前世竜王だった私の右腕が選んだのは私の兄で、私は左腕に囚われる

みん

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何度でも

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❋“置き場”に投稿したお話になります。こちらに移動しました❋









*キーラ視点*


初めてシャノン様を見た時、その身に纏っている雰囲気に圧倒され、その美しさに目を奪われた。

ーいつか、この方に付きたいー

そう思って、それだけを思い訓練に明け暮れた。




その願いを砕いたのが─当時の竜王オルガレン様だった。

番を拐い、奥の離宮へと閉じ込めた─のは仕方無い事だが、それと同時にシャノン様も閉じ込めた。

ー有り得ないー

番を得てもなお、シャノン様を求めるとは─。

その為に、私はシャノン様付きになる事ができなかった。
アドルファス様は、そんな私を、アドルファス様付きにして下さった。このアドルファス様も…シャノン様の事を──




それから、シャノン様がオルガレン様を弑し、竜王として立った後も、私はアドルファス様付きのままだった。竜王に付ける程の実力がなかったから。それでも、シャノン様の左腕のアドルファス様付きでは居られた為、近くでシャノン様を見れる事ができていた。それだけで、幸せだった────のに。







「竜王シャノンは──自ら“最果ての地”に身を投げた。」






見付けた番が、人族の王太子だった。既に妃を迎えていた番だった。番と言う存在に憧れていた。でも、それは呪いに似ているのかもしれない─と思うようになった。








「カレン、キーラ、彼女はララ。人族であり、俺の番だ。お前達にララ付きになってもらう。特に、俺が居ない間はしっかりと守って欲しい。」

ある日、アドルファス様が連れてきた番のララ様。何故か、ララ様を見た瞬間、涙が出そうになった。その感情が苦しいのか嬉しいのか…よく分からなかったけど、胸が締めつけられるような感覚だった。




そして、カレンがやらかした。そのお陰?で、驚くべき事実が判明した。

ララ様は、竜王シャノン様だった。

ーそんな事が…有り得るのだろうか?ー

それでも、ストンと腑に落ちた。

あの、胸を締めつけられるような痛みは、ララ様がシャノン様だったからだ。やっと、私は、シャノン様に仕える事ができるのだ!






「キーラ…いつもごめんなさい。」

と、顔を赤くしてシュンとしているララ様。

ーとっても可愛らしいですー

「ララ様、気にしないで下さい。何と言いますか…悪いのはアドルファス様ですから…。」

と、フォローすると、ララ様は更に顔を赤くする。

そう、今日、ララ様はベッドの住人になっているのだ。理由は至ってシンプルなもの。

アドルファス様が、一晩中ララ様をから。


『アドルファス様、お気持ちは解りますが、今のララ様は人族ですので、もう少し手加減をしてあげて下さい。』


そう何度か忠告させてもらったけど…


『分かってはいるんだが、どうしても…抑えがきかなくなるんだ……』

ー男が顔を赤らめても、可愛くありませんからね?ー

いつもはキリッとしているアドルファス様も、ララ様が絡むとただの男になってしまう。それも、仕方無い。アドルファス様は、シャノン様の頃から恋をしていたのだ。一度失い、番として得たのだ、我慢も手加減も…できないのだろう。

それに、毎回ベッドでグッタリしているララ様も、本当に嫌がっている感じではないから…大丈夫なのかもしれない。

まぁ兎に角、お二人が仲良しで何よりである。







*アドルファス視点*


「またやってしまった…」

気を失って、グッタリと横たわるララを見て…少しの罪悪感を覚える。


『アドルファス様、お気持ちは解りますが、今のララ様は人族ですので、もう少し手加減をしてあげて下さい。』


キーラに何度か言われた言葉を思い出す。
頭では分かっている。ララは人族で、竜族とは違い何もかもが脆い存在なのだと。
なのに、途中からは手加減も出来なくなって──気が付けばいつも、ララが気を失ってしまうまで抱いてしまっている。
そんな気を失っているララも魅力的で──

「落ち着け、オレ…」

気を失っているララの体を軽く拭いてキレイにしてから、寝着を着せる。それから、ララの背中から抱きしめるようにして俺の腕の中に閉じ込める。しっかりと閉じ込めて、ララの体温を感じてようやく安心する。

、目覚めた時には、もう失っていた温もりだ。未だに不安になる事がある─と言えば、ララは呆れるだろうか?もう二度と…失うものか──。と、更に腕に力を入れてララを抱きしめた。







*ララ視点*


「───苦しい……」

目が覚めると、ルースにギュウギュウに締め付けられていた。

ーあれ?私、殺される?ー

とさえ思う程に、締め付けられていた。





「本当にすまない!!」



あまりにも苦しくて涙がボロボロと流れてしまい、只今、ルースはベッドの上で土下座しながら謝っている。

「ルース、私、人族だからね?下手したら死ぬからね?」

「死なせないけどな!!」

ーいや、殺そうとしたのがルースだからね!?ー

「ルース……」

低目の声でルースの名前を呼ぶと、ルースはビクッと肩を震わせた。

「あのね?私はルースの番で、私もルースが…好きなの。だから…もう二度と、黙ってルースから離れたりしないから。ずっとルースの側に居るから…。もし、不安な事があったら、その都度私に素直に話して。何度だって…私がずっとルースの側に居る事を…伝えるから。」

「ララ…」

「だからね?えっと…もう少し…手加減してもらえると…嬉しいかな?って。毎回気を失う迄って…ちょっと…」

「やっぱり…迷惑…怒っているのか?」

ルースは竜族な筈なのに、シュンと垂れ下がる耳が見えるのは…何故だろう??

「えっと…怒ってはないけどね?そりゃあ…私も途中から我を失ってしまって…その…“もっと”って思っちゃ──」

ーやだ!何を言っちゃってるの?恥ずかしい!!ー

「───“もっと”?」

そう呟いたルース。

ーあ、コレ、詰んだー

そう思った瞬間、またルースに組み敷かれた。

既に体が怠くて抵抗する事も出来ず──また気を失って、次に目を覚したのは、その日の夕方だった。




ーキーラ、またまた…お世話になりますー









❋【竜王】にも、砂糖を─と思って書いた自己満足?的なお話でした。すみません!❋
(。>д<。)💦


❋次話は新作になります❋


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