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余話
子達の物語④
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*ヴィオラ視点*
あれから、私は「これでもか!」と言う位、お父様のお母様への溺愛ぶりを話した。すると、フジ様もショウ様も「お腹いっぱい」「もう、暫くはお砂糖は使わない」と言っていた。
そして、夜になり──
「ヴィーちゃん、今日はこのままこっちに泊まっていってくれない?明日、一緒に買い物に行って、それをあっちに持って還って欲しいの。」
と、フジ様は満面の笑顔で言うけど──
「私……還り方が…分からないんです。」
還り方どころか、どうやってここに来たのかも分からない。それに、全く魔力の流れを感じないのだ。魔力暴走を起こした事で、魔力が枯渇仕掛けているのかもしれない。
「───っ!」
もう、お母様にもお父様にもお兄様にも会えないかもしれないと、泣きそうになった時
「あ、それなら大丈夫だよ。ヴィーちゃんはちゃんと還れる……還してあげるから!」
「──え?」
「ふふっ。こう言う状況は二度目だからね。ヴィーちゃん、安心して!明日、必ずヴィーちゃんの世界に還してあげるから!」
「うんうん。ヴィー、必ず還れるから、今日と明日は私達に付き合ってくれる?」
翌日は、フジ様とショウ様と買い物に出掛けた。
この世界には、魔法は無いけど、色んな物……驚くモノがたくさんあった。食事も美味しかったし、お母様がよく作ってくれた物もあった。
ーあれは、お母様の世界の食べ物だったのねー
「あ、コレ、ハルちゃんとミヤが好きだったヤツだね。」
「あ、コレも買っておこうよ!」
と、フジ様とショウ様が、次々に色んな物を手に取っていく。
色んなお店に行って、色んな物を買って───大きいカバン2つ分のお土産?が出来上がった。
「ここは……」
買い物が終わってご飯を食べて、やって来たのは、私がここに転移した時の建物の裏庭?らしき場所だった。
「ここ、実は、前にハルちゃんも転移して来た場所なのよ。多分だけど……こことハルちゃんが繋がってるんだと思うわ。で、ヴィーちゃん。ヴィーちゃんが着けてるそのブレスレット、ハルちゃんが作った物でしょう?」
「あ、はい。そうです。お母様が防御の魔法を組み込んだブレスレットです。」
お母様の淡い水色と、私の少し濃い目の水色の魔石のブレスレット。それに、防御の魔法を組み込んでいると言っていた。
「はい!ハルちゃんのチートなブレスレットで還ろうね!」
「はい?チート??」
意味が全く分からなくて、私はフジ様とショウ様を見つめたまま首を傾げた。
*セオドア視点*
母上の予想通り、ヴィーはその日は帰って来なかった。心配していない─事はないんだろうけど、母上もお祖父様も普段通りに過ごしている。父上にも報告はしたが、今日の夜迄はパルヴァンには来れないと言う事だった。
何もする気にもなれず、パルヴァン邸のリビングで時間を潰していると、同じ部屋でお茶をしていた母上がスッと立ち上がった。
「セオ、ヴィーがそろそろ還って来るから、迎えに行くわよ。」
「────はい?」
まるで“散歩から帰って来る”みたいな言い方に拍子抜けしつつ、俺は母上に付いて行った。
母上とやって来たのは、ヴィーが姿を消した場所だった。
「ここと、あっちが、微かに繋がってたんだと思うの。私の魔力が残ってたのかもしれないわね。」
どうやら、昔、母上が一度元の世界に還った事があるらしく、その時に転移した場所がここだったらしい。
「それじゃあ、ヴィーは……母上の居た世界に転移したと?」
「うん。多分そうだと思う。それで……向こうで…お姉さん達に会ってるんじゃないかなー?って。」
