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21 再会と、新たな出会い

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「朝食が済んだ頃に迎えを遣るから」

と、お兄様に言われていた為、朝食後部屋で待っているとアメリーが迎えにやって来た。ちなみに、今日もシルヴィはお留守番だ。
今から向かうお兄様の執務室は、比較的近い所にある為、あっと言う間に……

「着いてしまった……」
「はい?何か…ありましたでしょうか?」

ついつい言葉に出ていたようで、「何もありません」と言うと、アメリーは執務室のドアをノックした。



「おはよう、ブルーナ。」
「おはようございます。」

どうやら、リュウさん達はまだ来ていないようだ。
お兄様曰く、リュウさんが呼んで来たのは3人。そのうちの1人は、他の2人の護衛として付いて来ていると言う事だった。しかも、そのが条件で2人がイーレンにやって来る事がそうだ。
きっと、その護衛がセオ君だ。そのセオ君が護衛をしていた、あのプラチナブロンドの髪の女性が──



「殿下、リュウ様達がいらっしゃいました。」
「あぁ、入ってくれて構わないよ。」
「失礼いたします。」
「…………」

お兄様と並んで出迎える。
今にでも逃げ出しそうになる足を、しっかり床に押し付けるような気もちで縫い止め、震えそうになる手にはギュッと力を入れて、顔は………どんな顔になっているのかは正直分からない。

一番に部屋に入って来たのはリュウさん。
「少し…遅くなって申し訳無い。」

それから続けて入って来た2人は、白いフードを深く被っていて顔が全く見えないけど、おそらく、2人とも女性だろう。そして、最後に入って来たのは──

「リュウさん、念の為、結界を宜しくお願いします。」
「ん?俺が?何で?」
「“最低限に”と、言われてますから………」
「あぁ……なる程………」

少し遠い目をした後、リュウさんはこの部屋に結界を張った。

「遅くなってすみ─────え?──」

その後、挨拶をしようと私達の方を向いた、その護衛はやっぱりセオ君で、そのセオ君は挨拶の途中で固まった。ちなみに、私も改めて…固まっている。

ー何故、セオ君がこの世界に居るのかー

おそらく、セオ君も同じ事を思っているに違いない。

「────スイ?」
「───はい。」
「翠!!」
「は───っ!?」

名を呼ばれて返事をすれば、また名を呼ばれて、返事をしようとしたところで……あっと言う間に距離を詰められて……抱きしめられた。

「「「!?」」」
「…………」

そんな私達を、お兄様はビックリしたまま固まっていて、リュウさんは何故かニヤニヤと笑っている。フードを被っている2人は、どうなのかは分からない。

「え?翠?え?何で?あれ?ここは…イーレンの王太子宮だって…今日は……第二王女に会うって………え?翠が……第二…王女?」

背中に回されていた手を離し、今度は私の両頬を挟み込むように手を当てて、そのまま顔を上に向けさせられた。そこには、やっぱり綺麗な青色の瞳があった。

「あー…セオ、少し落ち着こうか?ちゃんと、説明するから…くくっ─」
「あ!す、すみません!」

ニヤニヤ笑いながら、セオ君の肩を叩いたのはリュウさんで、そこでセオ君が我に返ったようにハッとした後、私の頬から手を離して、私からも距離を取るように後ろに下がった。

「──リュウ……確信犯ね?後でキッチリ説明しなさい。」
「ワカリマシタ……」

フードを被ったうちの1人が言うと、リュウさんは顔を少し引き攣らせた。

「王太子殿下、それに…王女殿下、リュウが失礼をして……申し訳ありませんでした。の事も……。」
「あぁ…取り敢えず…お座り下さい。」

お兄様は困惑しながら、取り敢えず─と、部屋に居る全員に椅子に座るようにと促した。


お兄様と私が横並びに座り、長方形の机を挟んだ向かい側にフードを被った2人とリュウさんが並んで座り、下座に当たる椅子にセオ君が座っている。その、座っているセオ君からの視線を感じたりするのは……気のせいではないと思う。チラッと盗み見ると、目を細められた。

「──っ!!」

恥ずかし過ぎてバッと視線を外すと、今度はニコニコ笑うリュウさんと目が合った。

「それじゃあ、先ずは紹介から始めようか。」

そう言うと、2人のうちの1人がフードをはずした。その人は、綺麗な黒色の長い髪を後ろで一つに括っていて、瞳の色も黒色で、容姿はリュウさんと同じで馴染みのある日本人みたいだ。

「私の名前はミヤ=ウォーランド。“ミヤ”と呼んでもらって構わないわ。」

ーん?“ウォーランド”?ー

あれ?聞き違い?かと思い、横に居るお兄様を見ると、そのお兄様も私を見て……若干顔色が悪くなっている。“ウォーランド”とは……あの大国と同じ…名前だ。もう、間違い、気のせいなんかじゃない。この“ミヤ”と名乗る女性は、大国─ウォーランド王国の王妃様であり、過去最高レベルと謳われる聖女様だ。

そして、その驚きが落ち着かないままに、もう一人の人がフードを外すと、そこから現れたのは──
プラチナブロンドの髪に、水色の様なグレーのような綺麗な色の瞳の小柄な女性。今朝、セオ君が優しい微笑みを向けていた女性だ。

…年上だろうか?ー

「ハル=カルザインです。」

私とは違って、とても可愛らしい人だ。







❋エールを頂き、ありがとうございます❋
(。˃ω˂ *)و♡

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