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「他人と話して、こんなに疲れたのは初めてだったわ……」
「助ける事ができなくて、すみませんでした。」
「ヴァレリアが謝る必要なんてないわ。あれは……誰でも無理よ。言葉が通じないんだもの…。」
あれは、誰が何を言おうが無理だ。逆に、ヴァレリアが入って来ていたら、もっと酷い事になっていたかもしれない。
しかも、あれは……お兄様が最も嫌悪を抱くタイプだ。そんな彼女が、お兄様に何かしてしまったら……後で王太子にでも釘を刺しておこう。
取り敢えずは、サクソニア様のお陰で、私とヴァレリアはオコーエル様から逃げられて良かった─と思いながら、私とヴァレリアは王城に案内された応接室でゆっくりと寛いだ。
「今回の事は、本当にすまなかった。」
と言いながら頭を下げて謝っているのは、レイノックス王国の王太子エデルバート様。
謝っている理由は2つあり、その2つともの原因がこの国の貴族であるエリアナ=オコーエル様だったからだ。
私達が王城に来てから3時間。その間、国王両陛下を含めた話し合い?事情聴取?が行われていたんだろう。目の前の王太子が、いつもよりヨレヨレ─やつれている様に見える。
「何と言うか……ある意味、良い経験をさせてもらいました。ただ……兄─レナルド王太子が、どう出て来るかは微妙なところです。“大丈夫です”とは言えません。」
「……そうか……そうだろうと…思っていた……。」
「すみません。私では……多分、押さえる事はできないと思います。彼女は、兄にとって……地雷のようなタイプなので。あの夜会の事だけで終わっていたら、まだ何とかなったかもしれませんが、今日の事が耳に入ったら…いえ、多分確実に入ると思うので、“何も無し”にはならないと思います。」
まぁ、それでも、一応は聖女様なのだから、最低限の罰を科すぐらいになるだろうけど。
「それも、仕方無い事だと理解している。喩え彼女が優秀な聖女だとしても、彼女の行動はあまりにも愚か過ぎる。それに……我が国には幸いな事に、彼女以外にも4人も聖女が居るからね。」
「そうですね……ところで……聖女リルとロルフ第二王子はどうなりましたか?早速、ロルフ様が動いたとお聞きしましたけど…。」
「あぁ!それなら、うまくいきそうだよ。リル嬢の事は、もともと父も母も気に入ってはいたからね。後は、リル嬢本人の意思次第にはなるけど、彼女がロルフを受け入れてくれるなら、婚約を結ぶ予定だ。」
人間族の貴族の結婚は、身分や爵位に左右される。平民と王族の結婚は有り得ない。ただ、リルが聖女だった事が幸いだった。
リルがロルフ様を受け入れたなら、リルは一度、とある侯爵家の養子になり、そこで2年程過ごしてから、侯爵令嬢としてロルフ第二王子と結婚する事になるそうだ。
これは、実力主義の獣人族とは全く違うものだ。
獣人族は、実力さえあれば、身分爵位に関係なく結婚できる。
「それなら、良かったです。」
後は、リル次第だ。
「それでは、私達はそろそろ学園の寮に帰ります。」
「ヴィンス、学園迄送って行ってくれ。」
「あ、ぶらぶらしながら帰ろうかと思っているので、ヴァレリアと2人で──」
「それなら、尚の事、付き添わせていただきます。」
迷惑になるだろうから断ろうとすれば、サクソニア様から逆に、念押しされてしまった。王太子もうんうんと頷いている。
「……それでは…宜しくお願いします。」
それから、王太子に挨拶をしてから、王城を後にした。
「そう言えば……サクソニア様とオコーエル様って、仲が良いんですか?」
「──はい?……………何故そのような考えになったか………聞かせていただけますか?」
ーあ…あれ?間違ってる?ー
「えっと………食堂で……オコーエル様が“ヴィンス様”と…名前呼びをしていたので……。それに、歳は違いますけど、同じ公爵なので…実は仲が良───」
