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第四章

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「せんせ、ちゅー、はやぐっ、ヒグッ…」
「だめだ。お前、キスで小便する癖がついてきてる。この前はしたけど今日は手伝わないからな」
「そんなっ…」
今日の先生は怖い。先生は、同じ失敗を凄く嫌う。でも、俺だって何でこうなるのか、分からない。ぐしゃぐしゃに泣きながら、性器を握りしめる。
「おなか、いたいぃ…はれつしちゃうぅ…」
 せんせい、せんせい…早くおしっこさせて…何回言ったか分からない、先生にはねのけられた言葉が今度は脳内をぐるぐる回る。
「はぁ…」
ため息。どうしよう、呆れられた。
「ごめ、なさい…」
どうすればいいのか分からなくて、でも何かしないとだめで。我慢しすぎて感覚の無い手を下腹に添える。
「っひっ…うっ…ぃ…」
カチカチに固まっていて、怖い。もしもこのまま出なかったら…そればっかり考えてしまう。
「せんせ、ほんとに、むりぃ…なんでそんなにいじわるするのぉ…」
「もうすぐ学校が始まるだろ。おしっこが出ないからってクラスの奴らにキスをねだるのか?」
「そんなこと、しないぃ…」
「…まあいい。今日は素行不良対象の罰掃除がある。ここにも来るかもしれないから場所を変えよう」


「せんせ、どこ、いく、っんぁ、の?」
乗せられたのは先生の車の中。振動がお腹に響いてさっき学校にいた時よりも、しんどい。
「先生の家」
「なんで、…何分かかるの?」
「20分。」
「ぅひっ!むり、おれ、おしっこげんかい、といれ、よってぇ…」
「さっきまで散々トイレに籠もっといてよく言うよ。」
「っ…ごめ、なさい…」
 今日の先生はやっぱり機嫌が悪い。そりゃそうだよな。あれだけ迷惑をかけたんだ。逆によくここまでつき合ってくれたな、と思う。でもそんな反省をしても体の中のものが無くなるわけでもない。出来るだけ背中を丸めて、膀胱が張らないようにする。
「っは…っは…ぁ、ぅあっ、ん…」
微動する車の振動に自分の荒い呼吸が飛び跳ねる。
おしっこ、おしっこ、おしっこ…膝をもじもじさせて、太股をせわしなく擦る。ガタガタと座席が揺れるたびに、ちゃぷちゃぷに溜まったおしっこが出口に押し寄せる。
 普段の俺ならとっくに漏らしてるのに。もどかしくてもどかしくてしかたない。
「車汚されたら困るから。ほら、使え」
じゅっ…
「ん゛~~~…」
目の前に某お茶のパッケージが貼り付けられた、空のペットボトルを目にした途端、ダムは壊れ始める。
じゅ、じゅぅ…
慌てて両の手のひらでソコを思いっきり上に押さえつけ上げるけれど、着々と手を濡らしていく。
 また、怒られる。また、嫌われる。
キャップを外す余裕なんてない。もう手を通り抜けている液体俺の座っているシーツに染みこんでいるから。
じょぉぉぉぉぉっ…
「あ、あ、ごめ、なさい…ごめん、なさいぃ…」
 軽くなる下腹が恨めしい。なんで、なんで俺の体は言うことを聞いてくれないんだろう。
ぐにぐにと指先全部の前押さえを嘲笑うように溢れる尿。
「ごめん、なさ…べんしょう、するから…だから、」
見放さないで。

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