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最終話
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❋朝8時半投稿のお話に、朝の9時頃にロゼリアについて少しだけ加筆しています❋
カミリア王女の結婚式は本当に素敵だった。
お相手の第三王子は、絵本に出て来るような金髪碧眼の王子様───ではなく、どちらかと言えば強面顔な王子様だった。
少しつり上がった切れ長の目に、黒色の長髪。数年前、魔獣から父親である国王を庇った時にできた傷が、左頬に薄っすらと残っている。
「その傷痕が、更に格好良さを増しているのよ!」
と、頬を赤らめながら惚気られました。本当に、カミリア王女はその第三王子の事が好きなんだろうなと思った。
それに、その第三王子も、見た目は強面だけど、カミリア王女を見つめる目はとても優しいものだった。
貴族は勿論の事、王族の結婚において、相思相愛で結ばれると言う事は、まだまだ数少ないそうで、この2人の恋愛結婚は珍しいとの事だった。
カミリア王女には、水の精霊ウンディーネ様からの祝福がある。カミリア王女が国王に立てば、この国は更に豊かになるだろう。
そして、おめでたい事は続くようで──
「リナとイツキの婚約が調った。」
「そうなんですね!!」
初めて顔を合わせた慰労会から、リナティアさんと樹君は私やリュークレインさんを通して会うようになり、少しずつ距離を縮めて行っていた。凛としていたリナティアさんも素敵だったけど、樹君と居る時のリナティアさんは、よく自然と笑っていた。そんな笑顔のリナティアさんと、これまた笑顔の樹君。この2人を見ていると、「早く、くっつけばいいのに!」と、ジリジリとした気持ちになっていたのだ。
それで、ようやくの婚約成立。あのお馬鹿な王子で傷付いたリナティアさん。今度こそ、樹君と幸せになって欲しい。
美緒さんはと言うと───美緒さんはあれから、あっと言う間に気になっていたと言う魔導士さんと結婚をした。あの、慰労会以降、何度かデートをした後、ある日突然「結婚しました!」と報告を受け、皆して驚いた。
ーえ?大丈夫??ー
と心配したりもしたけど、2人は本当に仲が良くて………現在、妊娠5ヶ月目に突入。計算が合わないような気もしなくもいけど、2人ともが幸せそうだから、まぁ良いか?となった。しかも、相手の魔導士さんは侯爵家の三男。家督を継ぐ事は無いが、自身が男爵の身分を持っているらしく、美緒さんは男爵夫人となった。
「日本人の私が…貴族……男爵夫人とか………」
と、遠い目をしていたけど、私も将来は“公爵夫人”だ。
「“お蝶夫人”じゃないんだよね?」
「うん。テニスは……しないね?」
と、クスクスと笑っていた私と美緒さんを、リュークレインさん達は不思議そうな顔で見ていた。
「キョウコは、レインと一緒に幸せにね。でも、いつでも帰って来て良いからね?」
そう言って、アシーナさんは東の森の邸に帰って行った。
浄化巡礼が終わった後も、色々な事後処理等で王都のアリスタ邸で過ごしていたアシーナさんだが、カミリア王女の結婚、リナティアさんの婚約成立、そして──
リュークレインさんと私の結婚式が終わると、その日のうちに東の森へと帰ってしまったのだ。
「寂しい?」
「少し…だけ。でも、これからは、リュークレインさんが居るから……それに、今生のお別れってワケじゃないから。」
フワリと微笑めば、リュークレインさんに抱き上げられて、今日からお世話になる夫婦の寝室へと運ばれた。
結婚式を無事に終えた私達。その夜は……初夜だ。
「あの…リュークレ………」
「─レイン」
「はい?」
「もう、夫婦になったんだから、“レイン”とか“リュー”と呼んで欲しい。」
私に請うように視線を合わせたまま、私の手の平にキスをする。
ー色気が……半端無い!ー
「────レイ……ン─────っ!」
そう呼んだのが合図となったかのように、私はあっと言う間にリュー………レインさんに絡めとられたのだった。
ホワホワとした気持ちで目が覚めると──
いつかの時のように、レインさんにガッツリとホールドされていた。ただし、あの時とは違って、私は杏子の姿だし…お互い………裸っ!?
