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「舐めるって何を…」
「決まってんじゃん。これだよ」
口元に、先輩の膨れ上がったそれが近づく。
「ほーら早く。さっさと舐めろよ。知らねーの?フェラってやつ」
「先輩の言うこと、聞けないの?舐めろって言ってんだよ」
当たり前だろ。こんな汚いの、口に入れられるわけない。閉じた口元にぴとぴと押しつけられる。
「舐めろって言ってんの、聞こえない?」
耳元で囁かれる。怖い、ただそれだけの感情が頭を埋め尽くす。
「舐めろっつってんだよ!!」
「っひ、」
突然怒鳴られて、反射的に口を開くと、無理やり押し込まれる。
「んぐっ、っぐ、っ!!」
「噛むなって!!おいお前頭押さえとけ」
口に、ソレを押し込まれる。喉に押しつけられて、苦しい。
それからはあまり覚えていない。口に出された精液を吐き出すとまた怒鳴られ、残り2人のモノも同様に入れられて。無理やり飲み込まされて。
でももっと辛かったのは。
「あ゛ー…これ結構イイなぁ…」
「それなぁ…ってこいつの見ろよ!!」
「うわっ、パンッパン!あんなに嫌そうな顔してたのに、しっかり感じちゃってたのね」
「っ、え?あ、これ…は…」
あんなに屈辱的なことをされて、しっかり自分の体が反応していたこと。
「脱がしてみよーぜ」
「ちょ、やめて、アッ、っ~…」
ベルトを外され性器の先端を突かれて、呆気なく果てたこと。
「見ろよ、日野君のイッた瞬間!!顔真っ赤にしちゃって恥ずかしいねぇ」
「これ、会社の皆んなに見せたらどーなるだろーねぇ?」
「やめ、おねがい、消して!!」
「消して下さい、だろ?」
「けして、くださっ、おねがいします、」
「うわこいつまた泣き出したぞ」
「消すわけねーじゃんこんないいおもちゃ!!いいストレス発散になりそうだわ。なあ…
明日も来いよ?」
この「教育」が、明日からもずっと、続くこと。
「ただいま…」
「あ、おかえりー。今日遅かったね」
家に帰ると同居人であり恋人である樹がソファでテレビを見ていた。
「う、うん…先寝ててもよかったのに」
「んー…だって顔見たかったし。あ、ご飯どーする?あっためる?」
「…うん…」
「元気ないねぇ。会社で何かあった?」
「いや…えっと…ごめんトイレ」
樹の優しさが今は辛い。込み上げてくるものを我慢して会話を続けられない。個室に入った瞬間、堰を切ったように涙がぼろぼろ溢れた。
何で逃げなかったんだろう、何で、定期を忘れたんだろう。何で、反応しちゃったんだろう。こんなの樹に言おうにも言えない。あんなことがあったなんて知られたくない。あんな映像、見られたくない。
悔しさと、恐怖と、羞恥。全部が頭の中を渦巻いて、気がおかしくなりそうだ。
「…敦?大丈夫そ?」
「…い、つきっ?」
不意にノックが鳴って、結構な時間が経っていたことに気がつく。慌てて涙を拭って綺麗な便器を流してトイレを出る。
「どっかしんどい?」
「いや…ちがう…ごめん…」
「なら何か嫌なこと、あった?」
頬を優しく撫でられる。いつもの手。また安心して涙が溢れてしまう。
「話聞こうか?吐き出したらすっきりするよ?」
「…ごめん…仕事しっぱいしてっ、そんで、おこられて、」
「そっかそっか。最近ずっと頑張ってたもんね。今日はゆっくり休んでまた明日がんばろ?」
「…ん…ごめん…樹も疲れてるのに」
「何言ってんの!!ほらご飯食べな?あっためたから」
「ありがと…」
廊下を歩いている時も、ご飯を食べてる時も、静かに背中を撫でてくれる樹。誤魔化せたことへの安堵と罪悪感。でも、樹に軽蔑されたくない。あんな気持ち悪い姿、見せたくない。
