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合同訓練3日目─
「相変わらずなパルヴァンの騎士達だな…」
「そうだね…。」
「………」
私は今日も、お母様と一緒に合同訓練に参加している─否。“見学”と言った方が良いのかもしれない。
パルヴァンの森にも穢れはあるけど、今でも魔物や魔獣が現れる事は滅多に無い。その為、森の中ではパルヴァンの騎士達による隣国の騎士達への特訓が行われている。
隣国ではここ数年、軍事に関しては殆ど機能していなかったそうで、騎士の個々の武力は衰えていた。クーデターが起こり、国内が落ち着いて来てようやく軍事にもお金を掛けて力を入れ始めたところでの、今回の合同訓練。
「パルヴァンは、本当に容赦が無いな。まぁ……有り難いと言えば…有り難いんだけど…。」
私の横で、その訓練を見ているリュウさんの顔は、やっぱり引き攣っている。と言うか─
「お祖父様が…最強過ぎる……。」
私にはいつも優しいお祖父様。“最強の武人”と言われても、いまいちピンとこなかったけど…
ー今なら分かる。分かり過ぎますー
何十人と相手をしているのに、顔どころか髪型すら乱れる気配が無い。顔は…常に愉しげに嗤って─笑っている。1人伸す毎に、更に動きが良くなっている気がする。
そして、ルナさんとリディさん。ティモスさんが強い事は知っているし、団長であるから当たり前だよね!と思っていたけど…ルナさんとリディさんの強さも…半端無い。勿論、2人がお母様の侍女兼護衛とは知っていたけど、ここ迄強いとは…思わなかった。
ー私の周り、最強な人ばかりじゃない!?ー
前に、お父様とお兄様が遠い目になっていた理由がよく分かる。
「まだ3日目のお昼だけど…午後は休養に充てた方が良いかもしれないな。」
「そうだね。それじゃあ、体力回復のポーションも用意しておくね。」
リュウさんの意見に同意したお母様。そのお母様が作ったポーションなら……今、目の前に伸され─倒れている隣国の騎士達も明日にはスッキリと回復しているだろう。
そんな感じで、3日目の合同訓練は午前中で終了となった。
「お疲れのところ、時間を作っていただき、ありがとうございます。」
「私は全然疲れていないから大丈夫なんですけど…マーレン様こそ、大丈夫ですか?」
昼から休養─と決まった後、「早速!」と言った感じで『時間があるようなら、私の魔力についての相談にのってもらえませんか?』と、お母様と私の所にやって来たマーレン様に、『私は大丈夫ですよ?』とお母様は苦笑していた。
因みに、娘の私が居るとはいえ、お母様とマーレン様と3人─と言うのは、主に……お父様にとってアウトだろう!と言う事で、リュウさんにも一緒に居てもらう事にした。
ーお父様は、お母様に対してだけは、ある意味狭量になるからなぁー
その辺は、リュウさんも理解してくれているから、快くこの場に来てくれた。
「マーレン様は魔力が強いから、自分で意識しなくても、勝手に魔力が作動?してる感じですね。自動運転…みたいな?説明が下手でごめんなさい。私自身、魔法は想像で扱っているから、感覚?でしか分からなくて……」
えへっ─と聞こえそうな顔をして笑う可愛いお母様は、いつも思うけど、一体何歳だったかなぁ?
「──想像で……。えっと、大丈夫です。分かります。私は、魔力が強い相手が居ると、どうしても違和感を感じてしまって疲れたり集中力が欠けたりしてしまうんです。だから、それを何とかしたいと思っているんですが…無意識のうちにしてしまっていると言うなら、治すのは難しいかもしれませんね。」
「うーん…私が、その魔力の流れを一時的に拘束する事はできるけど、それじゃあ根本的な解決にはならないし…。」
「「「…………」」」
ーあれ?お母様、今、サラッと…「あ、雨が降ってきた」みたいに、サラッと凄い事言わなかった?ー
チラリとリュウさんを見ると、やっぱり遠い目をしていて、マーレン様に至っては瞠目して固まっていて、これまた可愛らしい──ではなくて!