「全くの誤解ですね。同じ公爵なのは認めますが、仲が良かった事など一度もありませんし、これからも無いでしょう。まともに会話した事すらありません。なので、彼女に名前呼びを許した事も覚えもありません。」
「そ……そう……なんですね?すみません。」
ーこれ、地雷だったのねー
「分かっていただけたなら良かったです。」
ニッコリ微笑むその笑顔には、たっぷりの威圧が含まれている。
しかし……やっぱり本当にオコーエル様は凄い。イケメン全て等しく許可無くの名前呼び。
「少し見て良いですか?」と、ヴァレリアが路上で売っている花屋の花を見ているのを待っていると
「クルーデン嬢になら……私を名前で呼んでいただいても……良いなとは思いますけどね。」
「───え?」
横に立っているサクソニア様を見上げると、私を見ている、その視線とぶつかった。そのサクソニア様の目は、更に細くなり
「クルーデン──ルチア嬢になら、名前呼びされても良いと思ってるって事ですよ。あぁ、すみません。許しを得てもいないのに、名前呼びしてしまいました。」
「……」
口では謝っているのに、全く悪びれていないのが……何とも憎らしいけど憎めないのが不思議だ。
「全く“悪い”とは思ってませんよね?ふふっ。別に……“ルチア”で構いませんよ。公爵のご子息様に言われたら…断れませんしね?」
「なるほど……じゃあ……ルチア嬢、俺の事も、“ヴィンス”と呼んでくれ。」
「──っ!?」
ニヤリ─と笑うサクソニア様は、たまに……近衛騎士とは違う顔を出す。そんなサクソニア様─改め、ヴィンス様には、その度にドキドキさせられる。それは困ったものだけど、それが嫌じゃなかったりもする。
「──頑張ってみます………。」
「……頑張って下さい。くくっ……。」
と、何故かヴィンス様には笑われた。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
✧♪•*¨*•.¸¸♫(。˃ ᵕ ˂ *)♫•*¨*•.¸¸♪✧
「助ける事ができなくて、すみませんでした。」
「ヴァレリアが謝る必要なんてないわ。あれは……誰でも無理よ。言葉が通じないんだもの…。」
あれは、誰が何を言おうが無理だ。逆に、ヴァレリアが入って来ていたら、もっと酷い事になっていたかもしれない。
しかも、あれは……お兄様が最も嫌悪を抱くタイプだ。そんな彼女が、お兄様に何かしてしまったら……後で王太子にでも釘を刺しておこう。
取り敢えずは、サクソニア様のお陰で、私とヴァレリアはオコーエル様から逃げられて良かった─と思いながら、私とヴァレリアは王城に案内された応接室でゆっくりと寛いだ。
「今回の事は、本当にすまなかった。」
と言いながら頭を下げて謝っているのは、レイノックス王国の王太子エデルバート様。
謝っている理由は2つあり、その2つともの原因がこの国の貴族であるエリアナ=オコーエル様だったからだ。
私達が王城に来てから3時間。その間、国王両陛下を含めた話し合い?事情聴取?が行われていたんだろう。目の前の王太子が、いつもよりヨレヨレ─やつれている様に見える。
「何と言うか……ある意味、良い経験をさせてもらいました。ただ……兄─レナルド王太子が、どう出て来るかは微妙なところです。“大丈夫です”とは言えません。」
「……そうか……そうだろうと…思っていた……。」
「すみません。私では……多分、押さえる事はできないと思います。彼女は、兄にとって……地雷のようなタイプなので。あの夜会の事だけで終わっていたら、まだ何とかなったかもしれませんが、今日の事が耳に入ったら…いえ、多分確実に入ると思うので、“何も無し”にはならないと思います。」
まぁ、それでも、一応は聖女様なのだから、最低限の罰を科すぐらいになるだろうけど。
「それも、仕方無い事だと理解している。喩え彼女が優秀な聖女だとしても、彼女の行動はあまりにも愚か過ぎる。それに……我が国には幸いな事に、彼女以外にも4人も聖女が居るからね。」
