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第六章ー帰還ー
パルヴァン邸へ
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「さてと。今からはどう動く?」
あれから、ミヤさんと話している時に思い出した。
「あ、秘密のポーチの中に、回復のポーションを入れてました!」
「…ハル…気付くの遅過ぎだから…。」
そう。2人とも、体の痛みが無くなった後だったのだ。でも、取り敢えず─と言う事で、2人ともそのポーションを飲みました。勿論、完全復活です!
「動く前に、今、聖女や魔法使いがどうなったのか…ですよね?」
「だよね─。後は…その周りの人間がどうなってるか─だね。」
ー“周りの人間”かー
「ハル、最後に、ハルが知ってる範囲で、グレン様は直接関わって無かったのよね?」
「はい。パルヴァン様は、その時にはここに帰って来ていたので、王城どころか王都にも居ませんでした。」
「なら、取り敢えず…グレン様に会いに行かない?きっと、グレン様なら、何かあってもハルを守ってくれると思うし、王都の情報も持ってると思うんだよね。」
確かに。パルヴァン様は、いつも私を守ってくれていた。それに、情報一つで生死に関わると言っていたから、きっと色んな情報を持っているだろう。
「そうですね。ちょっと怖い気もするけど…行ってみましょう!─あっ!!」
「何?どうしたの!?」
また同じ事を繰り返すところだった!!
「あのですね?このパルヴァンの森は、基本的には立入禁止区域なんです。そんな場所から急に人が出て来るとですね?問答無用で拘束されるんです!」
「…ハル、それ、経験済みなの?」
「はい…。あの時…還れなかった直後に体験しました。」
ギュウッ
ーはい。無言でミヤさんに抱き締められましたー
「ハル─よく1人で頑張ったね?」
「……」
ーミヤさんに抱き締められるとホッとするなぁー
「また、落ち着いたらさぁ…誰かに何かやられた事が他にあったら、全部教えてくれる?」
ーえっと─???ー
「ハルはお人好しだから、何か理不尽な事をされても、“私も悪かった”って思ったりして、何でも許してそうじゃない?」
ーう゛っ…ー
「それじゃあ…駄目なんだよね…。ちゃんと、相手に分かってもらわないと─ね?二度、三度は無しなのよね─。ふふっ」
ーあれ?ここに…裏ボスが居ますよ?ー
ミヤさんとの話し合いの結界、騒がれたりすると、そこからどうなるか分からない─と言うと事で、気配を消す魔法と認識阻害の魔法を重ね掛けして、パルヴァン様の所まで行く─と、言う事になった。
「魔法の重ね掛け…ハルは…やっぱりチートだよね…。」
「ミヤさんの浄化力もチートですけどね?2年近く経っても、何処にも穢れが出てませんからね?」
「ふふっ…それは、良かったわ。」
森を出て、パルヴァン邸の門に辿り着く。
ーあぁ…久し振りに…帰って来たなぁー
新たな聖女様を見るだけのつもりで、王都に行っただけだったのに。色んな事が─あり過ぎたよね!?え?私…厄年だったっけ?
「……」
チラリと、橫に居るミヤさんを見る。
日本に還って、お姉さん達にいっぱい話を聞いてもらった。そして、今、隣にはミヤさんが居て…。心が軽くて…気持ちにも余裕がある。
『間違ったかもしれないけど─後悔もいっぱいするかもしれないけど…きっと、この選択は、琴音にとって必要な事だったんだよ…。』
ーうん。私は、ここからまた、前に進んで行く。進んで行けるー
そして、ミヤさんから視線を前に戻し、誰にも気付かれる事なく、パルヴァン邸の門を潜り抜けた。
久し振りに帰って来た、パルヴァン辺境地の邸。懐かしい感じだけど…
ー何だか、いつもより…静かな感じ??ー
取り敢えず、パルヴァン様の執務室を目指す。
すると、丁度、誰かがパルヴァン様の執務室から出て来るところで、扉が開いた。
ミヤさんと顔を見合せ、お互いコクリと頷き、早足で執務室迄行き、扉が開いているうちにスルリと中に入った。
パタン
扉が閉まり、執務室の中を確認すると、そこには─
パルヴァン様とシルヴィア様とレオン様とティモスさんとリディさんが居た。
ーあぁ…本当に…久し振りだなぁー
「─それで?その魔法使いと…聖女の扱いはどうなっている?」
「実は─」
パルヴァン様の質問に、リディさんが答えようとした時、パルヴァン様がスッと手を上げ、リディさんの発言を止めた。
「─誰か…居るのか?」
と、軽く威圧を掛けながら視線を巡らせる。それと同時に、シルヴィア様達の纏う空気もピリッとなった。
ー流石は…パルヴァンの騎士様達ですよねー
私とミヤさんは、また顔を見合せ頷き合う。
前以て話していた事だ。パルヴァン様に姿を見せる時は、先ずは私だけ。それから話をして問題が無いと確認ができたら、ミヤさんも姿を表す─。
そして、私はソッと深呼吸をして─
自分に掛けていた、気配を消す魔法と認識阻害の魔法を解いた─。
あれから、ミヤさんと話している時に思い出した。
「あ、秘密のポーチの中に、回復のポーションを入れてました!」
「…ハル…気付くの遅過ぎだから…。」
そう。2人とも、体の痛みが無くなった後だったのだ。でも、取り敢えず─と言う事で、2人ともそのポーションを飲みました。勿論、完全復活です!