ーひぃ────っ!ー
声を出さなかった私は偉い!え?どうする!?取り敢えず、押して──やっぱりビクともしないよね!!
「──あれ?私、いつの間に寝たの?」
「2回目の後だな。」
「ひゃいっ!?」
ー2回目って何だ!?いや、分かってるけど!ー
「こっ……声に出して言わないで下さい!恥ずかしいので!で、そろそろ離して下さい!」
「え、嫌だ。もう少しこのままで─と言うか、今日から一週間休みだから、このまま2人でゆっくり過ごそう。それに……キョウコも体が辛いだろう?」
「だっ……大丈夫です!辛くはないです!動けます!」
「へー…動けるんだね?」
「はい!だから、起き──────」
レインさんの目を見て……自分の失言に気が付いた。レインさんの綺麗な紫色の瞳が熱を帯びたように少し色が濃くなって、広角を上げてニコリと微笑んでいる。
「昨日は、“もう無理”って、キョウコが泣いたから止めたけど…そう。大丈夫なんだ?」
「いや、違うかな?大丈夫だけど大丈夫じゃないとか?あれ?」
「キョウコ、おとなしく……俺に囚われて?」
仰向けに寝かされ、レインさんが私の上にソッと覆い被さって来た。手を押さえられたまま軽いキスを繰り返す。
「キョウコ、愛してる。」
その言葉に、胸がキュンとなって、泣きそになる。
「私も……レインさんを愛してます。これからも、宜しくお願いします。」
ニッコリ笑った後───
レインさんからの猛攻撃を喰らったのは………言うまでもない……のか?
日本で死にかけた私だけど、異世界では犬っころな私だけど、これからは、レインさんと一緒に幸せに過ごして行きたいなと思います。
❋これにて、本編完結となります。1ヶ月と少しの間、読んでいただき、ありがとうございました❋
*.+゚★☆感d(≧▽≦)b謝☆★゚+.*
カミリア王女の結婚式は本当に素敵だった。
お相手の第三王子は、絵本に出て来るような金髪碧眼の王子様───ではなく、どちらかと言えば強面顔な王子様だった。
少しつり上がった切れ長の目に、黒色の長髪。数年前、魔獣から父親である国王を庇った時にできた傷が、左頬に薄っすらと残っている。
「その傷痕が、更に格好良さを増しているのよ!」
と、頬を赤らめながら惚気られました。本当に、カミリア王女はその第三王子の事が好きなんだろうなと思った。
それに、その第三王子も、見た目は強面だけど、カミリア王女を見つめる目はとても優しいものだった。
貴族は勿論の事、王族の結婚において、相思相愛で結ばれると言う事は、まだまだ数少ないそうで、この2人の恋愛結婚は珍しいとの事だった。
カミリア王女には、水の精霊ウンディーネ様からの祝福がある。カミリア王女が国王に立てば、この国は更に豊かになるだろう。
そして、おめでたい事は続くようで──
「リナとイツキの婚約が調った。」
「そうなんですね!!」
初めて顔を合わせた慰労会から、リナティアさんと樹君は私やリュークレインさんを通して会うようになり、少しずつ距離を縮めて行っていた。凛としていたリナティアさんも素敵だったけど、樹君と居る時のリナティアさんは、よく自然と笑っていた。そんな笑顔のリナティアさんと、これまた笑顔の樹君。この2人を見ていると、「早く、くっつけばいいのに!」と、ジリジリとした気持ちになっていたのだ。
それで、ようやくの婚約成立。あのお馬鹿な王子で傷付いたリナティアさん。今度こそ、樹君と幸せになって欲しい。
美緒さんはと言うと───美緒さんはあれから、あっと言う間に気になっていたと言う魔導士さんと結婚をした。あの、慰労会以降、何度かデートをした後、ある日突然「結婚しました!」と報告を受け、皆して驚いた。
ーえ?大丈夫??ー
