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8 復活
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第二次成長期による高熱は3日続き、その後は身体中がギシギシと痛みを訴え……1週間してようやく落ち着いた。
「成長期なんて、もう要らない……」
「大丈夫よ、成長期は2回だけだから。でも、本当に大変だったわね…」
よしよし─と、私の頭を撫でてくれるのは、二つ年上のクレアお姉様。クロエお姉様とは双子だ。黒色の髪と瞳で、見た目ソックリな双子だけど性格は全く違う。クレアお姉様は物静かな性格だ。
「体力は落ちてるから、1週間は安静にと言っていたわ」
「動きなさいと言われても動けない…」
まさか、2週間も学校を休む事になるとは思わなかった。
「そうそう、リュシーが寝込んでいる間に、手紙とかお見舞いの品が届いていたから、持って来てもらうわね」
「クレアお姉様、ありがとう」
頂いた手紙やお見舞いの品を一つずつ確認していくと、モニカからは3通の手紙が届いていた。どれも私を心配する話から始まり、最後は“リュシーが居ないと寂しいわ”で締め括られている。復活したら、真っ先にモニカに会いに行こう。
それから、なんと、リリアーヌ様からの手紙もあった。リリアーヌ様は、やっぱり字もキレイだ。
「ん?」
そのリリアーヌ様の次の手紙から、心地いい香がした。
ー手紙に香水でも掛けてるのかなぁ?ー
「───え!?」
その手紙は、ヴェルティル様からだった。
手紙の封を切って開けると、更に爽やかな香が広がった。そして、やっぱりヴェルティル様も字がキレイだ。
「…………ぐは────っ!?」
「リュシー、大丈夫!?」
「だっ…大丈夫!少し…ビックリしてむせただけだから!」
ヴェルティル様からの手紙も、最初は私を心配する話から始まり、“ゆっくり休んで欲しい”とあって……最後に“いつも居たクレイオン嬢が居ないと寂しい”と締め括られていたのだ。
ー惚れ直してしまうよね!?ー
ヴェルティル様、女の扱いに慣れてませんか!?いや、私がチョロいだけですか!?
いやいやいや、ヴェルティル様にそんな事言われて、喜ばない、惚れ直さないと言う選択肢はないよね!?
「…………」
勿論、リリアーヌ様との間に割り込むつもりはないけど、想う事だけは許してもらおう。
あ、そう言えば……この香、この前ヴェルティル様からも香ってたのと同じだ。爽やかなのに、何となく甘さを含んでて……香水に関しては全く分からないから、何の香なのかサッパリ分からない。
「クレアお姉様、この香水の名前とか分かる?」
ピラピラと、ヴェルティル様からの手紙を振って香りを漂わせる。
「香水?私には何も匂わないけど…」
「え?」
匂わない?この手紙を開封する前からも香っていたのに。しかも、獣人は人間よりも匂いに敏感である筈なのに?
「……リュシー、その手紙…封筒だけで良いから、少し預かっても良い?」
「え?うん。大丈夫」
クレアお姉様は、その封筒を受け取った後、少し思案してから私の部屋から出て行ってしまった。何かあったのか?と気にはなったけど、まだ読んでいない手紙が何通かあった為、その手紙を読んでいるうちに、ヴェルティル様の封筒の事も忘れてしまっていた。
******
それから5日も経つと体力も回復し、激しい運動さえしなければ特に問題無く動けるようになった。
「ようやく学校に行けるわ」
ー2週間も空いてしまったから、追いつく為には放課後も勉強しないとー
「リュシー、モニカが来てくれたわよ」
「今行くわ!」
今日は週末で学校が休みと言う事もあり、モニカが私に会いに来てくれたのだ。
「リュシー!もう大丈夫なの?少し痩せた?身長が…伸びた!?」
「モニカ、来てくれてありがとう!」
ギュウッと抱き合って再会を喜ぶ。
モニカの言う通り、病気ではなく第二次成長期による体調不良だった為に、2週間前の私と今の私では少しだけ容姿に変化があった。
身長が伸びて、伸びた分体がスラッとした感じだ。胸は……程々に収まっている。
リリアーヌ様程の魅力には…届かなかった。
「第二次成長期って、大変なのね……病気じゃなかったのは良かったけど…兎に角、リュシーが元気になって良かったわ」
人間のモニカにはない、獣人特有の成長期の説明をするとモニカは何とも複雑そうな顔をしている。
それから、この2週間の学校の話を聞いたりと、久し振りに2人だけで楽しい時間を過ごした。
「それで、聖女様についてなんだけど…手紙をスタンホルス様から預かって来たの。私も同じ物をもらって読んだわ」
その手紙には、聖女様が学校に通う日が決まった事と、通う前に交流の場を設けると言う事が書かれていた。その日程が来週末だった。
「いよいよ聖女様が表舞台に立つのね」
未だに、正式に聖女様発現の発表はされていないけど、“久し振りに聖女が現れたらしい”と言う噂は広まっているそうだ。
どんな人なのかは全く分からないけど、年が同じだと言うなら、仲良くできたら良いな─と思う。
*????*
「いよいよ、来週末にお助け令嬢に会えるのね」
「ユラ、言い方…」