「そうですね……ところで……聖女リルとロルフ第二王子はどうなりましたか?早速、ロルフ様が動いたとお聞きしましたけど…。」
「あぁ!それなら、うまくいきそうだよ。リル嬢の事は、もともと父も母も気に入ってはいたからね。後は、リル嬢本人の意思次第にはなるけど、彼女がロルフを受け入れてくれるなら、婚約を結ぶ予定だ。」
人間族の貴族の結婚は、身分や爵位に左右される。平民と王族の結婚は有り得ない。ただ、リルが聖女だった事が幸いだった。
リルがロルフ様を受け入れたなら、リルは一度、とある侯爵家の養子になり、そこで2年程過ごしてから、侯爵令嬢としてロルフ第二王子と結婚する事になるそうだ。
これは、実力主義の獣人族とは全く違うものだ。
獣人族は、実力さえあれば、身分爵位に関係なく結婚できる。
「それなら、良かったです。」
後は、リル次第だ。
「それでは、私達はそろそろ学園の寮に帰ります。」
「ヴィンス、学園迄送って行ってくれ。」
「あ、ぶらぶらしながら帰ろうかと思っているので、ヴァレリアと2人で──」
「それなら、尚の事、付き添わせていただきます。」
迷惑になるだろうから断ろうとすれば、サクソニア様から逆に、念押しされてしまった。王太子もうんうんと頷いている。
「……それでは…宜しくお願いします。」
それから、王太子に挨拶をしてから、王城を後にした。
「そう言えば……サクソニア様とオコーエル様って、仲が良いんですか?」
「──はい?……………何故そのような考えになったか………聞かせていただけますか?」
ーあ…あれ?間違ってる?ー
「えっと………食堂で……オコーエル様が“ヴィンス様”と…名前呼びをしていたので……。それに、歳は違いますけど、同じ公爵なので…実は仲が良───」
「全くの誤解ですね。同じ公爵なのは認めますが、仲が良かった事など一度もありませんし、これからも無いでしょう。まともに会話した事すらありません。なので、彼女に名前呼びを許した事も覚えもありません。」
「そ……そう……なんですね?すみません。」
ーこれ、地雷だったのねー
「分かっていただけたなら良かったです。」
ニッコリ微笑むその笑顔には、たっぷりの威圧が含まれている。
しかし……やっぱり本当にオコーエル様は凄い。イケメン全て等しく許可無くの名前呼び。
「少し見て良いですか?」と、ヴァレリアが路上で売っている花屋の花を見ているのを待っていると
「クルーデン嬢になら……私を名前で呼んでいただいても……良いなとは思いますけどね。」
「───え?」
横に立っているサクソニア様を見上げると、私を見ている、その視線とぶつかった。そのサクソニア様の目は、更に細くなり
「クルーデン──ルチア嬢になら、名前呼びされても良いと思ってるって事ですよ。あぁ、すみません。許しを得てもいないのに、名前呼びしてしまいました。」
「……」
口では謝っているのに、全く悪びれていないのが……何とも憎らしいけど憎めないのが不思議だ。
「全く“悪い”とは思ってませんよね?ふふっ。別に……“ルチア”で構いませんよ。公爵のご子息様に言われたら…断れませんしね?」
「なるほど……じゃあ……ルチア嬢、俺の事も、“ヴィンス”と呼んでくれ。」
「──っ!?」
ニヤリ─と笑うサクソニア様は、たまに……近衛騎士とは違う顔を出す。そんなサクソニア様─改め、ヴィンス様には、その度にドキドキさせられる。それは困ったものだけど、それが嫌じゃなかったりもする。
「──頑張ってみます………。」
「……頑張って下さい。くくっ……。」
と、何故かヴィンス様には笑われた。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
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