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❋ループ編❋
14 三度目の竜
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三度目もやはり、婚約解消となった。しかも、今回は公爵令嬢であるエレが色々と証言してくれたお陰で、スムーズに解消する事ができた。
そして、解消して以降、ハロルド様から私に接触して来る事もなかった。
「婚約解消したのだから、接触なんてさせないわよ。」
「そうよ!殿下は、王女様と仲良くしていれば良いのよ!」
と、エレとフルールが、ガッチリとガードをしてくれているのだ。
「ふふっ。2人ともありがとう。」
ーひょっとしたら、あの竜の贄にならずに済む?ー
そんな事を思った日の夜。
エレとフルールのお陰で気持ちが楽になり、今日はベッドで本でも読もうかな──と、いつもよりも早目にベッドに入った。
ーあれ?そう言えば…ー
一度目も二度目も、いつもよりも早目にベッドに入った日に、終わりを迎えなかった?今もそうだ。そして、今回も何故か……体からスッと力が抜けていく。
ーあぁ…この感覚は……ー
そこでまた、私の意識がプツリ─と途絶えた。
******
『──────クルルルル』
「────ん?」
私の頭に何かが触れる感覚がして目を開けると──
「っ!?」
目の前にまた、真っ黒な竜が居た。
ヒュッ─と息を呑む。
「あれ?」
何故か、今回の私は、体は重いけど何とか動かせて声も出せる。
そして、目の前に居る竜は、二度目の時と同じ様に、私から視線を外す事はないが、何かに堪えるようにそこに立っている。威嚇するような呻き声も出してはいない。
私も、その竜の視線から逸らさずに見つめる。
その竜の黒色の瞳。一度目は一瞬しか合わなかったが、怒りの色がハッキリと表れていてとても怖かった。二度目は、恐怖と襲って来るであろう痛みの事でいっぱいで、あまり竜の目を見る事ができなかった。
そして、三度目は───
今迄とは違って、これ程までに近くに居るのに、まだ噛み付かれてはいない。それに、目の前に居る竜は、苦しそうにしている様に見えるだけで、殺気はあまり感じない。
ーひょっとして…助かる?ー
「********!」
『グルルルルル──ッ』
「あっ────」
忘れていた。ここにはもう一人居ると言う事を。一度目も二度目も彼女が何かを叫んだ後、この竜が口を開けて私に噛み付くのだ。
三度目の今も、竜がまた大きく口を開けて、そのまま私に噛み付いた。
ーっ!!??痛い─────っ!ー
一度目と二度目は一瞬だった。一瞬の痛みを受けた直後に意識を失っていたのに、今回は───一瞬で気を失う事ができずに、痛みと戦う羽目になっている。
ー何で!!??ー
「ゔ────っ」
『っ!?』
堪らなくなり、唸り声を上げると、その竜がビクリッと体を震わせ大きく目を見開いた後、また苦しそうに目を細めて………私に噛み付く力を更に強めて………
そこでようやく、私の意識が途絶えて三度目が終わりを告げた。
『私の力がまだ─りないの───い。』
『───どうか………正しい路に……』
『でなければ─が─しまう──だから。─をすくって欲しい……どうか……』
******
四度目ともなれば、静かに目を覚ました。
ー今迄で一番痛かったけどー
ただ、あの真っ黒な竜に対して一度目と二度目の時程の恐怖心を抱く事はなかった。それに、あの場にいつも居る彼女は、何を言っているかは分からないけど、3回とも同じ言葉を叫んだのに対し、あの竜は3回とも違う反応をした。特に三度目のあの竜は、とても苦しそうで…辛そうだった。
そもそも、竜とは……贄として人間を喰らうのだろうか?もし、喰らうものではなかったら?
