったところで学校に行けるかどうか……。
「何で…私ばっかり……っ」
『自分がした事が自分に返って来ただけだから、仕方無いよね?』
「────違う!私は……何も悪くない!」
『…良かったじゃないか。元の世界に戻れるなら、そこにはお前に寄り添ってくれる者達が居るのだろう?』
「…………」
今だけだ。この体中にある痺れや痛みも、そのうち治まって学校に行けるようになれば、また皆も私の周りに集まってくれるわ。だって、私は何も悪い事なんてしてないんだから───
それから、1ヶ月、3ヶ月、半年………1年経っても体から毒が抜ける事も薬が効く事もなく、私には痺れと痛みに耐える日々だけが続いて行った。頬にも傷痕が残ったままで、その傷痕すら、体調が悪い時にはチクチクと痛みを伴い、引き攣る事もある。
そして、私はそのまま一度も学校に行く事もないまま卒業を迎えてしまった。
ーこれからもずっと……このままなの…かなぁ?ー
後悔したところで、今更反省したところで
もう、何も変わらないだろう───
**上条結星視点**
私が日本に還って来たのは、メグの召還に巻き込まれた日から1週間経った日だった。服装は何故か制服で、顔と左足に負った傷はそのままで、気を失って血まみれの状態で発見された私は、救急車で病院へと運ばれた。
そして、その病院で知らされたのは、頬の傷は痕が残ると言う事と、私は未知の毒に侵されていて、現在ある薬や治療法では解毒ができない為、体が不自由になるだろう─と言う事だった。
ガシャンッ──
「痛い!薬なんて全く効いてない!」
「結星、落ち着いて…」
「落ち着ける訳ないじゃない!この痛み…ママに……誰にも分からないから!」
毎日1日中体が痺れていて、時には激痛を伴う為、学校に行く事もできなくなった。パートをしていたママも休んで家に居てくれてはいるけど、少しも効かない薬を飲まされて、痛みと痺れで飲み込むのがやっとのご飯を私に食べさせるだけで、何の役にも立たなくてイライラする。
日本に帰って来れたら、こんな小さな怪我なんてすぐに治ると思っていた。頬の傷も、ほんの掠り傷程度だったから、傷痕が残るなんて思ってもみなかった。
「結星、1週間の間どこで何をしていて何があったの?本当に、何も覚えてないの?」
「っ!覚えてないって言ってるよね!?ママは…私が信じられないの!?」
「信じているけど……でも………ごめんなさい、結星…」
「もういい!部屋から出て行って!
「分かったわ……」
ママが私の部屋から出て行き、部屋の扉がパタンと閉じられた。
「本当の事なんて…言える訳ないじゃない…」
一番驚いたのは、“九十九恵”と言う人間が、存在していなかった事になっていた事だった。
そんな恵と一緒に異世界に召還されて、最後には魔獣の毒に侵されて強制送還された─なんて言ったら、私は精神病者扱いされてしまう。最悪なのは、私が気を失っている間に色んな検査をして、色んな事がバレてしまった事だ。
実際、私は2年ユーグレイシアに居た。その間、私はそれなりに楽しく遊んでいたのだ。妊娠なんてしていなかったけど、その事も問題を大きくしてしまっている要因の一つだ。
学校の友達も、最初は私の事を心配してくれてお見舞いにも来てくれていたけど、今ではたまに○ineが来るぐらいで、私の事を哀れんだようにしつつも面白おかしく話を広げている。そうなれば、元気になったところで学校に行けるかどうか……。
「何で…私ばっかり……っ」
『自分がした事が自分に返って来ただけだから、仕方無いよね?』
「────違う!私は……何も悪くない!」
『…良かったじゃないか。元の世界に戻れるなら、そこにはお前に寄り添ってくれる者達が居るのだろう?』
「…………」
今だけだ。この体中にある痺れや痛みも、そのうち治まって学校に行けるようになれば、また皆も私の周りに集まってくれるわ。だって、私は何も悪い事なんてしてないんだから───
それから、1ヶ月、3ヶ月、半年………1年経っても体から毒が抜ける事も薬が効く事もなく、私には痺れと痛みに耐える日々だけが続いて行った。頬にも傷痕が残ったままで、その傷痕すら、体調が悪い時にはチクチクと痛みを伴い、引き攣る事もある。
そして、私はそのまま一度も学校に行く事もないまま卒業を迎えてしまった。
ーこれからもずっと……このままなの…かなぁ?ー
後悔したところで、今更反省したところで
もう、何も変わらないだろう───
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