ふふっ─と笑う母上。「“お姉さん達”とは一体誰──」と訊こうとした時、俺達の目の前に魔法陣が現れた。
その魔法陣からは、昨日とは違って少し濃い色の水色の光が溢れ出した。
ーこの色は……ヴィーだ!ー
その光の向こうをジッと見据える。
暫くすると、その光がゆっくりと落ち着いていき──
そこには、何故か大きいカバンを2つ抱えたヴィーが立っていた。
「お母様!お兄様!!」
と、その大きなカバンを足元に下ろした後、ヴィーが俺と母上に飛び付いて来た。
「ふふっ。ヴィー、おかえりなさい。やっぱり……お姉さん達に会えたのね?」
「うん。聖女様達に、助けてもらったの。」
「後で……ゆっくり話を聞かせてくれる?」
「勿論!」
と、母上とヴィーは笑いながら話しているが──俺にはサッパリ意味が分からなかった。
ー兎に角、ヴィーが無事て良かったー
その日の夕方には、父上がパルヴァンにやって来た。しかも、王妃陛下であるミヤ様と一緒に。
どうやら、ヴィーが向こうの世界で、向こうに還った聖女様達と会ったらしく、その時の話を聞きたいと、やって来たらしい。
「エディオルさん。今日は女子会だから、ハルはもらっていくわね。」
と、満面の笑顔で母上とヴィーを連れ去って行くミヤ様を、父上も満面の笑顔で見送っていた。
その次の日の夜。早い目の時間に父上と母上の姿が見えなくなり、その翌日は母上が昼過ぎ迄部屋から出て来なかった──事は、俺とヴィーの……想定内の出来事だった──とは、言うまでもない。
「──ちっ…エディオルのやつめ……相変わらずか!」
と、お祖父様からの圧が半端無かったのは……母上には内緒にしておこう。
お祖父様曰く
「見た目だけではなく、ヴィーもハルと同じ様に……トラブル体質なのかも……しれないな………」
と────。
俺ももっと、武術を極めよう───
と、心に誓った。
❋これにて完結になります。最後迄お付き合いいただき、ありがとうございました。お気に入り登録、本当にありがとうございます!❋
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
あれから、私は「これでもか!」と言う位、お父様のお母様への溺愛ぶりを話した。すると、フジ様もショウ様も「お腹いっぱい」「もう、暫くはお砂糖は使わない」と言っていた。
そして、夜になり──
「ヴィーちゃん、今日はこのままこっちに泊まっていってくれない?明日、一緒に買い物に行って、それをあっちに持って還って欲しいの。」
と、フジ様は満面の笑顔で言うけど──
「私……還り方が…分からないんです。」
還り方どころか、どうやってここに来たのかも分からない。それに、全く魔力の流れを感じないのだ。魔力暴走を起こした事で、魔力が枯渇仕掛けているのかもしれない。
「───っ!」
もう、お母様にもお父様にもお兄様にも会えないかもしれないと、泣きそうになった時
「あ、それなら大丈夫だよ。ヴィーちゃんはちゃんと還れる……還してあげるから!」
「──え?」
「ふふっ。こう言う状況は二度目だからね。ヴィーちゃん、安心して!明日、必ずヴィーちゃんの世界に還してあげるから!」
「うんうん。ヴィー、必ず還れるから、今日と明日は私達に付き合ってくれる?」
翌日は、フジ様とショウ様と買い物に出掛けた。
この世界には、魔法は無いけど、色んな物……驚くモノがたくさんあった。食事も美味しかったし、お母様がよく作ってくれた物もあった。
ーあれは、お母様の世界の食べ物だったのねー
「あ、コレ、ハルちゃんとミヤが好きだったヤツだね。」
「あ、コレも買っておこうよ!」
と、フジ様とショウ様が、次々に色んな物を手に取っていく。
色んなお店に行って、色んな物を買って───大きいカバン2つ分のお土産?が出来上がった。
「ここは……」
