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ー余話ー
ベラトリス=ウォーランド
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「ねぇ…サエラ。私、エディオル様がハル様の事が好き─と言う事が…いまいちピンと来ないのだけど…」
イリス様から聞いた時、本当に信じられなかった。イリス様が嘘をつく必要はないから、本当の事なんでしょうけど─。
「ベラトリス様がそう思ってしまわれるのは…仕方が無いと思います。」
サエラはそう言いながらも、少し困った様に笑っている。
「?サエラは…何か知っていますの?」
そう言えば、サエラは、あの兄のやらかしの時、最初こそ怒ってはいたけど、それ以降はエディオル様に対して不快感を表す事はなかった。
「そうですねぇ…。あの時、何故カルザイン様がハル様に冷たい対応をされたのかは、よく分かりませんが…あれ以降のカルザイン様は、ずっとハル様の事を見守っているようでしたから…。」
「見守って?」
「はい。ハル様に近付けば怖がられると思ってか、ハル様に近付く事もなかったのですが…ハル様も気付かない所ででも、カルザイン様は色々ハル様を助けておいででした。」
「そうなんですの!?」
私、全く知りませんでしたわ!え?何?エディオル様って、健気な方でしたの!?
「ですから、“氷の騎士が恋に落ちた”と耳にした時、ハル様への気持ちに整理をつけ、次の恋に進んだのか─と思いましたが、その相手がハル様だと分かった時、私は嬉しく思ったのです。」
そう言って優しく微笑むサエラ。本当に嬉しそうにするから、本当の事だと分かる。
「それじゃあ、ダメダメなままだったのは、お兄様だけだったんですのね…。情けないですわね…」
本当に、あの兄はどうしたら─と思っていたら…まさか、おばあ様が出て来るとは思わなかった。それに─
「ミヤ様までもが戻って来るなんて…サエラから見て、ミヤ様とお兄様は…有り得ると思う?」
「……」
サエラは、ニッコリと微笑んでいる─だけ。
人を見る目があるサエラ。
「──ですわよね?有り得ない…ですわよね?」
もう、いっその事、ミヤ様と結婚して、ミヤ様がお兄様を躾ては?とさえ思ってしまいましたわ─。
「ただ、王太子殿下のこれからの頑張りようで、有り得る事もあるかもしれませんが。ミヤ様は関係なく、もっとしっかりして頂きたいたいですね?」
「ふふっ。そうね。でも、本当に今回の事で十分、分かったのではないかしら?お母様もおばあ様も出て来たから、お兄様も変わるんじゃないかしら?」
「……そう願いましょう。」
苦笑いするサエラ。
ーお兄様は、余程頑張らなければ無理と言う事ですわねー
「そう言えば、王妃陛下が、今度ミヤ様とハル様とネージュ殿をお茶に誘う─と仰っておりましたが、ベラトリス様は如何なさいますか?」
「勿論、私も参加しますわ!」
「それでは、その様に王妃陛下にお伝えしておきます。」
私もまだ会った事がないフェンリル。モフモフが気持ち良いとか─それと、エディオル様の事も訊いてみたいですわね。お茶会が、楽しみですわ!
「モフモフではなく────美女ですの??」
お茶会当日、ミヤ様とハル様と一緒に来たフェンリルは、まさかの美女でした。長身で腰まで伸びた白い髪にアイスブルーの瞳。しかも
「スタイル抜群ですのね…」
そして、何故かハル様にギュッと抱き付いている。
「えっと…改めて名を交わしたら、擬人化しまして…。そこで初めてメス?女性?って判ったんです。それで、名前も“レフコース”ではなく、“ネージュ”になりました。宜しくお願いします。」
と、ハル様が恥ずかしそうに、はにかみながら説明をしてくれた。
「私、ウォーランド王国第一王女のベラトリスですわ。ネージュ様、これから宜しくお願い致しますわ。」
『ふむ。我の方こそ宜しく頼む。』
話し方が─おばあ様みたいですわね─と思い、ふふっと笑みが溢れる。後ろで聞いていたお母様とサエラも、そう思ったのだろう。同時にお母様も笑った。
「?何か…ありましたか?」
ハル様とネージュ様がシンクロするように、首を傾げて不思議そうな顔をする。
「ごめんなさい。その─ネージュ様の口調が、おばあ様に似ていて…。」
「「あぁ!!確かに!」」
と言って、ミヤ様とハル様が笑う。
『おばあ様?』
「ネージュは会った事ないけど…このベラトリス様のおばあ様で、王太后様なの。色々私達の事を助けてくれて、良い人なの。」
『ふむ。ならば、我もまた会ってみたいな』
ネージュ様は、嬉しそうに笑いながら、ハル様に更にギュッと抱き付く。
ー見ているとドキドキするのは…私だけですの?ー
チラリとお母様とミヤ様を見ると─
「─鍵を閉めるのよ──(ミヤ)」
「ほぅ──可愛いわねぇ─(王妃)」
「あらあら──(サエラ)」
どうやら、私だけではないようです。
それから少しお話をした後、ネージュ様がフェンリルの姿に戻り、お母様と2人で“モフモフ”させて頂きました。楽しかったし、癒されました。
ミヤ様、ハル様、今日はありがとうございました。これからも、宜しくお願い致しますわ。
イリス様から聞いた時、本当に信じられなかった。イリス様が嘘をつく必要はないから、本当の事なんでしょうけど─。
「ベラトリス様がそう思ってしまわれるのは…仕方が無いと思います。」
サエラはそう言いながらも、少し困った様に笑っている。
「?サエラは…何か知っていますの?」
そう言えば、サエラは、あの兄のやらかしの時、最初こそ怒ってはいたけど、それ以降はエディオル様に対して不快感を表す事はなかった。
「そうですねぇ…。あの時、何故カルザイン様がハル様に冷たい対応をされたのかは、よく分かりませんが…あれ以降のカルザイン様は、ずっとハル様の事を見守っているようでしたから…。」
「見守って?」
「はい。ハル様に近付けば怖がられると思ってか、ハル様に近付く事もなかったのですが…ハル様も気付かない所ででも、カルザイン様は色々ハル様を助けておいででした。」
「そうなんですの!?」
私、全く知りませんでしたわ!え?何?エディオル様って、健気な方でしたの!?