「動く前に、今、聖女や魔法使いがどうなったのか…ですよね?」
「だよね─。後は…その周りの人間がどうなってるか─だね。」
ー“周りの人間”かー
「ハル、最後に、ハルが知ってる範囲で、グレン様は直接関わって無かったのよね?」
「はい。パルヴァン様は、その時にはここに帰って来ていたので、王城どころか王都にも居ませんでした。」
「なら、取り敢えず…グレン様に会いに行かない?きっと、グレン様なら、何かあってもハルを守ってくれると思うし、王都の情報も持ってると思うんだよね。」
確かに。パルヴァン様は、いつも私を守ってくれていた。それに、情報一つで生死に関わると言っていたから、きっと色んな情報を持っているだろう。
「そうですね。ちょっと怖い気もするけど…行ってみましょう!─あっ!!」
「何?どうしたの!?」
また同じ事を繰り返すところだった!!
「あのですね?このパルヴァンの森は、基本的には立入禁止区域なんです。そんな場所から急に人が出て来るとですね?問答無用で拘束されるんです!」
「…ハル、それ、経験済みなの?」
「はい…。あの時…還れなかった直後に体験しました。」
ギュウッ
ーはい。無言でミヤさんに抱き締められましたー
「ハル─よく1人で頑張ったね?」
「……」
ーミヤさんに抱き締められるとホッとするなぁー
「また、落ち着いたらさぁ…誰かに何かやられた事が他にあったら、全部教えてくれる?」
ーえっと─???ー
「ハルはお人好しだから、何か理不尽な事をされても、“私も悪かった”って思ったりして、何でも許してそうじゃない?」
ーう゛っ…ー
「それじゃあ…駄目なんだよね…。ちゃんと、相手に分かってもらわないと─ね?二度、三度は無しなのよね─。ふふっ」
ーあれ?ここに…裏ボスが居ますよ?ー
ミヤさんとの話し合いの結界、騒がれたりすると、そこからどうなるか分からない─と言うと事で、気配を消す魔法と認識阻害の魔法を重ね掛けして、パルヴァン様の所まで行く─と、言う事になった。
「魔法の重ね掛け…ハルは…やっぱりチートだよね…。」
「ミヤさんの浄化力もチートですけどね?2年近く経っても、何処にも穢れが出てませんからね?」
「ふふっ…それは、良かったわ。」
森を出て、パルヴァン邸の門に辿り着く。
ーあぁ…久し振りに…帰って来たなぁー
新たな聖女様を見るだけのつもりで、王都に行っただけだったのに。色んな事が─あり過ぎたよね!?え?私…厄年だったっけ?
「……」
チラリと、橫に居るミヤさんを見る。
日本に還って、お姉さん達にいっぱい話を聞いてもらった。そして、今、隣にはミヤさんが居て…。心が軽くて…気持ちにも余裕がある。
『間違ったかもしれないけど─後悔もいっぱいするかもしれないけど…きっと、この選択は、琴音にとって必要な事だったんだよ…。』
ーうん。私は、ここからまた、前に進んで行く。進んで行けるー
そして、ミヤさんから視線を前に戻し、誰にも気付かれる事なく、パルヴァン邸の門を潜り抜けた。
久し振りに帰って来た、パルヴァン辺境地の邸。懐かしい感じだけど…
ー何だか、いつもより…静かな感じ??ー
取り敢えず、パルヴァン様の執務室を目指す。
すると、丁度、誰かがパルヴァン様の執務室から出て来るところで、扉が開いた。
ミヤさんと顔を見合せ、お互いコクリと頷き、早足で執務室迄行き、扉が開いているうちにスルリと中に入った。
パタン
扉が閉まり、執務室の中を確認すると、そこには─
パルヴァン様とシルヴィア様とレオン様とティモスさんとリディさんが居た。
ーあぁ…本当に…久し振りだなぁー
「─それで?その魔法使いと…聖女の扱いはどうなっている?」
「実は─」
パルヴァン様の質問に、リディさんが答えようとした時、パルヴァン様がスッと手を上げ、リディさんの発言を止めた。
「─誰か…居るのか?」
と、軽く威圧を掛けながら視線を巡らせる。それと同時に、シルヴィア様達の纏う空気もピリッとなった。
ー流石は…パルヴァンの騎士様達ですよねー
私とミヤさんは、また顔を見合せ頷き合う。
前以て話していた事だ。パルヴァン様に姿を見せる時は、先ずは私だけ。それから話をして問題が無いと確認ができたら、ミヤさんも姿を表す─。
そして、私はソッと深呼吸をして─
自分に掛けていた、気配を消す魔法と認識阻害の魔法を解いた─。
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