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「兄貴!!ごめん、遅れた!!」
待ち合わせ場所である待合所に走って向かうと、既に兄貴は到着していて。
「おー、遠いところお疲れさん。そんでいきなりで悪いんだけど、とりあえずバス乗ろーぜ。これ逃したら1時間半後だから」
「おっけー!!ほんとごめん!!」
そんな会話をして出発ギリギリのバスに乗り込んだのが10分前。クーラーで冷やされた車内に入り、座った瞬間、下腹がキュンと疼いた。
(あ…トイレ…)
そういえば、待合所で済ませようと思ってたんだっけ。時間に遅れまくって叶わなかったけど。
「しっかしお前もデカくなったなー…今高2だっけ。去年留学で帰れてなかったもんなー」
「まあ、成長期ですから…?来年には抜かしてるんじゃねーの?」
「んまー、生意気な奴」
たわいもない話を繰り出しながらも居続ける、頭の片隅のトイレの存在。確か、1時間くらいかかるって言っていた。
(我慢…できるかな…)
いや、流石に大丈夫だろ。小学生じゃあるまいし。
『やだーーーー!!いろ君だけズルいーーー!!』
気づかれないように、ひっそりと準備していたはずなのに。小さい子の勘というものは恐ろしい。着替えを鞄に入れるところを見られてしまった。
1番下である6歳太一の泣き声を皮切りに、ぞろぞろと他の弟達も集まってくる。小3と小6の方はすんなりと諦めてくれたけど、太一だけは違った。今度遊園地に連れていくと言っても、イオンに連れていくと言っても、俺の足から離れない。結局宥めるのに30分もかかり、その時済ませようと思っていたトイレにも入ることが出来ないまま、家を出てしまったのである。
(コーヒー…コーンスープ…)
そもそも今日、起き抜けに一回行っただけ。
朝に飲んだ水分達を頭の中で列挙する。
(まあ…せいぜい1時間だし…)
1時間なんて、すぐだ。この歳でお漏らしなんてファンタジーだ、そう心の中では笑うけれど、頭の片隅にある不安は拭えない。それは、この尿意に気付いたのが今ではなく、1時間半前の自分だから。
(ほんとに…大丈夫かな…)
溜まっている部分を軽く摩る。ずしっと質量のある疼きに思わずブルリと背中が震えた。
(あー…キツイ…がまん…キツイ…)
バスの時計を見るけれど、まだ10分しか経ってない。それなのに、一度気づいた尿意は着々と強くなっている。
「ぁ、っふ、」
出口が落ち着かない。ムズムズして、思わず足を組み替える。兄貴の話、全然入ってこない。ずっとずっと、おしっこおしっこ。そればっかりが頭を支配していく。
さすさす…さすさす…
流石に兄貴の目の前でチンコなんて押さえられないから、太腿をひっきりなしにさすって、つねって。
(まだだいじょうぶ…漏れそうってわけじゃない…)
今すぐ出るわけじゃないけど、家なら駆け込んでいるし、授業中なら行かせてもらっている。
ガタガタと座席が揺れる度、お腹がちゃぽちゃぽ揺れて苦しい。トイレ、トイレ、トイレ。どれだけ泣き叫んでも、焦がれてもここにはない。だから、高校生の俺は我慢しなきゃならない。そっとまた、お腹を摩った。さっきよりもハーパンの紐がキツい。蝶々結びを外して、そっと緩めた。
待ち合わせ場所である待合所に走って向かうと、既に兄貴は到着していて。
「おー、遠いところお疲れさん。そんでいきなりで悪いんだけど、とりあえずバス乗ろーぜ。これ逃したら1時間半後だから」
「おっけー!!ほんとごめん!!」
そんな会話をして出発ギリギリのバスに乗り込んだのが10分前。クーラーで冷やされた車内に入り、座った瞬間、下腹がキュンと疼いた。
(あ…トイレ…)
そういえば、待合所で済ませようと思ってたんだっけ。時間に遅れまくって叶わなかったけど。
「しっかしお前もデカくなったなー…今高2だっけ。去年留学で帰れてなかったもんなー」
「まあ、成長期ですから…?来年には抜かしてるんじゃねーの?」
「んまー、生意気な奴」
たわいもない話を繰り出しながらも居続ける、頭の片隅のトイレの存在。確か、1時間くらいかかるって言っていた。
(我慢…できるかな…)
いや、流石に大丈夫だろ。小学生じゃあるまいし。
『やだーーーー!!いろ君だけズルいーーー!!』
気づかれないように、ひっそりと準備していたはずなのに。小さい子の勘というものは恐ろしい。着替えを鞄に入れるところを見られてしまった。
1番下である6歳太一の泣き声を皮切りに、ぞろぞろと他の弟達も集まってくる。小3と小6の方はすんなりと諦めてくれたけど、太一だけは違った。今度遊園地に連れていくと言っても、イオンに連れていくと言っても、俺の足から離れない。結局宥めるのに30分もかかり、その時済ませようと思っていたトイレにも入ることが出来ないまま、家を出てしまったのである。
(コーヒー…コーンスープ…)
そもそも今日、起き抜けに一回行っただけ。
朝に飲んだ水分達を頭の中で列挙する。
(まあ…せいぜい1時間だし…)
1時間なんて、すぐだ。この歳でお漏らしなんてファンタジーだ、そう心の中では笑うけれど、頭の片隅にある不安は拭えない。それは、この尿意に気付いたのが今ではなく、1時間半前の自分だから。
(ほんとに…大丈夫かな…)
溜まっている部分を軽く摩る。ずしっと質量のある疼きに思わずブルリと背中が震えた。
(あー…キツイ…がまん…キツイ…)
バスの時計を見るけれど、まだ10分しか経ってない。それなのに、一度気づいた尿意は着々と強くなっている。
「ぁ、っふ、」
出口が落ち着かない。ムズムズして、思わず足を組み替える。兄貴の話、全然入ってこない。ずっとずっと、おしっこおしっこ。そればっかりが頭を支配していく。
さすさす…さすさす…
流石に兄貴の目の前でチンコなんて押さえられないから、太腿をひっきりなしにさすって、つねって。
(まだだいじょうぶ…漏れそうってわけじゃない…)
今すぐ出るわけじゃないけど、家なら駆け込んでいるし、授業中なら行かせてもらっている。
ガタガタと座席が揺れる度、お腹がちゃぽちゃぽ揺れて苦しい。トイレ、トイレ、トイレ。どれだけ泣き叫んでも、焦がれてもここにはない。だから、高校生の俺は我慢しなきゃならない。そっとまた、お腹を摩った。さっきよりもハーパンの紐がキツい。蝶々結びを外して、そっと緩めた。
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