と心配したりもしたけど、2人は本当に仲が良くて………現在、妊娠5ヶ月目に突入。計算が合わないような気もしなくもいけど、2人ともが幸せそうだから、まぁ良いか?となった。しかも、相手の魔導士さんは侯爵家の三男。家督を継ぐ事は無いが、自身が男爵の身分を持っているらしく、美緒さんは男爵夫人となった。
「日本人の私が…貴族……男爵夫人とか………」
と、遠い目をしていたけど、私も将来は“公爵夫人”だ。
「“お蝶夫人”じゃないんだよね?」
「うん。テニスは……しないね?」
と、クスクスと笑っていた私と美緒さんを、リュークレインさん達は不思議そうな顔で見ていた。
「キョウコは、レインと一緒に幸せにね。でも、いつでも帰って来て良いからね?」
そう言って、アシーナさんは東の森の邸に帰って行った。
浄化巡礼が終わった後も、色々な事後処理等で王都のアリスタ邸で過ごしていたアシーナさんだが、カミリア王女の結婚、リナティアさんの婚約成立、そして──
リュークレインさんと私の結婚式が終わると、その日のうちに東の森へと帰ってしまったのだ。
「寂しい?」
「少し…だけ。でも、これからは、リュークレインさんが居るから……それに、今生のお別れってワケじゃないから。」
フワリと微笑めば、リュークレインさんに抱き上げられて、今日からお世話になる夫婦の寝室へと運ばれた。
結婚式を無事に終えた私達。その夜は……初夜だ。
「あの…リュークレ………」
「─レイン」
「はい?」
「もう、夫婦になったんだから、“レイン”とか“リュー”と呼んで欲しい。」
私に請うように視線を合わせたまま、私の手の平にキスをする。
ー色気が……半端無い!ー
「────レイ……ン─────っ!」
そう呼んだのが合図となったかのように、私はあっと言う間にリュー………レインさんに絡めとられたのだった。
ホワホワとした気持ちで目が覚めると──
いつかの時のように、レインさんにガッツリとホールドされていた。ただし、あの時とは違って、私は杏子の姿だし…お互い………裸っ!?
ーひぃ────っ!ー
声を出さなかった私は偉い!え?どうする!?取り敢えず、押して──やっぱりビクともしないよね!!
「──あれ?私、いつの間に寝たの?」
「2回目の後だな。」
「ひゃいっ!?」
ー2回目って何だ!?いや、分かってるけど!ー
「こっ……声に出して言わないで下さい!恥ずかしいので!で、そろそろ離して下さい!」
「え、嫌だ。もう少しこのままで─と言うか、今日から一週間休みだから、このまま2人でゆっくり過ごそう。それに……キョウコも体が辛いだろう?」
「だっ……大丈夫です!辛くはないです!動けます!」
「へー…動けるんだね?」
「はい!だから、起き──────」
レインさんの目を見て……自分の失言に気が付いた。レインさんの綺麗な紫色の瞳が熱を帯びたように少し色が濃くなって、広角を上げてニコリと微笑んでいる。
「昨日は、“もう無理”って、キョウコが泣いたから止めたけど…そう。大丈夫なんだ?」
「いや、違うかな?大丈夫だけど大丈夫じゃないとか?あれ?」
「キョウコ、おとなしく……俺に囚われて?」
仰向けに寝かされ、レインさんが私の上にソッと覆い被さって来た。手を押さえられたまま軽いキスを繰り返す。
「キョウコ、愛してる。」
その言葉に、胸がキュンとなって、泣きそになる。
「私も……レインさんを愛してます。これからも、宜しくお願いします。」
ニッコリ笑った後───
レインさんからの猛攻撃を喰らったのは………言うまでもない……のか?
日本で死にかけた私だけど、異世界では犬っころな私だけど、これからは、レインさんと一緒に幸せに過ごして行きたいなと思います。
❋これにて、本編完結となります。1ヶ月と少しの間、読んでいただき、ありがとうございました❋
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