おねしょ癖のせいで恋人のお泊まりを避け続けて不信感持たれて喧嘩しちゃう話

こじらせた処女

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「ねえ、今週末さ、俺の家泊まりにこない?」
「すみません、その日は用事があって…」
「そう…」
ああ、また断ってしまった。付き合って早半年。社会人でお互い一人暮らし。なのに一度もお泊まりをしたことがない。なぜかと言うと、俺が断り続けているから。
俺にはバレたくない秘密がある。夜、寝ている間におしっこが出てしまう、つまり夜尿症を抱えているということ。

『うわっお前、この歳でオムツかよ…』
 2年付き合っていた彼氏と別れた。理由は俺がおねしょしてしまう体質になってしまったから。医者にはストレスだろうって言われ、定期的に病院に行っているが、治る気配がなくて。でも布団を汚すわけにもいかないから、オムツを履いているとカミングアウトしたら、嘲笑されながら別れを切り出された。同じだった勤め先を逃げるようにやめ、遠い地に引っ越して、由希さんと出会った。
長身で肌が白く、面倒見もいい彼。荒んだ気持ちで何もかもが投げやりになっていた俺に、もう一回恋をしてみようと思わせてくれた人。だから、嫌われたくない。バレて、前みたいなことが起きたらきっともう立ち直れないだろう。


「うわっ…まじか…」
会社を出て、帰宅するために電車に乗ろうと駅に向かうと、人身事故が起こったらしく、1時間ほど遅れている。明日は朝から由希さんとデートの予定があるのに。つくづくツイていない。


「あれ、凛くん?」
「あ、由希さん。今帰りですか?」
「そうそう、凛くんも?」
「はい、でも電車遅れてて…」
「うわっほんとだっ!!1時間かー…別ので帰ろうかな…凛くんは?」
「俺は待ってます。これじゃないと辿り着けないし、タクシーは値段がバカにならないし。」
「そっか。あ、じゃあさ、俺の家おいでよ」
「え!?でも…そんなっ、迷惑だし、」
「恋人なんだからお泊まりぐらいするでしょ?一回もしてない俺たちの方が珍しいよ」
「着替えとか…ないし…」
「貸したげる。でもちょっと大きいかな?」
「でもっ、」
「俺と泊まるの、嫌?」
少し悲しそうな表情。これ以上渋ったら誤解されてしまう。
「そんなこと...ではよろしくお願いします…」
「じゃあ決まり。じゃあ下着と歯ブラシだけ買ってこうか」
ぱあぁ…と効果音がつきそうなくらいに嬉しそうな顔をしながらコンビニに入る由希さん。それを見ると今更帰るなんて言えなくて。

コンビニに入り、キョロキョロとあたりを見回す。
(こっそりオムツ、買えないかな…)
歩き回るけど、見当たらない。
(あった…けど…)
そのパッケージはcmでよく見る赤ちゃん用。流石に履けない。
「凛くん、何か欲しいものある?」
「いっ、いえ!!」
「まあ俺の家の近くにもあるし、欲しかったらそこ行こう」
「はい、」
今日は、絶対寝ないようにしないと…










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