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✿ 登場人物紹介 ✿
しおりを挟む◇ 天雨 ◇
風明山の道士。
剣や武芸を極める事によって仙への道を説く流派である風明派に属しているが、ある理由から修練に対して本気で取り組んでいないフシがある。
どの師ともそりが合わず決めかねていた時、上級の妖魔の討伐に参加。そこで道士たちを率いていた翠雪の存在を知ったことで後日弟子入りを志願するが、見事に断られる。
しかし半年間毎日しつこく通った結果、最終的には承諾を得ることに成功した。
また、自分が翠雪に皮肉を言うのは良いが他人が言っていると腹が立つ性分で、「あのひとの何を知っている?」という恐ろしく冷たい眼でその場を凍り付かせる。
常に自室に引きこもり、煉丹術や符術の研究ばかりしている翠雪を密かに心配しているが、素直になれない性格と売り言葉に買い言葉で、いつも喧嘩になる。
幼い頃に両親を魔族に殺され、自身は掌門に助けられる。その恩を返すために道士になったが、他にも目的があるようだ。
秀麗な顔立ち。低い声。十八歳。
長い黒髪を高い位置で括って背中に垂らしており、白と黒が左右半分ずつの長い上衣に赤い帯をし、白い下衣を纏っている。
異国の宝刀である湾曲の刀剣を腰に佩いている。
幼い頃の記憶が曖昧。ある一族の血を引いていて特殊な能力を持っているが、誰にも明かしていない。
髪の色/黒色 瞳の色/灰色がかった青
◆ 翠雪◆
風明山の中でも数人しかいない『師』の階級を持つ首席道士。
幼い頃、ある事件に巻き込まれ両親が殺されてしまうが、母親が機転を利かせて隠してくれたおかげで、ひとりだけ生き残ってしまう。その後駆け付けた掌門に保護され、自身の才能を発揮する場を与えられる。
口調は丁寧ではあるが、どこか相手を皮肉ったような言い方になる。余計なひと言を言いがち。興味のない相手の名前はまったく憶えない。
方術よりも武を重んじるこの門派の中では異質な存在で、まったく武芸には興味がないため、符術や煉丹術の研究ばかりしている。
掌門から贔屓されており、首席の地位を与えられている。首席は師として弟子も取れる地位で自室もあるが、誰も近寄らないし本人がそもそも取る気もないため、悠々自適に自身の研究に集中している。
実力を知らない一部の道士からは、その性格故にかなり疎まれている。
仕方なく弟子として認めた天雨に対しては、なにか想うところがある様子。
助手兼世話係をしてくれている陽に対しては、素直に感謝している。
修練もせずにいつも自室に引きこもっているため、たまに外に出ると驚かれる。
中性的な美しい容姿と声。二十歳。
背中まである茶色い髪。右側ひと房だけ三つ編みにしていて、他は背中に垂らしている。本心を悟られないように大扇で口元を隠す癖がある。
白い道袍の上に若草色の衣を纏っている。
髪の色/茶色 瞳の色/翡翠色
◇ 陽 ◇
翠雪の助手兼世話係を担う、希少な存在。風明山の麓の村に住んでいたが、唯一の家族であった祖父が自分を庇って亡くなってしまい、自身も襲われていたところを翠雪に助けられる。
普段からどこか気だるげだが、誰にでも合わせられる器用な性格。あの翠雪に口ごたえもできる鋼の心臓の持ち主。
のんびりとした口調でやる気がなさそうだが、言ってることは正論。
まだ幼さの残る可愛らしい顔立ち。同じ年頃の少年よりは落ち着いている印象。十五歳。黒髪黒眼。
あまり背は高くなく、翠雪の肩くらいの高さ。白い衣に黒い帯をしている。冬は臙脂色の羽織を纏っている。前髪は長いが、後ろは短めなため無理矢理括っている状態。
◆ 風獅 ◆