「えっと…お母様は…他人の魔力の流れを…拘束する事が…できるの?」
他人の魔力の流れを拘束─止めると言う事は、下手をすれば相手の魔力を奪ったり使ったりする事ができる─と言う事だ。それはある意味、危険な事である。
「多分できると思うわ。やった事はないけどね?」
ふふっ─と無邪気に笑うお母様。チートな魔法使いが、天然?な性格で良かった。でなければ、お母様は今頃ガッツリと国の監視下に置かれて居ただろう。
「あー…良ければ、一時的にでも良いので、拘束?してみてもらえますか?」
「えっ!?良いんですか?だっ…大丈夫ですか!?リュウさん、これ、良いの!?」
まさかのマーレン様の提案に驚いて、リュウさんに訊いてみると、「まぁ…ハルだから大丈夫だろう。」と言われて、早速その場でお母様が魔法を展開させた。
❋ハルのチート具合が更に増しているのは、気のせいじゃないかもしれません(笑)❋
❋年始なので、今日中にもう1話投稿する予定です❋
(๑•̀ㅁ•́๑)✧
「相変わらずなパルヴァンの騎士達だな…」
「そうだね…。」
「………」
私は今日も、お母様と一緒に合同訓練に参加している─否。“見学”と言った方が良いのかもしれない。
パルヴァンの森にも穢れはあるけど、今でも魔物や魔獣が現れる事は滅多に無い。その為、森の中ではパルヴァンの騎士達による隣国の騎士達への特訓が行われている。
隣国ではここ数年、軍事に関しては殆ど機能していなかったそうで、騎士の個々の武力は衰えていた。クーデターが起こり、国内が落ち着いて来てようやく軍事にもお金を掛けて力を入れ始めたところでの、今回の合同訓練。
「パルヴァンは、本当に容赦が無いな。まぁ……有り難いと言えば…有り難いんだけど…。」
私の横で、その訓練を見ているリュウさんの顔は、やっぱり引き攣っている。と言うか─
「お祖父様が…最強過ぎる……。」
私にはいつも優しいお祖父様。“最強の武人”と言われても、いまいちピンとこなかったけど…
ー今なら分かる。分かり過ぎますー
何十人と相手をしているのに、顔どころか髪型すら乱れる気配が無い。顔は…常に愉しげに嗤って─笑っている。1人伸す毎に、更に動きが良くなっている気がする。
そして、ルナさんとリディさん。ティモスさんが強い事は知っているし、団長であるから当たり前だよね!と思っていたけど…ルナさんとリディさんの強さも…半端無い。勿論、2人がお母様の侍女兼護衛とは知っていたけど、ここ迄強いとは…思わなかった。
ー私の周り、最強な人ばかりじゃない!?ー
前に、お父様とお兄様が遠い目になっていた理由がよく分かる。
「まだ3日目のお昼だけど…午後は休養に充てた方が良いかもしれないな。」
「そうだね。それじゃあ、体力回復のポーションも用意しておくね。」
リュウさんの意見に同意したお母様。そのお母様が作ったポーションなら……今、目の前に伸され─倒れている隣国の騎士達も明日にはスッキリと回復しているだろう。
そんな感じで、3日目の合同訓練は午前中で終了となった。
「お疲れのところ、時間を作っていただき、ありがとうございます。」
「私は全然疲れていないから大丈夫なんですけど…マーレン様こそ、大丈夫ですか?」
昼から休養─と決まった後、「早速!」と言った感じで『時間があるようなら、私の魔力についての相談にのってもらえませんか?』と、お母様と私の所にやって来たマーレン様に、『私は大丈夫ですよ?』とお母様は苦笑していた。
因みに、娘の私が居るとはいえ、お母様とマーレン様と3人─と言うのは、主に……お父様にとってアウトだろう!と言う事で、リュウさんにも一緒に居てもらう事にした。
ーお父様は、お母様に対してだけは、ある意味狭量になるからなぁー
その辺は、リュウさんも理解してくれているから、快くこの場に来てくれた。
「マーレン様は魔力が強いから、自分で意識しなくても、勝手に魔力が作動?してる感じですね。自動運転…みたいな?説明が下手でごめんなさい。私自身、魔法は想像で扱っているから、感覚?でしか分からなくて……」
えへっ─と聞こえそうな顔をして笑う可愛いお母様は、いつも思うけど、一体何歳だったかなぁ?
「──想像で……。えっと、大丈夫です。分かります。私は、魔力が強い相手が居ると、どうしても違和感を感じてしまって疲れたり集中力が欠けたりしてしまうんです。だから、それを何とかしたいと思っているんですが…無意識のうちにしてしまっていると言うなら、治すのは難しいかもしれませんね。」
「うーん…私が、その魔力の流れを一時的に拘束する事はできるけど、それじゃあ根本的な解決にはならないし…。」
「「「…………」」」
ーあれ?お母様、今、サラッと…「あ、雨が降ってきた」みたいに、サラッと凄い事言わなかった?ー
チラリとリュウさんを見ると、やっぱり遠い目をしていて、マーレン様に至っては瞠目して固まっていて、これまた可愛らしい──ではなくて!
「えっと…お母様は…他人の魔力の流れを…拘束する事が…できるの?」
他人の魔力の流れを拘束─止めると言う事は、下手をすれば相手の魔力を奪ったり使ったりする事ができる─と言う事だ。それはある意味、危険な事である。
「多分できると思うわ。やった事はないけどね?」
ふふっ─と無邪気に笑うお母様。チートな魔法使いが、天然?な性格で良かった。でなければ、お母様は今頃ガッツリと国の監視下に置かれて居ただろう。
「あー…良ければ、一時的にでも良いので、拘束?してみてもらえますか?」
「えっ!?良いんですか?だっ…大丈夫ですか!?リュウさん、これ、良いの!?」
まさかのマーレン様の提案に驚いて、リュウさんに訊いてみると、「まぁ…ハルだから大丈夫だろう。」と言われて、早速その場でお母様が魔法を展開させた。
❋ハルのチート具合が更に増しているのは、気のせいじゃないかもしれません(笑)❋
❋年始なので、今日中にもう1話投稿する予定です❋
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