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8 ブルマend

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手渡された白い容器に、しっこが少しずつ垂れている出口をあてがう。
(クソっ、何でこんなかっこわりーポーズ…)
力を入れているか入れていないか、もはや分からなくて。腹はパンパンで、苦しい。
じぃ...じゅいぃ...
「あっ、んぁっ、」
尿瓶を落とし、ソコを思いっきり握りしめる。己の膀胱が悲鳴をあげているのはわかっている。でも、おしっこが漏れそうって認めるのは嫌。トイレでこの欲求を消化したい。
「おい、押さえてるじゃねえか。言ってるだろ、漏らされたらめんどくさいんだよ」
「むりじゃっ、ねえっ、」
尿瓶を落とし、出口を封鎖するようにソコを握りしめる。手がしっとりと濡れているが、これは汗だ。タオルで拭われる足の刺激に腰が震えるたびに、はやく、はやくって頭の中でトイレが描かれる。
(クソっ、はやく、でるぅっ、)





(ったく…こいつせっかくの尿瓶を落としやがった)
水滴が少し入っているそれは、どっちみち洗わなければならない。ならもう諦めて全て出してしまえばいいのに。
「ぁっ、あっ、ああんっ!!」
「っはぁん、」
こいつは自分がいかに滑稽な格好をしているのかを理解しているのだろうか。明らかな我慢モジモジポーズ。手の中が少しずつ湿っていることもバレバレだ。
(これでまた制服まで汚されたら面倒だぞ…)
こいつが尿瓶にしてくれるのがベスト。でも、無駄に自尊心の高いこいつはめんどくさい。なら、何も身につけていないこの状態で垂れ流してくれるのが1番楽。
「っひぃうんっ、」
ぐいっ…腹回りを拭うフリをして、軽くそこを押すと、間抜けな喘ぎ声が聞こえた。
できるだけ、長く。できるだけ、刺激を与えて。焦っている当人とは裏腹に、ここで出させる方向へと誘導したい俺。でも、なかなかしぶとい。
「いつまでっ、やってんだよ、もうきれいだろうがっ、」
息絶え絶えな声。たしかに、もう水滴ひとつも残っていない。
(しょうがない…)
「なあ、おしっこ限界だろ?ここにしちまえよ」
「はぁ!?が、がまんできるし!!そんなもんみせんな!!」
じたばたじたばた。行列に並んでいる子供のようだ。しかたない。
「ほら手離せ。パンツあげるぞ」
「っふぅんっ、んぅっ」
全く。チンコを離せなくて我慢できるは無理がありすぎるだろう。
「ほらはーやーくー」
「っくっ、はなしたっ、」
目でわかるくらいに湿ったちんこ。軽くタオルを当てて水分を取っている間もきっと滲んでいるのだろう。そんなゆるゆるの出口では当然ブルマが肌についた瞬間、じわりとシミができるわけで。
「ぁっ、」
先端と布が微かに擦れた瞬間、ぷしゃりと勢いよく飛び出した液体が、俺の手を濡らす。
「ぁ、ああっ、」
慌ててソコを握ろうとする矢場の手を押さえる。男の子の力とは言っても、所詮は成長期前の中学生。両手首をキュッと握って仕舞えば簡単に押さえつけられるのだ。
「は、ン、なせ、離せって!!」
「もー出しちゃえよ。撒き散らしながらトイレまで行くのか?」
くねる腰も、重ね合わされた太ももも、突き上げられた尻も意味がない。液体は次々と足を伝い、皮肉なことに床に落ちている尿瓶を濡らしていく。
「ぁ…ああ…」
惚けた顔で、口の端から涎を垂らしながら。脛がピクピクと痙攣している。

 ぴちゃぴちゃと間抜けな音もいずれは終わる。
「だから言っただろ?おしっこ行ってこいって。結局2回もお漏らししちゃったじゃねーか」
「…」
「あーあ、お漏らしパンツ、2枚目~」
また仕事が増えた。うんざりした気持ち半分、茶化す気持ち半分。それがいけなかった。
「ぅ゛、ぁ゛、」
言いすぎた、目にいっぱい涙を溜めた矢場の顔を見てそう思うももう遅い。
「っ゛あ、あ゛ぁ゛…」
いつもの生意気な態度のかけらもない。ただの、子供。顔を真っ赤にして泣いている、幼稚園児。
「あーあーごめんごめん。ほら、パンツは新しいのあるからな?もう一回拭こうな」
「しっこ、はずかしいにっ、きまって…う゛、ぁああ…がまん、できた、できたしぃ、っ、」
「そーだな、俺が悪かったな。手汚さなかったのは偉い。ちゃんと綺麗にしたいからこっちおいで」
ひっくひっくと嗚咽を漏らしながら泣き続けることをやめない。ちょっと面白くて幼児みたいな可愛さがあって、にやついてしまいそう。
「ちゃんと授業前にトイレ行っとけ?そういう習慣つけような?」
「ひ、っく、お前がっ、腹押すからっ、公園のもっ、せんせーがぁっ、」
「そうだな、タイミング悪かったもんな。でもな、ぎりぎりまで我慢したお前も悪い。分かるな?」
「それはっ、だって、」
「もしこれがバスの中とか入試とかだったらどうする?行きたくても行けない時、もっと恥ずかしい思いするだろ?」
ぐしょぐしょのパンツを脱がせて、何枚目なのか分からない清潔なタオルで日に焼けた幼い下半身を拭っていく。
「っひ、ぐぅ、うるしゃい…っひ、」
 恥ずかしい、その感情のおさめ方を知らないのだろう。授業が嫌だとか、眠いだとかは叫んだり暴れたりしたりで解決していただろうが、中学生にもなって2回も漏らして、その上着替えまでさせられて。この事実の元ではその行動一つ一つが滑稽なものとなる。体だけが大きくなってしまった彼は、感情の制御が下手くそだ。
「ほらもう泣くな。このあと教室戻るか?今日だけはベッド使ってもいいぞ」
「っひ、もど、る、」
「いい子いい子。んじゃあそんないい子の矢場君にはチョコと飴ちゃんをあげよう。食べて落ち着いてから行きな」
「こどもあつかいっ、すんなクソが!!」
どの口が。この期に及んでその態度。むしろ愛おしい。
「はいはい。何味がいい?」
「…いちご…」
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