風明派の掌門。門派の名称である風明は曾祖父。他の門派よりは歴史が浅いが、ここ数年で五大門派のひとつに名を連ねるほどの大きな門派となった。武を極めることで仙への道を説くことを開祖の頃から重んじており、他の道士たちとは違い、退魔において殺生を禁じていない。
老師は祖父で、両親はすでに亡くなっている。
穏やかで寛容な人物と名高い。武芸の才は掌門という肩書に劣らず、武を重んじる数多の門派の中で最強と謳われている。
同じ頃に両親を亡くした天雨や翠雪を保護し、門派に引き入れた。記憶の一部を失っている天雨を気にかけており、姿を見かけた時は声をかけるようにしている。
また、以前から翠雪の比類なき非凡な才能に興味を持ち、研究の援助もしている。元々彼の両親と自身の父が深く付き合いがあったこともあり、翠雪の存在も昔から知っていた。
三十五歳。黒髪黒眼。長い黒髪を低い位置で結び、銀筒状の髪飾りで纏めている。
白い道袍に藍色の細い飾り帯をし、風を表す紋様が背に描かれた若草色の衣をその上に纏っている。退魔剣『風雅剣』の継承者。
◇ 慶明・栄莱 ◇
天雨や翠雪を目の敵にしている、門派の道士。
ふたりでつるんでいることが多く、弟弟子たちからは師兄と呼ばれている。
◆ 天藍・芽紗 ◆
天雨の父と母。異国の湾曲した刀剣を扱う名もなき退魔師の一族。その身に流れる血に魔を退ける効果がある。血を流すことでより強さを増し、血奏術と呼ばれる技や血幻影と呼ばれる自身の分身とも言える幻影も作れる。また幻影は扱う者によって異なる姿をしている。
◇ 蒼迦・翠霧 ◇
翠雪の父と母。仙薬や煉丹術の研究をしている。まだ人間ではあるがすでに仙に近い域に達しているため、今は門派には所属していない。年齢は不詳。風獅の父親と交流があったこともあり、その実子である風獅のことも信頼していた。ある事件に巻き込まれ、命を落とす。
◆ 氷鷹 ◆
十年ほど閉関していた、風獅の弟。
風獅の若い頃によく似ているが、左の目尻にある小さな黒子が特徴的。穏やかで物腰が柔らかい印象があり、多くのひとを心酔させる資質を持ち合わせており、誰からも信頼される不思議な魅力がある。
兄である風獅の望みを叶えることが唯一の行動理由で、そのためならばどんなことでもする猟奇的な面も持っている。
三十歳。黒髪黒眼。白い道袍に藍色の細い飾り帯をし、風を表す紋様が背に描かれた若草色の衣をその上に纏っている。長い黒髪を高い位置で括り白い髪紐で結んでいる。腰には細い退魔剣を佩いており、他の道士たちと比べ造りも細やかな飾りも上質。細身だが剣の腕も道士としての才能も風獅より上らしい。
◇ 緑葉 ◇
魔界の第三皇子。全体的には短いが前髪だけ長く、左眼が隠れているのが特徴的。薄緑色の眼。白い衣の上に薄緑色の羽織。雰囲気的にとても陰鬱で、暗い印象しかない。少し猫背気味で、日々自身の趣味である研究に勤しんでいる。
研究や実験のためならいくらでも犠牲者を出しても良いと思っている。
翠雪の両親が殺された事件に関わっているらしいが、その真相はどこまで真実かはっきりとしていない。ある者の協力者として、実験体を得る代わりに手を貸しているらしい。
◆ 万姫 ◆
艶のある長く美しい黒髪を後ろで綺麗に纏めて結い上げている、二十代前半くらいの妖艶な魔族の女。少しきつめだが薄茶色の大きな瞳。漆黒の上衣下裳。下裳は右脚の肌が露出するような衣裳で、上衣も胸の辺りが開けており、豊満な胸の間に赤い石が付いた首飾りが下がっている。
槍使い。緑葉の部下。見た目だけなら妖艶なお姉さんだが、ノリの良い性格で相手を翻弄して楽しむ癖がある。
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