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第三章ー浄化巡礼の旅ー
歪みの地③
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*本日は、2話投稿予定です*
*少し、血生臭い表現があります*
「なっ!?アーシム!?」
アーシムが結界内に入り込んだ瞬間、結界が完成した。その行動に驚き叫んだのは、同国の結界を張っていた魔導師…名前はユスリー様。
「ユスリー殿、アーシムの事は今は置いといて結界に集中しろ!他の者も、今はとにかく結界が破られないようにするように!」
魔導師長が、魔道具を使い皆に伝える。
一気に緊張が高まる中、アーシムが攻撃魔法を展開させる。琢磨もその動きに気付き、臨戦態勢をとるように動く。
ー思い通りにはさせない!ー
私はアーシムに気付かれないように、無詠唱で防御魔法を展開させる。
「タクマ様、そこから動かないで!」
私の声に先ず驚いたのがアーシム。攻撃魔法を雪に向かって打った後、私を振り返った。私もアーシムとほぼ同じタイミングで琢磨と雪に魔法を放った。琢磨はグッと力を入れて自身の動きを止める。そして、アーシムが打った攻撃魔法は私の放った防御魔法にぶつかり砕け散った。
「お前…」
アーシムが、私を見据える。私も視線を反らさず見つめ返す。
「ふん…一番厄介なのはアイツだと思ったが…とんだ伏兵が居たもんだなぁ…」
厄介だと言いながらも、アーシムは楽し気に口をニヤけさせている。
「少しは…楽しませてくれるか?」
そう言い終わると同時に、私に向かって攻撃を仕掛けてきた。雪から距離をとる為、その攻撃をかわしながら、攻撃で押されているかのように少しずつ後退する。
「ミューさん!」
琢磨が声を揚げた。
「タクマ様!絶対にそこから動かないで下さい!あなたがするべき事は、聖女であるユキ様を守る事だけです!それと同時に、ユキ様に私達の姿を見せないようににして下さい!絶対に私を守ろうと…助けようとしないで下さい!」
「ー!!」
私からの拒絶で、琢磨は顔色を悪くした。
そう。琢磨が守るべきは聖女である雪だけ。何があっても、私を助けようとしてはいけない。私だって、簡単に殺られる気はないけど。
その間にも、アーシムからの攻撃は続く。
ー流石は魔族。魔力が強いー
少しの油断も許されないだろう。アーシムの動きを焦らずしっかり目で追って行く。長期戦になると、こちらの不利になるだろう。隙やチャンスを逃さないようにしないとー。と思った瞬間、アーシムが琢磨と雪に向かって大きな攻撃魔法を打った。
「ーっ!タクマ様!!」
私も慌てて防御魔法を放ったが…間に合わない!?
ーバシンッー
大きな音を立てて攻撃が琢磨にぶつかった。
「っ!?」
「へーぇ…お前もちょっとはやるなぁ」
どうやら、琢磨も防御魔法を展開していたようで、琢磨も雪も無事であった。雪に至っては、遮断防御魔法のお陰で、まだこちらの騒動には気付かず、"歪み"の浄化を続けている。
アーシムが琢磨に意識を向けている間に、私が少し距離を詰め攻撃を仕掛ける。
「甘い攻撃だね」
と、呆れ顔で私の攻撃魔法を片手で受け止めようとした…のだが…
「なっ!?」
その受け止めようとした手に攻撃がぶつかり、その手から血が溢れた。
そう、攻撃自体は強い物ではないが、浄化作用のある魔法を組み込んだ攻撃なので、魔族にとっては毒と同じような働きをする。穢れや淀みなどに触れると浄化作用が働く。普通の人間であれば治癒になるが、悪しき魔力を持つ魔族にとっては逆に毒となる。その悪しき魔力を浄化し奪って行くのだ。
「ーっく…」
アーシムの顔が歪むが…次の瞬間、攻撃を受けた側の腕を自身の反対側の手で切り捨てた。一瞬血が溢れたが、それは本当に一瞬で…すぐに切り捨てられて腕が再生されたのだ。
ー魔族を倒すにはこれ位では駄目なのか…やっぱり…一撃で息の根を止めるしか…心臓を狙うしかないのかー
倒し方がハッキリして良かったと喜ぶべきか、更に大変な事になったと悲観すべきか…。まぁ、とにかく、最悪雪の浄化と修正までもてばいい。それが終われば、ここに居る魔導師や魔法使いも動けるようになる。となれば…長期戦覚悟で踏ん張るしかない。
「ミューさん!俺はミューさんを助けないし守りません。だけど、必ず雪は守ります。だから、こっちの事は気にしないで下さい!」
ー琢磨…らしいなぁ…ー
「ありがとうございます。ですが、タクマ様。タクマ様ご自身の事も必ず守って下さいね。」
それを最後に、私はアーシムに意識を集中させた。
「うんうん。少しは楽しめるね。でも…さっきのは痛かったなぁ。再生できるけどさぁ、痛いのは痛いし、痛いのは嫌いなんだよね…」
と口をニヤッとさせ、一気に私との距離を詰め至近距離で攻撃を仕掛けられた。
ーっ!?ー
急いで防御魔法を展開し直撃は免れたが、先程私がアーシムに攻撃したのと同じ箇所に衝撃を受けた。
「ははっ!結構やるね?でもー遅いよ?」
アーシムに攻撃を仕掛け距離をとろうとするが、その攻撃をかわされかわされ、更に距離を縮められ髪を鷲掴みにされた。
「ーっ!」
そのまま顔を上に向けさせられ、至近距離で目が合う。
「あぁ…何かおかしいと思ったら…。お前、そのままで俺に勝てると思ってるの?人間ごときが…俺の事馬鹿にしてるの?」
