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パワハラ上司にいびられている最中におしっこしたくなった新入社員は
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「完成したのか?」
「っ、いえっ、でも、もう限界で…」
意図してなくても腰が動いてしまう。握りしめたズボンがぐしゃぐしゃだ。
「っはー…もうあれから1時間近く経ってるんだが。普通にやってれば終わるレベルだと思うんだけどね」
「それはっ、」
そうだ、いつもの状態なら終わっていた。でも、近い30分、尿意に耐えるのに必死で、手が動かなかったのだ。
「あの部長、こいつ、ほんとに辛そうなんで、行かせてやってくれませんか!?」
宮島が慌てた様子で助け舟を出してくれる。それだけ切迫詰まっているように見えるんだろう。
「仕方ない…できたところまで見せろ」
それでもこの部長には伝わらない。
「あの、ほんとに漏れそうで…」
「見せろっつってんだろ!!」
ジュ…
「っひ…」
お腹がちゃぷんと揺れる。咄嗟に掴んだ右手。それはその人にも丸見えで。
「そんなところを握ってはしたない。小学生を雇った覚えはないぞ?」
「すみ、ません…」
周りの視線がこちらに集中する。見られてる、恥ずかしい。でも、離せない。離したら絶対、失敗しちゃう。
「ったく…さっさと離せ。恥ずかしくないのか?その歳で」
恥ずかしいに決まってるだろ。そうじゃなかったら、尻を突き出して小刻みに足踏みなんかしない。女性もいるこの空間で。
「何だこれは。ミスだらけじゃないか。よくもそんな進捗でトイレだなんて言えたな!」
「っはぁっ、っっ、」
じゅ、じゅ…手が濡れていく。
握っていない方の左手で太ももやら足の付け根やらをさするけど、まるで効果がない。
「そもそも、そんな短時間で限界だ?自己管理がなってないんじゃないか?たった2時間だぞ?」
じゅうう…
左手も加勢して、ソコをこねくり回す。でも、その液体はスーツの下の足を何本もの筋になって落ちる。
「やり直し!さっさとやってこい!」
もう、だめ。動けない。
ぶじゅっ…
「あ…」
じょわあぁぁぁぁ…
手のひらが温かい。足も、ぱんつも。
(おれ、おもらししてる…会社で…みんなが見てる前で…)
静かだったオフィスがざわつく。何を言っているのか聞こえないけど。
「っは…ぁ…」
なんとか止めようと、しゃがんで踵で押さえるけど、じゅううう、という音は止まらない。
「あ…ぅ…」
やっと止まった、そう思った時にはすでに、ほとんど出来ってしまったあとだった。
ぱしゃ…
力が抜けて、そこにへたり込む。
「うわっ…」
どんびいた部長の声。
(やっちゃった…もうおれ、ここではたらけないじゃん…)
「汚ねえなぁ…掃除したくせに自分で汚してどうするんだよ…さっさと片付けろ。早く!!」
顔をあげられない。何を言われても体が動かない。というか、頭が動かない。
「おい、聞こえてるのか!!」
「失礼します!!高野!?大丈夫か!?」
何で、何で。
見られてしまった。1番見られたくない人に、1番見られたくないところを。
「あまの、せんぱ…」
振り返った瞬間、目に映る、驚いたような、顔。
「せんぱ、せんぱい、なん、で…ッヒグ」
息が引き攣って、こぼれたのは嗚咽だった。
「っ、いえっ、でも、もう限界で…」
意図してなくても腰が動いてしまう。握りしめたズボンがぐしゃぐしゃだ。
「っはー…もうあれから1時間近く経ってるんだが。普通にやってれば終わるレベルだと思うんだけどね」
「それはっ、」
そうだ、いつもの状態なら終わっていた。でも、近い30分、尿意に耐えるのに必死で、手が動かなかったのだ。
「あの部長、こいつ、ほんとに辛そうなんで、行かせてやってくれませんか!?」
宮島が慌てた様子で助け舟を出してくれる。それだけ切迫詰まっているように見えるんだろう。
「仕方ない…できたところまで見せろ」
それでもこの部長には伝わらない。
「あの、ほんとに漏れそうで…」
「見せろっつってんだろ!!」
ジュ…
「っひ…」
お腹がちゃぷんと揺れる。咄嗟に掴んだ右手。それはその人にも丸見えで。
「そんなところを握ってはしたない。小学生を雇った覚えはないぞ?」
「すみ、ません…」
周りの視線がこちらに集中する。見られてる、恥ずかしい。でも、離せない。離したら絶対、失敗しちゃう。
「ったく…さっさと離せ。恥ずかしくないのか?その歳で」
恥ずかしいに決まってるだろ。そうじゃなかったら、尻を突き出して小刻みに足踏みなんかしない。女性もいるこの空間で。
「何だこれは。ミスだらけじゃないか。よくもそんな進捗でトイレだなんて言えたな!」
「っはぁっ、っっ、」
じゅ、じゅ…手が濡れていく。
握っていない方の左手で太ももやら足の付け根やらをさするけど、まるで効果がない。
「そもそも、そんな短時間で限界だ?自己管理がなってないんじゃないか?たった2時間だぞ?」
じゅうう…
左手も加勢して、ソコをこねくり回す。でも、その液体はスーツの下の足を何本もの筋になって落ちる。
「やり直し!さっさとやってこい!」
もう、だめ。動けない。
ぶじゅっ…
「あ…」
じょわあぁぁぁぁ…
手のひらが温かい。足も、ぱんつも。
(おれ、おもらししてる…会社で…みんなが見てる前で…)
静かだったオフィスがざわつく。何を言っているのか聞こえないけど。
「っは…ぁ…」
なんとか止めようと、しゃがんで踵で押さえるけど、じゅううう、という音は止まらない。
「あ…ぅ…」
やっと止まった、そう思った時にはすでに、ほとんど出来ってしまったあとだった。
ぱしゃ…
力が抜けて、そこにへたり込む。
「うわっ…」
どんびいた部長の声。
(やっちゃった…もうおれ、ここではたらけないじゃん…)
「汚ねえなぁ…掃除したくせに自分で汚してどうするんだよ…さっさと片付けろ。早く!!」
顔をあげられない。何を言われても体が動かない。というか、頭が動かない。
「おい、聞こえてるのか!!」
「失礼します!!高野!?大丈夫か!?」
何で、何で。
見られてしまった。1番見られたくない人に、1番見られたくないところを。
「あまの、せんぱ…」
振り返った瞬間、目に映る、驚いたような、顔。
「せんぱ、せんぱい、なん、で…ッヒグ」
息が引き攣って、こぼれたのは嗚咽だった。
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