「言い方って何?本当の事じゃない。私達を助けてくれるんだから。本当に、メグもしっかりしないと!」
「うん………」
「成長期なんて、もう要らない……」
「大丈夫よ、成長期は2回だけだから。でも、本当に大変だったわね…」
よしよし─と、私の頭を撫でてくれるのは、二つ年上のクレアお姉様。クロエお姉様とは双子だ。黒色の髪と瞳で、見た目ソックリな双子だけど性格は全く違う。クレアお姉様は物静かな性格だ。
「体力は落ちてるから、1週間は安静にと言っていたわ」
「動きなさいと言われても動けない…」
まさか、2週間も学校を休む事になるとは思わなかった。
「そうそう、リュシーが寝込んでいる間に、手紙とかお見舞いの品が届いていたから、持って来てもらうわね」
「クレアお姉様、ありがとう」
頂いた手紙やお見舞いの品を一つずつ確認していくと、モニカからは3通の手紙が届いていた。どれも私を心配する話から始まり、最後は“リュシーが居ないと寂しいわ”で締め括られている。復活したら、真っ先にモニカに会いに行こう。
それから、なんと、リリアーヌ様からの手紙もあった。リリアーヌ様は、やっぱり字もキレイだ。
「ん?」
そのリリアーヌ様の次の手紙から、心地いい香がした。
ー手紙に香水でも掛けてるのかなぁ?ー
「───え!?」
その手紙は、ヴェルティル様からだった。
手紙の封を切って開けると、更に爽やかな香が広がった。そして、やっぱりヴェルティル様も字がキレイだ。
「…………ぐは────っ!?」
「リュシー、大丈夫!?」
「だっ…大丈夫!少し…ビックリしてむせただけだから!」
ヴェルティル様からの手紙も、最初は私を心配する話から始まり、“ゆっくり休んで欲しい”とあって……最後に“いつも居たクレイオン嬢が居ないと寂しい”と締め括られていたのだ。
ー惚れ直してしまうよね!?ー
ヴェルティル様、女の扱いに慣れてませんか!?いや、私がチョロいだけですか!?
いやいやいや、ヴェルティル様にそんな事言われて、喜ばない、惚れ直さないと言う選択肢はないよね!?
「…………」
勿論、リリアーヌ様との間に割り込むつもりはないけど、想う事だけは許してもらおう。
あ、そう言えば……この香、この前ヴェルティル様からも香ってたのと同じだ。爽やかなのに、何となく甘さを含んでて……香水に関しては全く分からないから、何の香なのかサッパリ分からない。
「クレアお姉様、この香水の名前とか分かる?」
ピラピラと、ヴェルティル様からの手紙を振って香りを漂わせる。
「香水?私には何も匂わないけど…」
「え?」
匂わない?この手紙を開封する前からも香っていたのに。しかも、獣人は人間よりも匂いに敏感である筈なのに?
「……リュシー、その手紙…封筒だけで良いから、少し預かっても良い?」
「え?うん。大丈夫」
クレアお姉様は、その封筒を受け取った後、少し思案してから私の部屋から出て行ってしまった。何かあったのか?と気にはなったけど、まだ読んでいない手紙が何通かあった為、その手紙を読んでいるうちに、ヴェルティル様の封筒の事も忘れてしまっていた。
******
それから5日も経つと体力も回復し、激しい運動さえしなければ特に問題無く動けるようになった。
「ようやく学校に行けるわ」
ー2週間も空いてしまったから、追いつく為には放課後も勉強しないとー
「リュシー、モニカが来てくれたわよ」
「今行くわ!」
今日は週末で学校が休みと言う事もあり、モニカが私に会いに来てくれたのだ。
「リュシー!もう大丈夫なの?少し痩せた?身長が…伸びた!?」
「モニカ、来てくれてありがとう!」
ギュウッと抱き合って再会を喜ぶ。
モニカの言う通り、病気ではなく第二次成長期による体調不良だった為に、2週間前の私と今の私では少しだけ容姿に変化があった。
身長が伸びて、伸びた分体がスラッとした感じだ。胸は……程々に収まっている。
リリアーヌ様程の魅力には…届かなかった。
「第二次成長期って、大変なのね……病気じゃなかったのは良かったけど…兎に角、リュシーが元気になって良かったわ」
人間のモニカにはない、獣人特有の成長期の説明をするとモニカは何とも複雑そうな顔をしている。
それから、この2週間の学校の話を聞いたりと、久し振りに2人だけで楽しい時間を過ごした。
「それで、聖女様についてなんだけど…手紙をスタンホルス様から預かって来たの。私も同じ物をもらって読んだわ」
その手紙には、聖女様が学校に通う日が決まった事と、通う前に交流の場を設けると言う事が書かれていた。その日程が来週末だった。
「いよいよ聖女様が表舞台に立つのね」
未だに、正式に聖女様発現の発表はされていないけど、“久し振りに聖女が現れたらしい”と言う噂は広まっているそうだ。
どんな人なのかは全く分からないけど、年が同じだと言うなら、仲良くできたら良いな─と思う。
*????*
「いよいよ、来週末にお助け令嬢に会えるのね」
「ユラ、言い方…」
「言い方って何?本当の事じゃない。私達を助けてくれるんだから。本当に、メグもしっかりしないと!」
「うん………」
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