アーシムに、一瞬でバレてしまった。
*少し、血生臭い表現があります*
「なっ!?アーシム!?」
アーシムが結界内に入り込んだ瞬間、結界が完成した。その行動に驚き叫んだのは、同国の結界を張っていた魔導師…名前はユスリー様。
「ユスリー殿、アーシムの事は今は置いといて結界に集中しろ!他の者も、今はとにかく結界が破られないようにするように!」
魔導師長が、魔道具を使い皆に伝える。
一気に緊張が高まる中、アーシムが攻撃魔法を展開させる。琢磨もその動きに気付き、臨戦態勢をとるように動く。
ー思い通りにはさせない!ー
私はアーシムに気付かれないように、無詠唱で防御魔法を展開させる。
「タクマ様、そこから動かないで!」
私の声に先ず驚いたのがアーシム。攻撃魔法を雪に向かって打った後、私を振り返った。私もアーシムとほぼ同じタイミングで琢磨と雪に魔法を放った。琢磨はグッと力を入れて自身の動きを止める。そして、アーシムが打った攻撃魔法は私の放った防御魔法にぶつかり砕け散った。
「お前…」
アーシムが、私を見据える。私も視線を反らさず見つめ返す。
「ふん…一番厄介なのはアイツだと思ったが…とんだ伏兵が居たもんだなぁ…」
厄介だと言いながらも、アーシムは楽し気に口をニヤけさせている。
「少しは…楽しませてくれるか?」
そう言い終わると同時に、私に向かって攻撃を仕掛けてきた。雪から距離をとる為、その攻撃をかわしながら、攻撃で押されているかのように少しずつ後退する。
「ミューさん!」
琢磨が声を揚げた。
「タクマ様!絶対にそこから動かないで下さい!あなたがするべき事は、聖女であるユキ様を守る事だけです!それと同時に、ユキ様に私達の姿を見せないようににして下さい!絶対に私を守ろうと…助けようとしないで下さい!」
「ー!!」
私からの拒絶で、琢磨は顔色を悪くした。
そう。琢磨が守るべきは聖女である雪だけ。何があっても、私を助けようとしてはいけない。私だって、簡単に殺られる気はないけど。
その間にも、アーシムからの攻撃は続く。
ー流石は魔族。魔力が強いー
少しの油断も許されないだろう。アーシムの動きを焦らずしっかり目で追って行く。長期戦になると、こちらの不利になるだろう。隙やチャンスを逃さないようにしないとー。と思った瞬間、アーシムが琢磨と雪に向かって大きな攻撃魔法を打った。
「ーっ!タクマ様!!」
私も慌てて防御魔法を放ったが…間に合わない!?
ーバシンッー
大きな音を立てて攻撃が琢磨にぶつかった。
「っ!?」
「へーぇ…お前もちょっとはやるなぁ」
どうやら、琢磨も防御魔法を展開していたようで、琢磨も雪も無事であった。雪に至っては、遮断防御魔法のお陰で、まだこちらの騒動には気付かず、"歪み"の浄化を続けている。
アーシムが琢磨に意識を向けている間に、私が少し距離を詰め攻撃を仕掛ける。
「甘い攻撃だね」
と、呆れ顔で私の攻撃魔法を片手で受け止めようとした…のだが…
「なっ!?」
その受け止めようとした手に攻撃がぶつかり、その手から血が溢れた。
そう、攻撃自体は強い物ではないが、浄化作用のある魔法を組み込んだ攻撃なので、魔族にとっては毒と同じような働きをする。穢れや淀みなどに触れると浄化作用が働く。普通の人間であれば治癒になるが、悪しき魔力を持つ魔族にとっては逆に毒となる。その悪しき魔力を浄化し奪って行くのだ。
「ーっく…」
アーシムの顔が歪むが…次の瞬間、攻撃を受けた側の腕を自身の反対側の手で切り捨てた。一瞬血が溢れたが、それは本当に一瞬で…すぐに切り捨てられて腕が再生されたのだ。
ー魔族を倒すにはこれ位では駄目なのか…やっぱり…一撃で息の根を止めるしか…心臓を狙うしかないのかー
倒し方がハッキリして良かったと喜ぶべきか、更に大変な事になったと悲観すべきか…。まぁ、とにかく、最悪雪の浄化と修正までもてばいい。それが終われば、ここに居る魔導師や魔法使いも動けるようになる。となれば…長期戦覚悟で踏ん張るしかない。
「ミューさん!俺はミューさんを助けないし守りません。だけど、必ず雪は守ります。だから、こっちの事は気にしないで下さい!」
ー琢磨…らしいなぁ…ー
「ありがとうございます。ですが、タクマ様。タクマ様ご自身の事も必ず守って下さいね。」
それを最後に、私はアーシムに意識を集中させた。
「うんうん。少しは楽しめるね。でも…さっきのは痛かったなぁ。再生できるけどさぁ、痛いのは痛いし、痛いのは嫌いなんだよね…」
と口をニヤッとさせ、一気に私との距離を詰め至近距離で攻撃を仕掛けられた。
ーっ!?ー
急いで防御魔法を展開し直撃は免れたが、先程私がアーシムに攻撃したのと同じ箇所に衝撃を受けた。
「ははっ!結構やるね?でもー遅いよ?」
アーシムに攻撃を仕掛け距離をとろうとするが、その攻撃をかわされかわされ、更に距離を縮められ髪を鷲掴みにされた。
「ーっ!」
そのまま顔を上に向けさせられ、至近距離で目が合う。
「あぁ…何かおかしいと思ったら…。お前、そのままで俺に勝てると思ってるの?人間ごときが…俺の事馬鹿にしてるの?」
アーシムに、一瞬でバレてしまった。
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