買い物が終わってご飯を食べて、やって来たのは、私がここに転移した時の建物の裏庭?らしき場所だった。
「ここ、実は、前にハルちゃんも転移して来た場所なのよ。多分だけど……こことハルちゃんが繋がってるんだと思うわ。で、ヴィーちゃん。ヴィーちゃんが着けてるそのブレスレット、ハルちゃんが作った物でしょう?」
「あ、はい。そうです。お母様が防御の魔法を組み込んだブレスレットです。」
お母様の淡い水色と、私の少し濃い目の水色の魔石のブレスレット。それに、防御の魔法を組み込んでいると言っていた。
「はい!ハルちゃんのチートなブレスレットで還ろうね!」
「はい?チート??」
意味が全く分からなくて、私はフジ様とショウ様を見つめたまま首を傾げた。
*セオドア視点*
母上の予想通り、ヴィーはその日は帰って来なかった。心配していない─事はないんだろうけど、母上もお祖父様も普段通りに過ごしている。父上にも報告はしたが、今日の夜迄はパルヴァンには来れないと言う事だった。
何もする気にもなれず、パルヴァン邸のリビングで時間を潰していると、同じ部屋でお茶をしていた母上がスッと立ち上がった。
「セオ、ヴィーがそろそろ還って来るから、迎えに行くわよ。」
「────はい?」
まるで“散歩から帰って来る”みたいな言い方に拍子抜けしつつ、俺は母上に付いて行った。
母上とやって来たのは、ヴィーが姿を消した場所だった。
「ここと、あっちが、微かに繋がってたんだと思うの。私の魔力が残ってたのかもしれないわね。」
どうやら、昔、母上が一度元の世界に還った事があるらしく、その時に転移した場所がここだったらしい。
「それじゃあ、ヴィーは……母上の居た世界に転移したと?」
「うん。多分そうだと思う。それで……向こうで…お姉さん達に会ってるんじゃないかなー?って。」
ふふっ─と笑う母上。「“お姉さん達”とは一体誰──」と訊こうとした時、俺達の目の前に魔法陣が現れた。
その魔法陣からは、昨日とは違って少し濃い色の水色の光が溢れ出した。
ーこの色は……ヴィーだ!ー
その光の向こうをジッと見据える。
暫くすると、その光がゆっくりと落ち着いていき──
そこには、何故か大きいカバンを2つ抱えたヴィーが立っていた。
「お母様!お兄様!!」
と、その大きなカバンを足元に下ろした後、ヴィーが俺と母上に飛び付いて来た。
「ふふっ。ヴィー、おかえりなさい。やっぱり……お姉さん達に会えたのね?」
「うん。聖女様達に、助けてもらったの。」
「後で……ゆっくり話を聞かせてくれる?」
「勿論!」
と、母上とヴィーは笑いながら話しているが──俺にはサッパリ意味が分からなかった。
ー兎に角、ヴィーが無事て良かったー
その日の夕方には、父上がパルヴァンにやって来た。しかも、王妃陛下であるミヤ様と一緒に。
どうやら、ヴィーが向こうの世界で、向こうに還った聖女様達と会ったらしく、その時の話を聞きたいと、やって来たらしい。
「エディオルさん。今日は女子会だから、ハルはもらっていくわね。」
と、満面の笑顔で母上とヴィーを連れ去って行くミヤ様を、父上も満面の笑顔で見送っていた。
その次の日の夜。早い目の時間に父上と母上の姿が見えなくなり、その翌日は母上が昼過ぎ迄部屋から出て来なかった──事は、俺とヴィーの……想定内の出来事だった──とは、言うまでもない。
「──ちっ…エディオルのやつめ……相変わらずか!」
と、お祖父様からの圧が半端無かったのは……母上には内緒にしておこう。
お祖父様曰く
「見た目だけではなく、ヴィーもハルと同じ様に……トラブル体質なのかも……しれないな………」
と────。
俺ももっと、武術を極めよう───
と、心に誓った。
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