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(どうしよどうしよどうしよ…)
改めて濡れてる部分を確認すると、言い逃れできないほどには悲惨な状況。
隣の布団はきっちりとたたまれている。部屋の向こうから聞こえてくる音からするに、朝ごはんを作っているのだろう。
心臓がうるさい。息が、しにくい。何て言い訳すれば良いんだろう。ごめんなさいとしか言えない。
怒るかな、呆れるかな、嫌いになるかな。頭の中が色んな感情でいっぱいになる。
(あ…)
まだおしっこ、出そう。いつもオムツを変えた後、トイレに行く習慣が染み付いているから。
下腹がきゅうきゅうして、冷たいからまたさらに行きたくなって。
濡れたズボン越しにソコを握る。トイレ、行きたい。でも、絶対に由希さんのところを通らないといけない。いずれはバレるけど、体が動かない。金縛りにあったみたいだ。
(おしっこ、出ちゃう、)
息をするだけでも、出ちゃいそう。片方の手でお腹をさする。パンパンで、痛くて、苦しい。
(もうしちゃっていいかな…)
どうせ濡れちゃってるんだし。どうせおねしょしちゃってるし。どうせ、嫌われるし。
もういいや。なんでも。
「凛く~ん…そろそろ9時になるけど…」
キイィ…背後のドアの音。体が固まって動かない。どうすれば良いか分からなくて、ギュッと目を瞑って息を詰める。
「まだ寝てるのかな…でもそろそろ起こした方がいいよね…おーい…」
「っひっ、」
肩に伝わる振動に驚いて、体が跳ねる。
「あ、ごめん、びっくりしたよね?」
恐る恐る由希さんの方を向く。ごめんなさいって早く言わないとなのに、声がでない。
「大丈夫?どこか具合悪い?」
「え、」
「顔真っ青だから。熱は…なさそうだけど…」
冷たい手が、おでこやら頬やらに触れる。いつも撫でてくれる手に安心して、何かが込み上げてくる。
「体温計持ってこよっか」
「いい、しんどくない、けど、」
「けど?」
いわなきゃ、ちゃんとごめんなさいっていわなきゃ。正直に言わなきゃ。
「お、ねしょ…」
「おねしょ?しちゃったってこと?」
声を出したら涙が溢れそうで、ただ首を縦に振る。
「じゃあシャワー行こうね」
じゅい…
「ぁっ、」
体を起こすと、圧迫されてじわりとソコがあったかくなる。布団を捲られ、シワを作りながら握りしめるところが丸見え。
「先におしっこ行っといで」
恥ずかしさとタンクの限界が背中を押し、跳ね上がるように立ち上がり、走る。
「っひぃ、」
じゅい、じゅい…
走る時の振動で、溜まったものが出口に押し寄せる。少しずつ、漏れていくのには気づかないふりをした。出口を痛いぐらいに引っ張る。羞恥心やら、漏れそうやらがごっちゃになって、呼吸する息が引き攣りそう。
「わっ、」
ズボンの裾を踏んづける。フワッと心臓が跳ねる感覚。
どんっ、
コケる、そう思った時には膝と腕が鈍く痛みを訴えていた。
「い゛ったぁ…ぁ…」
マズイ、と思った時にはもう、遅かった。
じゅぃいいいいいい…
押さえがなくなった出口が温かい。痛む手で握りなおすも、指の間から無慈悲に流れ出る黄色い液体は、俺を中心に水溜りを作っていく。
「凄い音したんだけど…凛くん!!怪我は!?」
慌てた声でこっちに向かってくる優しさが今はしんどい。
やめて、こないで。
「みないで…」
顔、見れない。
「おねがい、ッヒ、…」
こんな惨めな姿、見ないで。
改めて濡れてる部分を確認すると、言い逃れできないほどには悲惨な状況。
隣の布団はきっちりとたたまれている。部屋の向こうから聞こえてくる音からするに、朝ごはんを作っているのだろう。
心臓がうるさい。息が、しにくい。何て言い訳すれば良いんだろう。ごめんなさいとしか言えない。
怒るかな、呆れるかな、嫌いになるかな。頭の中が色んな感情でいっぱいになる。
(あ…)
まだおしっこ、出そう。いつもオムツを変えた後、トイレに行く習慣が染み付いているから。
下腹がきゅうきゅうして、冷たいからまたさらに行きたくなって。
濡れたズボン越しにソコを握る。トイレ、行きたい。でも、絶対に由希さんのところを通らないといけない。いずれはバレるけど、体が動かない。金縛りにあったみたいだ。
(おしっこ、出ちゃう、)
息をするだけでも、出ちゃいそう。片方の手でお腹をさする。パンパンで、痛くて、苦しい。
(もうしちゃっていいかな…)
どうせ濡れちゃってるんだし。どうせおねしょしちゃってるし。どうせ、嫌われるし。
もういいや。なんでも。
「凛く~ん…そろそろ9時になるけど…」
キイィ…背後のドアの音。体が固まって動かない。どうすれば良いか分からなくて、ギュッと目を瞑って息を詰める。
「まだ寝てるのかな…でもそろそろ起こした方がいいよね…おーい…」
「っひっ、」
肩に伝わる振動に驚いて、体が跳ねる。
「あ、ごめん、びっくりしたよね?」
恐る恐る由希さんの方を向く。ごめんなさいって早く言わないとなのに、声がでない。
「大丈夫?どこか具合悪い?」
「え、」
「顔真っ青だから。熱は…なさそうだけど…」
冷たい手が、おでこやら頬やらに触れる。いつも撫でてくれる手に安心して、何かが込み上げてくる。
「体温計持ってこよっか」
「いい、しんどくない、けど、」
「けど?」
いわなきゃ、ちゃんとごめんなさいっていわなきゃ。正直に言わなきゃ。
「お、ねしょ…」
「おねしょ?しちゃったってこと?」
声を出したら涙が溢れそうで、ただ首を縦に振る。
「じゃあシャワー行こうね」
じゅい…
「ぁっ、」
体を起こすと、圧迫されてじわりとソコがあったかくなる。布団を捲られ、シワを作りながら握りしめるところが丸見え。
「先におしっこ行っといで」
恥ずかしさとタンクの限界が背中を押し、跳ね上がるように立ち上がり、走る。
「っひぃ、」
じゅい、じゅい…
走る時の振動で、溜まったものが出口に押し寄せる。少しずつ、漏れていくのには気づかないふりをした。出口を痛いぐらいに引っ張る。羞恥心やら、漏れそうやらがごっちゃになって、呼吸する息が引き攣りそう。
「わっ、」
ズボンの裾を踏んづける。フワッと心臓が跳ねる感覚。
どんっ、
コケる、そう思った時には膝と腕が鈍く痛みを訴えていた。
「い゛ったぁ…ぁ…」
マズイ、と思った時にはもう、遅かった。
じゅぃいいいいいい…
押さえがなくなった出口が温かい。痛む手で握りなおすも、指の間から無慈悲に流れ出る黄色い液体は、俺を中心に水溜りを作っていく。
「凄い音したんだけど…凛くん!!怪我は!?」
慌てた声でこっちに向かってくる優しさが今はしんどい。
やめて、こないで。
「みないで…」
顔、見れない。
「おねがい、ッヒ、…」
こんな惨めな姿、見ないで。
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