嫌われたくない。
「決まってんじゃん。これだよ」
口元に、先輩の膨れ上がったそれが近づく。
「ほーら早く。さっさと舐めろよ。知らねーの?フェラってやつ」
「先輩の言うこと、聞けないの?舐めろって言ってんだよ」
当たり前だろ。こんな汚いの、口に入れられるわけない。閉じた口元にぴとぴと押しつけられる。
「舐めろって言ってんの、聞こえない?」
耳元で囁かれる。怖い、ただそれだけの感情が頭を埋め尽くす。
「舐めろっつってんだよ!!」
「っひ、」
突然怒鳴られて、反射的に口を開くと、無理やり押し込まれる。
「んぐっ、っぐ、っ!!」
「噛むなって!!おいお前頭押さえとけ」
口に、ソレを押し込まれる。喉に押しつけられて、苦しい。
それからはあまり覚えていない。口に出された精液を吐き出すとまた怒鳴られ、残り2人のモノも同様に入れられて。無理やり飲み込まされて。
でももっと辛かったのは。
「あ゛ー…これ結構イイなぁ…」
「それなぁ…ってこいつの見ろよ!!」
「うわっ、パンッパン!あんなに嫌そうな顔してたのに、しっかり感じちゃってたのね」
「っ、え?あ、これ…は…」
あんなに屈辱的なことをされて、しっかり自分の体が反応していたこと。
「脱がしてみよーぜ」
「ちょ、やめて、アッ、っ~…」
ベルトを外され性器の先端を突かれて、呆気なく果てたこと。
「見ろよ、日野君のイッた瞬間!!顔真っ赤にしちゃって恥ずかしいねぇ」
「これ、会社の皆んなに見せたらどーなるだろーねぇ?」
「やめ、おねがい、消して!!」
「消して下さい、だろ?」
「けして、くださっ、おねがいします、」
「うわこいつまた泣き出したぞ」
「消すわけねーじゃんこんないいおもちゃ!!いいストレス発散になりそうだわ。なあ…
明日も来いよ?」
この「教育」が、明日からもずっと、続くこと。
「ただいま…」
「あ、おかえりー。今日遅かったね」
家に帰ると同居人であり恋人である樹がソファでテレビを見ていた。
「う、うん…先寝ててもよかったのに」
「んー…だって顔見たかったし。あ、ご飯どーする?あっためる?」
「…うん…」
「元気ないねぇ。会社で何かあった?」
「いや…えっと…ごめんトイレ」
樹の優しさが今は辛い。込み上げてくるものを我慢して会話を続けられない。個室に入った瞬間、堰を切ったように涙がぼろぼろ溢れた。
何で逃げなかったんだろう、何で、定期を忘れたんだろう。何で、反応しちゃったんだろう。こんなの樹に言おうにも言えない。あんなことがあったなんて知られたくない。あんな映像、見られたくない。
悔しさと、恐怖と、羞恥。全部が頭の中を渦巻いて、気がおかしくなりそうだ。
「…敦?大丈夫そ?」
「…い、つきっ?」
不意にノックが鳴って、結構な時間が経っていたことに気がつく。慌てて涙を拭って綺麗な便器を流してトイレを出る。
「どっかしんどい?」
「いや…ちがう…ごめん…」
「なら何か嫌なこと、あった?」
頬を優しく撫でられる。いつもの手。また安心して涙が溢れてしまう。
「話聞こうか?吐き出したらすっきりするよ?」
「…ごめん…仕事しっぱいしてっ、そんで、おこられて、」
「そっかそっか。最近ずっと頑張ってたもんね。今日はゆっくり休んでまた明日がんばろ?」
「…ん…ごめん…樹も疲れてるのに」
「何言ってんの!!ほらご飯食べな?あっためたから」
「ありがと…」
廊下を歩いている時も、ご飯を食べてる時も、静かに背中を撫でてくれる樹。誤魔化せたことへの安堵と罪悪感。でも、樹に軽蔑されたくない。あんな気持ち悪い姿、見せたくない。
嫌われたくない。
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