「ですから、“氷の騎士が恋に落ちた”と耳にした時、ハル様への気持ちに整理をつけ、次の恋に進んだのか─と思いましたが、その相手がハル様だと分かった時、私は嬉しく思ったのです。」
そう言って優しく微笑むサエラ。本当に嬉しそうにするから、本当の事だと分かる。
「それじゃあ、ダメダメなままだったのは、お兄様だけだったんですのね…。情けないですわね…」
本当に、あの兄はどうしたら─と思っていたら…まさか、おばあ様が出て来るとは思わなかった。それに─
「ミヤ様までもが戻って来るなんて…サエラから見て、ミヤ様とお兄様は…有り得ると思う?」
「……」
サエラは、ニッコリと微笑んでいる─だけ。
人を見る目があるサエラ。
「──ですわよね?有り得ない…ですわよね?」
もう、いっその事、ミヤ様と結婚して、ミヤ様がお兄様を躾ては?とさえ思ってしまいましたわ─。
「ただ、王太子殿下のこれからの頑張りようで、有り得る事もあるかもしれませんが。ミヤ様は関係なく、もっとしっかりして頂きたいたいですね?」
「ふふっ。そうね。でも、本当に今回の事で十分、分かったのではないかしら?お母様もおばあ様も出て来たから、お兄様も変わるんじゃないかしら?」
「……そう願いましょう。」
苦笑いするサエラ。
ーお兄様は、余程頑張らなければ無理と言う事ですわねー
「そう言えば、王妃陛下が、今度ミヤ様とハル様とネージュ殿をお茶に誘う─と仰っておりましたが、ベラトリス様は如何なさいますか?」
「勿論、私も参加しますわ!」
「それでは、その様に王妃陛下にお伝えしておきます。」
私もまだ会った事がないフェンリル。モフモフが気持ち良いとか─それと、エディオル様の事も訊いてみたいですわね。お茶会が、楽しみですわ!
「モフモフではなく────美女ですの??」
お茶会当日、ミヤ様とハル様と一緒に来たフェンリルは、まさかの美女でした。長身で腰まで伸びた白い髪にアイスブルーの瞳。しかも
「スタイル抜群ですのね…」
そして、何故かハル様にギュッと抱き付いている。
「えっと…改めて名を交わしたら、擬人化しまして…。そこで初めてメス?女性?って判ったんです。それで、名前も“レフコース”ではなく、“ネージュ”になりました。宜しくお願いします。」
と、ハル様が恥ずかしそうに、はにかみながら説明をしてくれた。
「私、ウォーランド王国第一王女のベラトリスですわ。ネージュ様、これから宜しくお願い致しますわ。」
『ふむ。我の方こそ宜しく頼む。』
話し方が─おばあ様みたいですわね─と思い、ふふっと笑みが溢れる。後ろで聞いていたお母様とサエラも、そう思ったのだろう。同時にお母様も笑った。
「?何か…ありましたか?」
ハル様とネージュ様がシンクロするように、首を傾げて不思議そうな顔をする。
「ごめんなさい。その─ネージュ様の口調が、おばあ様に似ていて…。」
「「あぁ!!確かに!」」
と言って、ミヤ様とハル様が笑う。
『おばあ様?』
「ネージュは会った事ないけど…このベラトリス様のおばあ様で、王太后様なの。色々私達の事を助けてくれて、良い人なの。」
『ふむ。ならば、我もまた会ってみたいな』
ネージュ様は、嬉しそうに笑いながら、ハル様に更にギュッと抱き付く。
ー見ているとドキドキするのは…私だけですの?ー
チラリとお母様とミヤ様を見ると─
「─鍵を閉めるのよ──(ミヤ)」
「ほぅ──可愛いわねぇ─(王妃)」
「あらあら──(サエラ)」
どうやら、私だけではないようです。
それから少しお話をした後、ネージュ様がフェンリルの姿に戻り、お母様と2人で“モフモフ”させて頂きました。楽しかったし、癒されました。
ミヤ様、ハル様、今日はありがとうございました。これからも、宜しくお願い致しますわ。
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