「ひょっとして……躊躇った?」
「何がですか?」
「あ、ジョリー……何でもないわ。おはよう。」
「おはようございます。では、学園に行く準備を始めますね。」
チラリと、ジョリーが手にしている制服に視線を向ける。その制服は、高等部の制服だ。どうやら、四度目の巻戻りも、ハロルド様の誕生会よりも前のようだ。
ー“正しい路を”─と望むなら、もう少し前の時間に戻してくれないかしら?ー
流石に三度目四度目となると愚痴をこぼす余裕?が出て来たようだ。
ー四度目は…どうしようかしら?ー
私はジョリーに身を任せながら、これからの事を考えた。
******
四度目のハロルド様の誕生会。
「蜜に群がる小虫──蝶のようね……」
「エレオノール様、思いっ切り本音が零れてます。」
四度目も、私とエレオノール様とフルールとは学園で同じクラスになった。そして、今回初めて、ハロルド様の誕生会でエレオノール様と一緒に椅子に座ってお茶を飲みながら、第二王子の婚約者の座を巡って水面下で行われている令嬢達のバトルを眺めている。
因みに、フルールは既に婚約者─ジョナス様が居る為、ハロルド様の誕生会に参加した事はない。今世でも2人の仲は良いようだ。
そして、エレオノール様も、今世もサバサバ姉御肌だ。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜
そして、解消して以降、ハロルド様から私に接触して来る事もなかった。
「婚約解消したのだから、接触なんてさせないわよ。」
「そうよ!殿下は、王女様と仲良くしていれば良いのよ!」
と、エレとフルールが、ガッチリとガードをしてくれているのだ。
「ふふっ。2人ともありがとう。」
ーひょっとしたら、あの竜の贄にならずに済む?ー
そんな事を思った日の夜。
エレとフルールのお陰で気持ちが楽になり、今日はベッドで本でも読もうかな──と、いつもよりも早目にベッドに入った。
ーあれ?そう言えば…ー
一度目も二度目も、いつもよりも早目にベッドに入った日に、終わりを迎えなかった?今もそうだ。そして、今回も何故か……体からスッと力が抜けていく。
ーあぁ…この感覚は……ー
そこでまた、私の意識がプツリ─と途絶えた。
******
『──────クルルルル』
「────ん?」
私の頭に何かが触れる感覚がして目を開けると──
「っ!?」
目の前にまた、真っ黒な竜が居た。
ヒュッ─と息を呑む。
「あれ?」
何故か、今回の私は、体は重いけど何とか動かせて声も出せる。
そして、目の前に居る竜は、二度目の時と同じ様に、私から視線を外す事はないが、何かに堪えるようにそこに立っている。威嚇するような呻き声も出してはいない。
私も、その竜の視線から逸らさずに見つめる。
その竜の黒色の瞳。一度目は一瞬しか合わなかったが、怒りの色がハッキリと表れていてとても怖かった。二度目は、恐怖と襲って来るであろう痛みの事でいっぱいで、あまり竜の目を見る事ができなかった。
そして、三度目は───
今迄とは違って、これ程までに近くに居るのに、まだ噛み付かれてはいない。それに、目の前に居る竜は、苦しそうにしている様に見えるだけで、殺気はあまり感じない。
ーひょっとして…助かる?ー
「********!」
『グルルルルル──ッ』
「あっ────」
忘れていた。ここにはもう一人居ると言う事を。一度目も二度目も彼女が何かを叫んだ後、この竜が口を開けて私に噛み付くのだ。
三度目の今も、竜がまた大きく口を開けて、そのまま私に噛み付いた。
ーっ!!??痛い─────っ!ー
一度目と二度目は一瞬だった。一瞬の痛みを受けた直後に意識を失っていたのに、今回は───一瞬で気を失う事ができずに、痛みと戦う羽目になっている。
ー何で!!??ー
「ゔ────っ」
『っ!?』
堪らなくなり、唸り声を上げると、その竜がビクリッと体を震わせ大きく目を見開いた後、また苦しそうに目を細めて………私に噛み付く力を更に強めて………
そこでようやく、私の意識が途絶えて三度目が終わりを告げた。
『私の力がまだ─りないの───い。』
『───どうか………正しい路に……』
『でなければ─が─しまう──だから。─をすくって欲しい……どうか……』
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四度目ともなれば、静かに目を覚ました。
ー今迄で一番痛かったけどー
ただ、あの真っ黒な竜に対して一度目と二度目の時程の恐怖心を抱く事はなかった。それに、あの場にいつも居る彼女は、何を言っているかは分からないけど、3回とも同じ言葉を叫んだのに対し、あの竜は3回とも違う反応をした。特に三度目のあの竜は、とても苦しそうで…辛そうだった。
そもそも、竜とは……贄として人間を喰らうのだろうか?もし、喰らうものではなかったら?
「ひょっとして……躊躇った?」
「何がですか?」
「あ、ジョリー……何でもないわ。おはよう。」
「おはようございます。では、学園に行く準備を始めますね。」
チラリと、ジョリーが手にしている制服に視線を向ける。その制服は、高等部の制服だ。どうやら、四度目の巻戻りも、ハロルド様の誕生会よりも前のようだ。
ー“正しい路を”─と望むなら、もう少し前の時間に戻してくれないかしら?ー
流石に三度目四度目となると愚痴をこぼす余裕?が出て来たようだ。
ー四度目は…どうしようかしら?ー
私はジョリーに身を任せながら、これからの事を考えた。
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四度目のハロルド様の誕生会。
「蜜に群がる小虫──蝶のようね……」
「エレオノール様、思いっ切り本音が零れてます。」
四度目も、私とエレオノール様とフルールとは学園で同じクラスになった。そして、今回初めて、ハロルド様の誕生会でエレオノール様と一緒に椅子に座ってお茶を飲みながら、第二王子の婚約者の座を巡って水面下で行われている令嬢達のバトルを眺めている。
因みに、フルールは既に婚約者─ジョナス様が居る為、ハロルド様の誕生会に参加した事はない。今世でも2人の仲は良いようだ。
そして、エレオノール様も、今世もサバサバ姉御肌だ。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜
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